中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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新雪を踏んで楽しく登る丹沢:塔ノ岳(今年11回目)

2014年03月08日 21時11分32秒 | 丹沢の山旅

                               <花立階段下から富士山を望む>

     新雪を踏んで楽しく登る丹沢:塔ノ岳(今年11回目)
             (常連に同行)
         2014年3月8日(土) 晴

■寒いけど夜明けが早くなった
 天気予報が盛んに,
 「ここしばらくは寒い日が続く…」
と言い続けている.当然,私の塔ノ岳へ登ろうという気持ちを萎縮させる.でも,今週火曜日に塔ノ岳に登ってから,今日はかれこれ4日も経過している.この辺りで塔ノ岳を往復しておかないと,また体調が思わしくなくなるので,意を決して塔ノ岳へ出かけることにする.
 例によって,4時10分に家を出発する.天気予報通りに外はかなり寒い.ただ,春分の日が大分近付いてきたこともあって,朝明るくなるのが大分早くなってきたようである.私が大船から東海道本線で小田原に到着する頃には,辺りがすっかり明るくなり始める.
 小田原から小田急の急行電車に乗り換えて,新松田手前に差し掛かると,矢倉岳と富士山が良く見えている.
 “漸く富士山と矢倉岳が重なる写真が撮れるようになったな…”
と思いながらデジカメで写真を撮ろうとする.
 カメラを構えて,私は自分の迂闊さに“ハッ!”と気が付く.実はデジカメにSDカードを挿入するのを忘れていた.たまたま私が持参しているカメラは内部メモリーがないので,SDカードなしでは,ただの一枚の写真も撮れない.
 私はやむなくバックアップ用のオモチャのようなデジカメを使うことにする.オモチャのようなカメラといっても一応防水仕様になっている.そんな関係で,今回このブログで使用する写真は何とも薄らぼけていて色も変だがやむを得ない.
 烈風が吹き荒れたのか,富士山山頂の雪は殆どなく山の地肌が見えている.
 電車は,6時20分頃,渋沢駅に到着する.

■臨時バスで大倉へ
 大倉行バス停には2番乗り.ベンチにリュックを置いて,近くの柱の片隅で全身のストレッチをしていると,程なくご常連のIIさんがバス停に到着する.久々の再会である.その内に,沢山の登山客に混じって,次々と常連が現れる.
 今日は土曜日.6時38分発の臨時バスが出る.臨時バスは数名の立ち席が出るくらいの混雑である.乗り合わせた常連はTGさん,TDさん,KMさん.YKさん,SSKさん,IIさん,NMさん,YDさん,Hさん,KIさん,MTさんなど.臨時バスは6時50分頃大倉に到着する.何人かの常連さんは,ほどなく登山を開始するが,私を含めて何人かは正規の1番バスが到着するのを待つ.
 7時10分,大倉から歩き出す.TGさん,TDさん,SSKさん,IIさん,NMさん,HNさんなどのご常連と一緒である.
  
<矢倉岳とうっすらと富士山>    <大倉から歩き出す>

■見晴階段
 何時もなら,歩き出しはIIさんのペースで速歩だが,今日は比較的ユックリの速度である.歩き出しが苦手な私は大助かりである.やがて登山道に入り,7時26分に丹沢ベースを通過する.この辺りから常連の皆さんがバラケ始める.私はすぐ前を歩いておられるTDさんの赤いスパッツを眺めながら,TDさんの後ろに付いて歩く.赤い色に惹かれて歩くなんて,
 “オレは,まるで闘牛の牛のようだな…”
と一人で苦笑する.
 私のすぐ後ろには,NMさんがピッタリと付いてくる.程なく,TDさん,私,NMさんの3人が先頭集団になり,後ろの集団との差がだんだんと開き始める.
 7時35分,観音茶屋を通過する.トラバース道を雑事場ノ平に向かっている頃,2番バスで来られたMGさんが私たちに追い付く.相変わらずの俊足である.
 7時50分,雑事場ノ平に到着する.
 NGさんに,
 「私,自分のペースで登りますので,どうぞお先に…」
と後ろに居られるNMさんに先を譲ろうとするが,NMさんもユックリ登るというので,そのまま先頭にTDさん,その後ろに私,NMさんの順序で登り続ける.
 7時52分,見晴山荘を通過し,見晴階段に差し掛かる.ここで例により定点観測の写真を撮るが,安物のバックアップカメラなので,何となく色彩がおかしな写真になってしまう.
 見晴階段の途中で,MGさんに,
 「このペースだと,(大倉から)塔ノ岳山頂まで3時間ペースになりますよ.どうぞお先に…」
とお薦めする.
 「それではお先に…」
ということで,MGさんの歩行速度が速くなる.たちまちの内にMGさんと残りの2人との間が広がり始める.
 今日は休日なので沢山の登山者の後ろ姿が見える.

