中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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常連もヒルにやられた丹沢:塔ノ岳(今年40回目)

2013年08月03日 19時51分17秒 | 丹沢の山旅

                                   <百合の花に癒されて>

     常連もヒルにやられた丹沢:塔ノ岳(今年40回目)
         (上り新人と,下り常連とご一緒)
         2013年8月3日(土)  雨後曇

■余り天気は良くなさそうだ
 天気予報は終日曇り.やや涼しいというので,恒例により丹沢塔ノ岳に登ることにした.今日は土曜日.平日と違って小田原駅での階段2段跳び乗換はないので,前回より1時間遅い5時10分に家を出る.
 私の頭上で,カラスが,人をバカにしたような声で「カア,カア,…」と啼く.多分,近くに巣でもあるのだろうか,触らぬ神に祟りなしで,私はサッサと通り過ぎる.すると,今度は,道に面したお宅の植木から,ミンミンゼミがうるさく啼いている.朝から実に騒々しい.
 土曜日の東海道下り電車は,平日に比較するとかなり状弱が多い.多いと言っても座席には十分に余裕があるが,平日のように4人掛け1ボックスを1人で占領するという訳にはいかない.
 小田原駅でユックリと小田急線の電車に乗り換える.電車が新松田に近付くにつれて,雨雲が低く垂れ始めて,矢倉岳など近場の低山も雲に覆われて見えなくなる.そればかりか,雨も降り出したようである.
 ”また,雨か…こんな日に山へ登るのはイヤだな”
と思いながらも,バス待ちの長い列の後ろに付く.列の前の方には沢山のご常連の顔も見えている.そうなると,多少の雨でも,
 ”まあ,グズグズ言わないで登るか…”
という気分になるから不思議である.
 本日,1番バスに乗り合わせたご常連は,別格韋駄天のSTさんをはじめ,KMさん,YUさん,TDさん,MTさん,TNさん,HNさん,STさん親子他.
 ”あれえ…TGさんやHさんが居ないな…”
と,常連の誰かが言う.多分,TGさんはどこかの山に行かれているのだろう.

■小雨の中,登山開始
 7時頃,バスは大倉に到着する.
 7時06分,何人かのご常連,それに一般の登山客に混じって大倉から歩き出す.雨具を着ようかどうしようかと迷うほどの小雨が降っている.本当は,こんな妙な天気には登りたくないが,そうかといって,ここで退散するのも癪である.
 気温は24℃.無風.勿論,湿度はえらく高い.こんな悪条件では,どんなにユックリ歩いても,汗をかくに決まっている.どうせ雨具を着ても,雨具の中は汗でビショビショになるに決まっている.そこで,私は雨具なしで登ることに決める.
 登山道に入る.入口付近の舗装道路は雨でベタベタ.先が思いやられる.

<雨でベタベタの登山道>

■ご常連の後を追う
 7時22分,丹沢ベースを通過する.いよいよヒル銀座に差し掛かる.私は足許を注意しながら前を行く登山者の列の後ろを歩き続ける.
 ”ヒルを見付けたら写真を撮ろう…”
と思いながら登り続けるが,私の眼がガチャ眼のためか,結局はヒルを見つけられないまま,一番ヒルが沢山居る場所を通過してしまう.
 少し歩行速度が速いかなと思いながら,私はTDさん,YUさん,TNさんの後ろにくっついて登り続ける.しかし,観音茶屋を過ぎる頃から,とても一緒の速度で歩くのは無理だと思って,歩行速度を落とす.その途端に,私の前を行くお三方との距離がだんだんと広がっていく.
 
<沢山の登山客;先頭の3人が常連>                 <暫くの間,常連の後に付く>

■霧の見晴階段
 7時48分,見晴山荘を通過する.そしてすぐに見晴階段に差し掛かる.
 階段には濃い霧,というより霧雨が降っていて見通しがほとんど利かない.私の前を歩く3人の常連の後ろ姿も全く見えない.
 小石や礫がビッショリに濡れているので,とても滑りやすい.
 ”これでは,下山が大変だな…”
と思いながら,階段を登り続ける.
 階段を登りながら,今日は身体が何となく重い感じがする.どうも体調が良くないようである.

