中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ノルウェー紀行;第5日目(トレッキング第3日目)(2);帰りは長閑な散策路

2013年09月23日 04時22分40秒 | ノルウェー;カルホビッケン登頂

                                <牧場で一休み>
 
 ノルウェー紀行;第5日目(トレッキング第3日目)(2);帰りは長閑な散策路
           (アルパインツアー)
      2013年8月19日(月)~8月30日(金)

第5日目;2013年8月22日(水) トレッキング第3日 

 <ルート地図>


※再掲

<川沿いの散策路>

■広々とした谷間
 13時50分,広々とした台地で休憩を取った私たちは,再び南へ向かって歩き出す.前方には谷間がある.その谷間に向かって,やや急な下り坂が続く.
 ちょうど,イェンデトゥンカ峰の南側の断崖を迂回するような感じで歩く.
 「なるほど! そういうことだったんか…!」
 …と言うことは,登りに通った岩場など,通らなくても,ノンビリとこの道を逆に辿れば,楽々とイェンデストゥンカ峰山頂に登れるというわけだ.まあ,少々歩く距離は長くなるが…
 下の写真の広々とした谷間を下っていくと,やがて,進行方向左手に,オーバーハングした岩場がそそりたっているのが見え始める.地図で見ると等高線がお互いにくっついて真っ茶色になっている所である.

<広々とした谷間を下る>

■橋に到着
 14時46分,私たちは小さな橋の袂に到着する.ここで,10分ほど休憩を取る.好奇心で川の水に手を突っ込んでみる.冷たくて気持ちが良い.
 元気な人は,腰を下ろさずに,橋を渡ってあちらこちらの写真を撮っている.この辺りから先には湿地帯が広がっているようである.

<小川に掛かる橋に到着>

■美しい川
 橋の袂から川の上流を眺める.地図には川の名前が書いてあるが何て読むのかが良く分からない.川の名前など調べるのが面倒なので,どうでもいいやということで済ませる.
 とにかく,この川の上流は,今,私たちが下ってきた谷間のずっと先まで続いているようである.

<谷間を流れる小川>

■川沿いの長閑な散策路
 休憩を終えて,川の左岸沿いに踏み跡のような道を歩き続ける.単調で水平な道である.
 私たちが宿泊しているイェンデブー小屋まで,もうすぐのような気がするが,ツアーリーダーが,
 「イェンデブーまでは,まだ,まだ,ありますよ.途中でもう一回休憩を取りますよ.後,2ピッチですね…」
と,単調な景色で,だらけそうになる私たちの気持ちを引き締める.
 それにしても,登りに味わった急峻な岩登りとは,何ともかけ離れた長閑な散策路である.
 やがて,前方にイェンデ湖が見え始める.湖の向こうには,一昨日,昨日と連続して歩いた尾根が見えている.

<川沿いの長閑な散策路>

■牧場に入る
 私たちは,やがて,灌木が繁茂する川沿いの道を辿り始める.
 15時21分,白いペンキが塗ってある粗末な垣根を乗り越える.垣根から先は牧場である.
 牧場に入ると,ところどころに,ベッタリとした牛のウンチが落ちている.要注意.
 私の近くを歩いているオバサン達との雑談の成り行きで,私が,
 「子どもの頃,信州の農村では,馬糞や牛糞を拾い集めるのは,子どもの仕事でしたよ…」
とお話しする.すると,何でも早合点する性向のある某オバサンが,
 「あっ! 燃料にするんでしょう…」
と私の話の先を取る.
 私はビックリする.いくら昔話でも,遠いアフリカのどこかの国の話ではない.日本の農村の話である.それもつい半世紀ほど前の話.私は呆れて,
 「違いますよ…! 肥料にするんです.昔は人糞も肥料にしたんですよ.」
 ついでに,
 「農家の方は,街中の家のトイレから汲み上げて肥料にしていましたよ.そのお礼に街中の家の人は,出来た野菜などを貰っていましたよ.」
 さらに,ついでながら,東京だって,戦後暫くの間は,排泄物を集めて,おわい船に乗せて,海洋投棄していたことを話す.トイレから汲み上げた排泄物を,業者が黒くて細長い樽に入れる.沢山の樽を積んだトラックが,東京の街を何台も,何台も走っていたのは,そんなに遠い昔の話ではない.
 私の下ねた話を聞いたオバサン達は,
 「へぇ~…!」
と驚いて眼を白黒.でも半信半疑の様子である.
 私とせいぜい20歳ほどしか年令の開きがないオバサンでも,私たちの年代とは随分と違うなと,逆に私が驚く.
 “このオバサン達,多分「八紘一宇」なんていう言葉,知らないだろうな…戦後は遠くなりにけり…”
 …と,まあ,余談でした.