<見晴階段>

■駒止階段
 8時09分,ようやく一本松を通過する.大倉からの所要時間は59分.随分と遅いペースだが,それだけに疲労感は全くない.
 一本杉を過ぎると昨夜降ったらしい新雪があちこちに残っているのが分かる.
 やがて駒止階段に差し掛かる.残雪は大分少なくなってはいるが,まだ,まだ,沢山の雪が残っている.階段は完全に雪の中である.
 残雪の上に新雪がうっすらと降り積もっている.どうやらアイゼンなしでも登れそうである.私は登山学校で習ったことを思い出しながら足幅を極力狭く,フラットフッティングに注意しながら慎重に登り続ける.
 8時24分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間14分である.私は相変わらずNMさんと2人で登り続ける.後続の常連組は何時の間にか姿形が見えなくなっている.

<残雪の駒止階段>

■富士山が見える
 大量の残雪の山を越えて,堀山の尾根道に差し掛かる.半ば雪に埋まった木道を通過すると,凍結した泥んこ道に入る.下山のときには泥んこ道に変わっているだろう.
 尾根道の途中から富士山が良く見えている.少し立ち止まって,富士山の写真を撮る.富士山が写っているような,写っていないような茫洋とした写真が撮れている.

<堀山の尾根道からの富士山>

■小草平
 8時49分,小草平に到着する.
 小草平のベンチには先客が2~3人休憩を取っている.相変わらず富士山が良く見えている.
 小草平には真っ白な新雪が残っている.

<小草平に到着>

■格好いい堀山の家
 これまで先頭を歩いていたTDさんが衣服調整のために,ここで小休止するという.NMさんと私は休憩を取らずに,そのまま登り続けることにする.
 「どうせ,戸沢分岐辺りで,TDさんに追い付かれますよ…」
ということで…
 今日は未だ朝が早いというのに,もう堀山の家が開店している.私たちが賑やかなのを察してかオーナーが小屋から出てくる.小屋の煙突からは囲炉裏の煙がうっすらと立ち上っている.その風景を見て,同行のNMさんが,
 「あら…なかなか風情がありますね…」
と言う.その言葉につられて,小屋の主を入れた小屋の写真をデジカメに収める.
 「帰りにお寄りします…」
と小屋の主に挨拶して,先を急ぐ.

<堀山の家>

■残雪タップリの戸沢分岐
 堀山の家を過ぎると,いよいよ本格的な登り坂になる.
 「私,ユックリ登りますよ…先に行きませんか」
とNMさんに先を譲るが,私の後ろで良いと言うので,そのまま私はマイペースで登り続ける.
 登るにつれて,残雪が少しずつ増えていく.1週間前に比較すれば,残雪の量は大分少なくなってはいるが…
 9時04分,戸沢分岐に到着する.
 「あれ…! まだ三角髭のTDさんが現れないですね…」
とNMさんと話し合いながら,分岐の標識の前を通過する.この辺りは吹き溜まりの雪がまだまだ多い.

<戸沢分岐>

■萱場平
 萱場平手前の吹き溜まりの雪は大分少なくなっているが,その代わりに咲くや降ったらしい新雪で辺りは真っ白になっている.
 9時06分,萱場平を通過する.
 今日は土曜日.平日ならば殆ど人気がないところだが,今日は萱場平で休憩を取っている登山者が何人か居られる.

<新雪の萱場平>

■後7分坂からの富士山
 萱場平を過ぎると,雪がさらに多くなる.下山する頃には,この雪が溶け出してシャーベット状になるだろう.シャーベット状の雪は滑りやすいので,今から下山のときのことが思いやられる.
 相変わらず私はマイペース.多分,後ろに居られるNMさんは焦れったい思いをしているだろうが,私の知ったことではないと達観して,登り続ける.
 ショートステップ,フラットフッティング,ドントキックバックワード…この3点に絶えず留意しながら牛歩のような歩みを続ける.それでも,途中で何人かの登山者を追い抜く.
 相変わらず三角髭のTDさんは現れない.
 9時21分,後7分坂(花立階段)に到着する.ここからの富士山の眺めは一寸したものである.今日の富士山もなかなか見応えがある.私はNMさんと並んで,この富士山の写真を撮る.