<見晴階段を登る>

■ヒルにやられた!
 漸くの思いで見晴階段を登り切って,モミジ坂を登り始める.あともう少しで一本松というところで,下山してくるKSさんとすれ違う.例によって,
 ”やあ,やあ,・・・”
と握手.何時も手袋をされているKSさんが,今日に限って手袋をされていないのも面白い.
 私がKSさんと,やあ,やあ…をしている間に,後ろの霧の中からMTさんが”ぬっと”現れて私を追い越していく.
 「今日はヒルにやられちゃいましたよ…ヒルにやられるなんて初めての経験ですよ」
とKSさんがいう.
 今日,登っている最中に,堀山の家で脹ら脛をヒルにやられたことに気がついたとのことである.
 「どこでやられたか全く分からないです…」
とのこと.
 KSさんのような超ベテランのご常連でも,ヒルにやられたとなると,私がヒルに食いつかれるのも時間の問題だなと思い始める.そういえはつい先日,facebookで長老のSTさんから,丹沢でヒルに食い付かれたと言っていた.
 KSさんとほんの暫く立ち話をしているうちに,私を追い越したMTさんの後ろ姿は,霧の彼方に消えている.私はサッサとMTさんに追い付くのを諦める.
 そういえば,MTさんのご主人も.今週火曜日に塔ノ岳を往復したときに,どこかでヒルにやられたという.この所,ヒル被害が随分と増えているようである.

■若い男性と一緒に登る
 一本松付近から,全くの一人旅になる.今日は身体が重く感じるので無理をせずに登ろうと思っている.
 駒止階段の手前で,後ろから若い男性2人が近付いてくる.私は道を譲る.この2人,お仲間同士かと思ったが違ったようである.お一人が,駒止階段の下で,突然,立ち止まって,私に,
 「今日は随分と蒸し暑いですね…」
と話しかけてくる.
 お話しを伺うと,この男性は大和にお住まいで,今回初めて塔ノ岳に登るとのこと.私と同じ1番バスに乗車し,私とほぼ同じ時間に大倉から歩き出したようである.
 この男性,今まではもっぱら高尾方面.あるいは大和から鎌倉まで歩くなどウオーキングをされているという.丹沢は大山には登ったことがあるという.
 「ちゃあ
~…是非,塔ノ岳山頂の尊仏山荘まで登りましょう…尊仏山荘のコーヒーは美味しいですよ」
ということで,折角の縁なので,この男性と塔ノ岳山頂までご一緒することにする.この男性,お名前はHMさん,まだ50歳代中頃でお若い方である.これを機会に,是非,塔ノ岳の常連になって貰いたいと思っている.
 もっとも50
歳代中頃の男性を捕まえて,”若い男性”なんて言っている私は,一体何なんだ.三途の川のゴミ拾いか?
 …ま,それはともかく,私の持論の”頑張らないで登る”を実践しながら,まずは一緒に駒止階段を登る.

■富士山は雲の中
 8時22分,若い新人HNさんと一緒に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間16分.予想しいた程,そう悪いラップでもない.
 ”要するに,私の前を疾風のように消えていったご常連が速すぎるのだ…”
ということにしておこう.
 やがて,堀山の尾根道に入る.何時もはここを疾風(?)のように通り抜ける私だが,今日は常連候補の新人と一緒である.極々ユックリペースで歩き続ける.
 雨は止んだが,今日もまた,辺りを濃い霧が覆っている.勿論,富士山が良く見える場所に到着しても,富士山は全く見えない.
 「晴れていれば,ここから富士山がとても綺麗に見えるんですが…」
と私は残念がりながら,HMさんに説明する.

<堀山の尾根道>

■蒸し暑い萱場平
 8時44分,漸く小草平にある堀山の家に到着する.
 山小屋の前の椅子に小屋番の男性が腰掛けている.
 「おはようございます…帰りに寄ります」
で関所を通過する.
 「ここから,長い登り坂が続きますよ.ユックリ登りましょう…」
ということで,普段でもノソノソと遅速であるく私は,一段と速度を落として登り続ける.
 初めての塔ノ岳登りのHMさんは,ときどき過呼吸気味になるので,途中の長い上り階段では,臨機応変に立ち休憩を交えながら.とにかくユックリと登り続ける.
 9時06分,漸く萱場平に到着する.萱場平全体からモワモワした霧が湧いていて,全くの無風である.気温は22℃.ジッとしていれば,多分,そんなに蒸し暑いはずはないが,私たちは登っている最中なので,とにかく蒸し暑くて堪らない.

<萱場平>

■花立山荘
 花立山荘までの上りも大変である.立ち休憩を繰り返しながら,そして何人もの登山者の追い抜かれながら登り続ける.
 途中で見事なユリの花に癒されながら登り続ける.
 立ち休憩,深呼吸を繰り返して後7分坂を登りきって,9時37分に花立山荘に到着する.山荘は相変わらす雲の中.小屋番の皆さんが忙しそうに開店準備をしている.山荘前では数名の登山客が休憩を取っている.その中には見覚えのある人もいる.
 「ここまで登れば,山頂まであと僅かですよ…」
とHMさんに説明しながら,花立山荘を通過する.