<垣根を越えて牧場に入る>

■牧場の中で一休み
 牧場に入ると,さすがに湖に近いだけあって,灌木が繁茂している.道もだんだんと歩き易くなる.ただ,相変わらずあちこちの牛の落としものが沢山ある.要注意…とは言っても,一雨降れば,土なのか牛糞なのか区別が付かなくなるが…
 ともあれ,ここは実に心地よい散策路である.
 14時45分,牧場の真っ直中で,休憩を取る.辺りを見回すと,灌木の間に,沢山の牛が居る.人間に馴れているために,ちっとも怖がらないようである.
 近くに居る牛が,物珍しげに私たちの方に寄ってくる.そして,オバサンが背負っているリュックをペロリとなめる.そのリュックを背負っているオバサンは,自分のリュックが牛になめられたのに気がつかない.そのオバサンにリュックを牛がなめらたと教えたら,気持ち悪いと思うに違いない.だから,私は知らんぷりしている.それにしても牛は実に可愛い.

<牧場;灌木の林の中を行く>

■分岐点に到着
 16時04分,分岐点に到着する.ナントカ(?)ブーへの分岐点である.読むのも面倒臭い変なスペルだ.手持ちの地図で分岐点の位置を確かめる.そして,もうすぐ私たちが宿泊しているイェンデブー小屋に到着することを確認する.

<分岐点を通過>

■二つの橋を渡る
 やがて,道路は湿地帯の中を通るようになる.
 16時05分,やや長い木橋を渡る.一度に5人も6人も小さな木橋に乗っかるので,木橋が沈み込んでいる.後ろから見ていた私は,橋が落ちるのではないかと心配になる.幸いにも,木橋は落ちることはなかっが,こんな些細なことでも気になる私は.要するに心配性なのである.
 結局,私たちは,続けて2本の橋を渡る


<橋を渡る>

■イェンデスブー小屋に戻る
 16時15分,私たちは無事イエンデスブー小屋に到着する.
 ほんの暫くの間,ハイキングをするつもりで出掛けたが,その結果は,思いも寄らぬ大変な山登りになってしまった.当初の想像とのあまりの落差にただ驚くばかりである.
 でも,久々に真剣に岩登りをしたし,美しい風景も堪能できたので,万々歳である.

<イェンデスブー小屋に戻る>

<イェンデスブー小屋の夜>

■まずはシャワーと洗濯
 小屋に到着順に流れ解散である.
 私は,まずはともあれ,自分の部屋に戻る.そして,真っ先にシャワーを浴びる.シャワーで汗を洗い流すと,さっぱりして,ますます爽快な気分になる.
 ついで,乾燥室で,今日着ていた衣類の洗濯を済ませる.昨日,乾燥室を使った経験で,今洗濯すれば,間違いなく明日の朝までには乾くと確信している.

■賑やかな夕食;まずはスープ
 18時30分から夕食である.たまたま私が座った席は,現地ガイドの真ん前,ガイドの脇には同行の女性が座っている.私の脇にも同行者が座っている.
 まずは,スープ.これが山小屋の食事かと思えるほど,結構,美味しい.

<まずはスープ>

■ついでメインディッシュ
 メインディッシュは野菜とお肉タップリ.グラタン風の味付けである.特にポテトがとても美味しい.私たち日本人が小食のせいかもしれないが,ボリュームはイヤと言うほどある.結局は随分と残してしまう.

<メインディッシュ>

■デザートとコーヒー
 デザートは,結構甘い.それに量が多いので,一寸閉口するが,甘いものは,なるほど別腹である.結局,全部,美味しく戴く.
 まさか山小屋でこんな豪勢なデザートが食べられるとは思って居なかった.