<後7分坂からの富士山>

■花立山荘
 後7分坂の真ん中辺りは,まだ雪の吹き溜まりに覆われているので,滑りやすい.アイゼンなしで登っているので,何時もよりはなお慎重に登り続ける.
 9時28分,ようやく花立山荘に到着する.そのとき,意外にも,私たちより10分ほど前に大倉から歩き出したKIさんとMTさんが,丁度休憩を終えて花立山荘から歩き出すところ.
 山荘前の広場では数名の登山者が休憩を取っている.
 大倉からの所要時間は,2時間18分.堀山の家からの所要時間は39分.
 相変わらず富士山が良く見えている.

<花立山荘>

■花立山
 私たちから数十メートル先をKIさんとMTさんが登っている後ろ姿が見えている.少し歩行速度を速めて,追い付こうかなという邪心が生まれるが,ぐっとこらえて慎重に登り続ける.
 花立山の手前まで,歩くのが嫌になるほどの雪の吹き溜まりが小山のように聳えている.滑りやすい小山である.
 やっと雪の小山を越える.随分登ったなと思っても,花立山山頂はまだまだ先である.
 “ヤレ,ヤレ,…しんどいな.本当にしんどいなぁ~…”
と心の中でブツブツ言いながら登り続けて,9時36分に花立山山頂に到着する.
 ブツブツ言うにしては,花立山荘から花立山までの所要期間が,通常は9~10分なのに,今日は8分しかかかっていないので,案外雪の道の方が歩き易いのかもしれない.
 花立山からは相変わらず富士山と残雪の鍋割山稜が見えている.素晴らしい風景である.

<富士山と鍋割山稜>

■塔ノ岳山頂
 9時41分,金冷シを通過する.
 ここから塔ノ岳山頂までは,まだまだ大量の雪が残っている.残雪の上に新雪がうっすらと積もっている.冬道は相変わらず稜線沿いの直登コースが大半である.
 途中,アイゼンなしでは登るのが一寸辛いところもあるが,総じてアイゼンなしでも登れるコースである.ショートステップに徹しながら,リズムを取りながら登り続ける.遅速ながら途中で数人の登山者を追い抜く.
 9時58分,私はNMさんと一緒に,無事,塔ノ岳山頂に到着する.山頂のポールの側にMGさんとYDさんが居られる.KIさんとMTさんが尊仏山荘に入っていくのが見える.
 「おや…随分と速いですね…」
とMGさんが私たちにお世辞を言う.MGさんとYDさんは直ぐに下山開始.
 山頂の気温はマイナス5℃.結構寒い.微風だが結構冷たい風が吹いている.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間48分.花立山荘からの所要時間は丁度30分である.花立山荘からの所要時間が案外短かったように思える.
 今日はNMさんとご一緒しているので,写真撮影にあまり時間を取らずに尊仏山荘に向かう.

<塔ノ岳山頂からの眺望>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.小屋番はWBさん,WDさん,FYさんのトリオ.恒例により300円也のお茶を所望する.
 先客の中に長老のSTさんが居られる.まだ山は冬だというのに麦わら帽子をお召しである.STさんが,
 「年寄りが皆さんに迷惑を掛けてはマズイと思って,先に登ってきました…」
という.
 そういえば,STさんとの会話では,しばしば“年寄りなので…”というフレーズが出るなと気が付く.
 
<塔ノ岳山頂>                    <尊仏山荘>

常連が揃う
 先着のKIさん,MTさん,それに私とご一緒したNMさんの4人に,長老のSTさんの5人で雑談をしていると,間もなく,継ぎのバスで来られたFTさんが到着する.
 「それにしても,残りの皆さん…なかなか来ないですね」
とどなたかが言う.FTさんが,
 「萱場平で皆さんを追い越しました….」
 では.皆さんのご到着は,まだ先だな…口の悪いどなたかが,
 「到着は11時頃になるよ…」
と冗談まがいに言う.
 程なくHさんが到着する.そして,10時25分頃,大倉を一緒に歩き出した残りの皆さんが続々と山荘に入ってくる.

<登山客で賑わう尊仏山荘>

尊仏山荘のミャ~君
 今日も華伊達美弥雄さん(ミャ~君のこと)は,石油ストーブ前の一等席で,居眠りをしている.
 私が山荘に居る間に1回だけ起き上がって,フロアーに降り立つ.そして,綺麗な声で,何かを訴えるような声で,
 「にゃ~」 
と2~3回啼く.そして,ヤッコラショ!という感じで,また,椅子の上に登って,香箱を作る.
 山荘が混雑してきた.何時までも長居しては商売の妨げになるので,そろそろ下山しようかと思い始める.