<花立山荘>

■花立山から塔ノ岳山頂へ
 花立山荘から12分掛けて花立山山頂を通過する.相変わらず辺りには濃い霧が掛かっている.さすがにここまで登ると涼しくなる.何時の間にか汗も引っ込んでいる.
 9時55分,金冷シを通過する.
 「ここから3ヶ所の階段があります…ユックリ登りましょう」
 金冷シから最初の長い階段をもう少しで登りきるところで,尊仏山荘の小屋番WDさんが私たちを追い抜いていく.どうやら私に気付かなかったようである.
 「WDさん…」
と呼びかけると,
 「おや,FHさん…FHさんはとっくに先の方を歩いているとばかり思っていましたよ…」
 私はHMさんを常連候補の方ですとWDさんに紹介する.
 2番目の階段に差し掛かるところで,常連のSTさん親子に追い越される.ついで,下山してくる韋駄天のSTさんとすれ違う.そして,山頂直下の木道で下山してくるTDさんとすれ違う.それぞれの方にHMさんを紹介する.
 10時16分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は3時間10分.HMさんは高尾方面を歩かれていただけあって,初めての塔ノ岳登山で3時間10分とはとても立派な記録である.また,随分とユックリ歩いたはずなのに,何時もの記録より15分程度長く掛かっただけなのに驚く.でも,疲労具合は,自分の経済速度よりユックリ歩いたからといって,決して軽減されるわけでもない.何時も通りの疲労感が残る.
 山頂の気温は20℃.今日も無風である.山頂は相変わらず深い霧に覆われている.

<霧の塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 山頂での記念写真を撮った後,HMさんと一緒に尊仏山荘に入る.
 先着のご常連の皆さんが居られる.YUさん,KNさん,UMさん,MTさん.小屋番はオーナーのHDさんの他にWBさん,WDさん,FYさんの3人体制.華伊達美弥雄氏は今日も不在.皆さんのHMさんを紹介する.
 例により300円也のお茶を所望する.そして,ご常連の皆さんと,暫くの間,雑談.
 KMさんから,自家製のトマトを頂戴する.形こそ小振りだが味が実に濃厚な美味しいトマトである.
 10時45分頃,同じ一番バスに乗り合わせていた常連のHNさんが尊仏山荘に到着する.

■ど根性アザミ
 10時44分,単独で下山開始.
 途中,堀山の家に立ち寄って,ノンビリと下山する積もりである.相変わらず曇り空だが,山頂は沢山の登山客で賑わっている.鴨見知りの方も沢山居るようである.駒止階段からずっとご一緒したHMさんともお別れする.
 気楽な一人旅である.デレデレとユックリ,ノンビリ下り続ける.
 花立山山頂付近で,後から下山し始めたMTさんが追い付く.MTさんは歯科の予約があるとかで急ぎ足で下山していく.
 11時13分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチはもう満席.今日も沢山の登山客が登っているようである.
 11時35分,萱場平で木道の間に繁茂する巨大なアザミの写真を撮っていると,先ほど尊仏山荘で入れ違ったHNさんが私に追い付く.
 成り行きで,萱場平から先,大倉までHNさんとご一緒する.
 高度が下がるにつれて,次第に蒸し暑くなる.

<萱場平のアザミ>

■堀山の家に立ち寄る
 11時51分,堀山の家に立ち寄る.HNさんも一緒である.私は250円也のオレンジジュースを所望する.よく冷えているので美味しい.
 オレンジジュースを飲みながら,オーナーや女主人を交えて雑談を楽しむ.
 「…この間,高齢者運転免許更新のテストを受けたんです.十数枚の絵を見せられてから,暫く建って,絵を思い出して書けって…私,半分ぐらいしか思い出せませんでした…」
と私がぼやく.
 それが切っ掛けで,テストのことが話題になる.
 私がそろそろ運転免許証を返上しようかと思っていると言う.すると,田舎へ行くと,自家用車がないと,不便でどうにもならないという話になる.なるほど,確かにそうだなと思い直す.
 12時頃,女主人が玄関前で,HNさんと私の写真を撮る.再び下山を開始する.