<デザートとコーヒー>

■一寸イヤな思いをする
 こんなこと,ここで書いてしまって良いのか分からないが…
 コーヒーを賞味しているときに,私は一寸イヤな思いをする.
 私は,今日スケッチしたラフな絵の中から,秋の展覧会に向けて作品に出来そうなものはないかなと思案している…
 そのとき,参加者の1人が,私に「丹沢の山ヒルを話題にして,ガイドさんとお話ししなさい」と,半ば強要される.途端に,私は“ムッ”として,断固,拒否.
 私は,いわれもなく,他人から強要されるのが大嫌いだし,山ヒルも大嫌いだ!.
 “なんで,こんな素晴らしい所で,わざわざ丹沢の山ヒルなんか話題にするの…?”
私はかなり気分を害してしまう.
 そして,20時頃.食堂を引き上げる.

■素晴らしい夕暮れ
 外はまだ明るい.
 綺麗な風景が見えているのに,このまま部屋に戻るのは,何とも勿体ない.それに,私と同室の方は,今夜もどこかで宴会をしているようである.“小人閑居して不善を為す”訳ではないが,1人ポツンと閑居するのも,ちょっと寂しい.
 私は,山小屋から外に出て,湖が良く見えるところまで行ってみる.
 たまたま,そこには一緒に旅をしている3人の方が居られる.
 少々寒いが.夕暮れの湖水を眺めながら,3人の方と,半時間ほど雑談を楽しむ…が,ここでも私が年令以上に元気でいられるコツというか秘訣を教えてくれということになる.
 ところが,肝心の私は,何となく毎日空気を吸って生きているだけで,特に健康に良いことを率先してやっているという意識はない.だから,秘訣と言われても返答に窮する.
 それにしても,なんとも素敵な夕暮れである.

<素晴らしい夕暮れ>

■早々に就寝
 20時半頃,自室に戻る.
 勿論,同室の男性は,まだ,部屋には戻っていない.ベッドの中で.今日1日の日記を認める.そして,改めて,今日は予期しない刺激的な1日であったなと思う.
 寝がけに血圧を測定する.上の血圧(収縮期)が,まだ,一寸高い(プライバシーなので具体的な数値は書かないが…).まあ,高いと言っても,高位正常値の範囲には入っている.そろそろ時差の影響はなくなっていると思うのだが…まだ,どうも体調は絶好調という訳ではない.
 21時頃就寝.
 今日も良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 9:30  集合
 9:33  イェンデスブー小屋発
10:10  衣服調整休憩(10:15まで)
10:42  休憩(10:55まで)
11:46  見晴の良い所で休憩・昼食(12:20まで)
12:40  イェンデストゥンカ峰山頂着
12:58        〃        発
13:40  休憩(13:50まで)
14:42  橋の袂で休憩(14;:52まで)
15:43  牧場の中で休憩(15:55まで)
16:15  イェンデスブー小屋着

[山行記録]

■水平歩行距離(概算)        8.2km
  イェンデストゥンカ峰山頂まで     2.7km
  山頂からイェンデスブー小屋まで  5.5km


■累積登攀高度(概算)        500m

■累積下降高度(概算)                  500m

■登り所要時間(休憩時間込み)
  イェンデブー小屋発           9:30
  イェンデストゥンカ峰山頂着       12:40
  (所要時間)                       3時間20分(3.33h)
  水平歩行速度   2.7km/3.33h=0.81km/h
    登攀速度      500m/3.33h=150.2m/h 

■下り所要時間(休憩時間込み)
   イェンデストゥンカ峰山頂発    12:53
   イェンデスブー小屋着       16:15
   (所要時間)                  3時間22分(3.37h)
  平歩行速度    5.5km/3.37h=1.63km/h
  下降速度       500m/3.37h=148.4m/h

■全体の所要時間(休憩時間込み)
   イェンデスブー小屋発       9:30
        〃      着      16:15
   (所要時間)          
 6時間45分(6.75h)
  水平歩行速度                8.2km/6.75h=1.21km/h
                                  (第5日目終わり)
                                  (第6日目に続く)

前の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/877cae5fdcfe93bf16d1960a0cf414b7
後の記事
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目次と索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/48f4e4d4ec64fe58371168794f7289c2

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