<尊仏山荘の山ネコ“ミャ~”君>

■KIさんと堀山の家まで下山
 尊仏山荘の外へ出る.
 アイゼンを着用して下山するか,ノーアイゼンにしようか少々迷うが,ここは慎重にアイゼンを装着して下山することにする.
 私とほぼ同じ時間に山荘を出たKIさんが,
 「速く下山しましょう…」
と私を急かせる.
 10時45分,KIさんと一緒に塔ノ岳山頂から下山開始.その後は,KIさんと前後しながら,かなりの速度で下山し続ける.結構高速である.
 10時55分,金冷シを通過.
 11時05分,花立山荘を通過する.途中,次から次へと登ってくる登山者とすれ違いながらの下山である.
 11時41分,小草平に到着する.KIさんと一緒に堀山の家に立ち寄る.私はコーラを所望する.
 「カナブンは育ち盛りだから2階で寝ているよ…」
とどなたかが言う.それを聞いて,私は噴き出しそうになる.
 すぐにどこからともなく三角髭のTDさんが堀山の家に入ってくる.登りでTDさんと小草平でお別れしてから,今まで一回もお会いしなかったので,どこでどうなったのかが不思議である.

<堀山の家で一休み>

ご常連と一緒に下山
 11時50分,堀山の家の前を,UMさん,TTさん,MTさんが一団となって通過するのが見える.
 KIさんが,すぐ堀山の家を出て皆さんに合流する.私も釣られて堀山の家をオサラバする.
 道路は例によって超泥んこ.
 「泥んこ道も,春の風物詩だと思えば,許せるかな…」
と呑気なことを言いながら,ノンビリペースで下り続ける.

■見晴山荘で一休み
 12時33分,見晴山荘に到着する.山荘前のベンチで日向ぼっこをしながら一休みする.一足遅れて後から来られたTDさんも合流.見晴山荘から大倉まではノンビリと下山する.
 13時08分,無事,大倉に下山する.13時12分発の渋沢行バスに間に合ったが,泥靴をユックリ洗いたいし,青空市場も見て歩きたいので,30分後の次のバスに乗ることにする.
 塔ノ岳山頂から大倉までの所要時間は,途中の道草時間を含めて2時間23分である.

<見晴山荘で一休み>


 水場で泥靴を洗ってサッパリする.
 その後,青空市場を見て回る.大きな白菜が1個100円,どれも結構安いが,重たそうなので,買うのを止める.
 バスが混雑しそうなので,バス停の列に加わる.前の方に並んでいるのは,常連が多い.13時38分発のバスに乗車する.発車間際にSSKさん,IIさん,NMさん,HNさんなど,今朝方一緒だった方々がバスに乗り込んでくる.

<帰りのバスも結構混雑する>

■無事帰宅
 私は渋沢駅で皆さんにお別れして一人になる.小田原乗換で快速アクティに乗車,15時少し前に大船駅に到着する.お天気は上々.大船駅から自宅まで歩いて帰ろうかとも思ったが,あまり無理をしても行けないので,温和しくバスに乗って帰宅する.
 帰宅後まずは登山できていた衣類を洗濯する.着ていた衣類を纏めて抱えてみると結構なガサと重さがある.こんなものを大量に着込んで山登りをしていたのかと思うとちょっとビックリ.
 洗濯を済ませて,風呂に入る.極楽,極楽.
 今日も良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:10  大倉歩き出し
 7:35  観音茶屋
 7:52  見晴山荘
 8:24  駒止茶屋
 8:49  堀山の家
 9:28  花立山荘
 9:41  金冷シ
 9:58  塔ノ岳山頂着(-4.3℃)
10:45     〃   発
10:55  金冷シ
11:19  花立山荘
11:41  堀山の家(11:50まで休憩)
12:15  駒止茶屋
12:33  見晴山荘(12:38まで休憩)
12:54  観音茶屋
13:08  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
   大倉   発      7:10
  塔ノ岳  着      9:58
  (所要時間)  2時間48分(2.80h)
  水平歩行速度   7.0km/2.80h=2.50km/h
  登攀速度    1,269m/2.80h=453.2m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:45
  大倉   着      13:08
  (所要時間)  2時間23分(2.38h)
  水平歩行速度     7.0km/2.38h=2.94km/h
  下降速度     1,269m/2.38h=533.2m/h                                   (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/10a4ce6c52ffcf40da5e6520c07cb7da
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d2e5d5edcc9450612c70c66f31f7db62

※誤字脱字転換ミスご容赦





 



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