<堀山の家でオレンジジュース>

■一寸だけ日が射し始める
 堀山の尾根道を歩く頃,ほんの少しだが薄日が差し込むようになる.さらに蒸し暑くなるのには閉口するが,木々の緑が鮮やかに見えるようになる.でも残念ながら富士山は相変わらず雲の中である.
 こんな緑陰をノンビリ歩けるなんて幸せだなと思いながら,下山し続ける.

<日が射し始めた堀山の尾根道>

■観音茶屋を通過
 12時55分,観音茶屋の前を通過する.
 オーナーのSTさんが,茶屋の前を通り過ぎる登山者に,
 「お帰りなさい…」
と声を掛けてくれる.
 観音茶屋に立ち寄って氷水を賞味したいが,下山途中で2ヶ所の山小屋に立ち寄るのもシンドイ.
 「スミマセン…今日は真っ直ぐ下山します」
と挨拶する.
 来週土曜日は五十三次洛遊会の鎌倉案内があるので,塔ノ岳はお休みである.もし,日曜日に塔ノ岳に登れたら,そのとき観音茶屋に立ち寄ろうかと思いながら通過する.

■4本100円のキュウリ
 大倉発13時38分のバスに乗車する積もりである.時間はタップリあるので,登山道のと通にある野菜無人スタンドで,大きくて立派なキュウリ4本100円也を購入する.本当は別の無人スタンドで,小振りで曲がっているが6本100円のキュウリを買いたかったが,そこのスタンドは今日お休み.でも,今時,この4本百円(つまり1本25円)のキュウリは,随分とお値打ちだと思う.それに今日取り立てのキュウリである.
 ”家に帰ったら,シオ振ってバリバリ喰うぞ…”

<100円のキュウリ>

■締めくくりはコーヒー
 大倉発13時38分のバスに乗車する.小田急の電車が4分ほど遅延したが,混乱もなく小田原駅で東海道本線の電車に乗り換える.何時ものように4人掛け1ボックスを大船まで1人で占領したままノンビリと列車の旅を楽しむ.
 車窓を流れる風景をボンヤリ眺めながらの旅は,同じ場所を何回乗っても楽しい.
  15時少し過ぎに大船駅に到着する.タッチの差で自宅近くを通るバスに間に合わない.これ幸いとばかりに,大船駅ルミネ1階にある某コーヒー店に立ち寄る.店内は混雑している.
 店員が,
 「最初にお席確保されなくて宜しいですか」
と私に言う.
 勿論折角のコーヒーだがら席に座ってユックリ味わいたいが,立ち席でも大して苦にはならない.立ち席承知で200円也のコーヒーをオーダーする.
 立ったまま,今日の締めくくりのコーヒーを賞味する.

<ドトールのコーヒー>

今日もハッピーだった
 15時40分頃帰宅する.
 まずはさておいて,シャワーを浴びて,乾いた着物に着替える.
 山専門のツアー会社から,宅急便が届いている.中には容量40リットルのリュックとポーチが入っている.今月下旬から出掛ける予定のツアー用のプレゼントだとのこと.これは有り難い.登山用品は年ごとに改良され,リュックも随分と軽量になったなと驚かされる.
 その旅行の前に…
 いくつかのハイキングの予定日が迫っている.その準備もしなければ…それに,秋の展覧会用の水彩画も…
 結構やることが多いなと思いながら,でも,まあ,取りあえずは,今日も無事塔ノ岳を往復できたことに感謝しなければ…
 夕方,孫娘がヒョッコリ現れる.若い女の子が一緒の夕食は楽しい.明日から我が家で連泊すると言っている.勿論,大歓迎.
 今日もハッピー,ハッピーだった.

<ラップタイム>

 7:06  大倉歩き出し
 7:30  観音茶屋
 7:48  見晴山荘
 8:23  駒止茶屋
 8:44  堀山の家
 9:37  花立山荘
 9:55  金冷シ
10:16  塔ノ岳山頂着(20.0℃)
10:46      〃  発
10:58  金冷シ
11:13  花立山荘
11:55  堀山の家(12:02まで休憩) 
12:20  駒止茶屋
12:40  見晴山荘
12:55  観音茶屋
13:14  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:06
  塔ノ岳  着      10:16
  (所要時間)     3時間10 分(3.17h)
  水平歩行速度    7.0km/3.17h=2.21km/h
  登攀速度       1269m/3.17h=400.3m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:46
  大倉   着      13:14
  (所要時間)     2時間28分(2.47h)
  水平歩行速度    7.0km/2.47h=2.83km/h
  下降速度       1269m/2.47h=513.8m/h
                                     (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/52d73c7ab8cf3569ce79c79a65a0129b
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)



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