中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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登山客で賑わう丹沢:塔ノ岳(第22回)

2008年04月30日 20時52分01秒 | 丹沢の山旅

                  <花立場から塔ノ岳を望む>

          登山者で大混雑の丹沢:塔ノ岳
              (2008年第22回)
            (登り単独・下り随伴山行)
        2008年4月29日(火・祝日[昭和の日])


■清々しい朝
 4月も下旬ともなると,とても日が長くなっている.私は,清々しい朝靄の中を,弾む心地で家を出る.この頃定番になった格安コースのナントカキップをつかって,相模大野から渋沢へ向かう.リュックを背負った人達が,実に沢山,電車に乗っている.相模大野のホームを見回しても,私のごく周辺だけでも,10人以上のリュック勢が,私と同じ電車を待っている.
 下り急行電車は,休日にもかかわらず,結構,混雑している.それでも,私は運良く座席に座ることができた.
 電車が伊勢原に到着する.かなりの人数の登山者が下車する.ほとんどが大山に登る人達なのだろう.この調子では,今日の大山は大分混雑するだろうと思われる.秦野でもかなりの登山客が下車する.これで,電車の中の登山者は大分少なくなったようである.
 渋沢7時17分発大倉行のバスに乗車する.バスが混雑すると思ったので,大急ぎで改札口を抜けて,バスに飛び乗る.この辺りの咄嗟の判断が,常連の私だからできることだと内心で自慢している.バスの座席はほんの2~3席しか空いていない.私は何とか座席を確保する.後から来た乗客が次々に乗り込んでくる.そして,バスは瞬く間に乗り切れないほどの乗客で一杯になる.

■大倉から歩き出す
 私の隣の席に座っている60才代の男性に話しかけられる.
 「今日はどちらへ登られるんですか」
 「塔ノ岳を往復しようと思っています」
 「そうですか.私は塔ノ岳から宮ヶ瀬に抜ける積もりです・・・折角来たのにバカ尾根往復では勿体ないですね・・・」
 私は,内心で,余計なお世話だと思ったが,聞き流す.すると,
 「私は20歳代から山をやってますよ・・・表尾根や金時山にも良く登りますよ」
と自慢話が始まる.私の外見が,貧相で,よぼよぼに見えるためか,この手合いの方にしばしば悩まされる.私は「また例のパターン,自慢話が始まったな・・」と思いながら,適当に相づちを打つ.
 バスは7時30分に大倉に到着する.大倉周辺は,私が今まで経験した中では,一番沢山の登山客で混雑している.辺りを見回しても,顔馴染みのご常連は見当たらないようである.
 私は,待合室に入って,登山の準備をする.今日はどうやら暑そうなので,Tシャツ1枚の軽装になる.水は少し多めに2リットル持っている.そのために,今日のリュックは少々重い感じがする.
 登山客が,ぞろぞろと歩き始める.先ほどバスの隣の席から話しかけてきた男性も,歩き出す.私は定番のストレッチを済ませてから,大多数の皆さんより,10分ほど遅く,7時42分に歩き出す.

              <登山者いっぱい:見晴山荘と一本松の間>

■見晴茶屋
 今日の登山道は,やや湿り気があるだけで,歩きやすい.歩き始めて直ぐに,今日の体調がそれ程良くないことを自覚する.スントの時計と睨めっこしながら,登攀速度を連続的にモニターしつづける.
 当面,登攀速度を,毎秒11~12メートル(以下m/m:meters/minuteの略)(時速で660~720メートル(以下m/h:meters/hourの略))程度の速度で歩いてみる.そして,8時02分に観音茶屋を通過する.しかし,もう少し調子を落とさないと,疲労するような予感があるので,速度を少し下げて,10~11m/mにする.
 かなり多くの登山者を追い抜きながら,8時15分に雑事場ノ平,8時17分に見晴茶屋を通過する.どちらのベンチでも,何人かの登山客が屯して休憩を取っている.
 見晴茶屋から直ぐ先の急坂に差し掛かる.前方には沢山の登山客が列になって登っている.大多数の方々は,平素,登山をしていないらしく,殆ど止まりそうな速度で喘ぎ,喘ぎで,登っている.
 近くの谷間からツツドリが「ボーッ,ボーッ,・・・」と啼いている声が聞こえてくる.この鳥の声を聞いていると,あわただしく季節が夏に近付いているなと実感する.つい先日,4月の初旬には,まだ雪が残っていたのに・・・
 バスの中で,私に山の自慢をしていた男性に追いつく.私が「お先に・・」と挨拶をして追い抜く.彼はポカンとした顔をして,
 「何時間ぐらいで塔まで行くの・・?」
と私に質問する.
 「今日は,多分,2時間20分前後だと思います・・・」
 「そうですか・・私より1時間速い・・何時も登って居るんですか」
 「はい・・まあ,,,今日は今年になって22回目です」
私は心の中で,「だから言わんこっちゃない! 自慢話もいい加減にしなさい」と言い残す.

■K大のNさん
 12m/mの速度を保ちながら,8時44分に駒止茶屋を通過する.大倉を出発してから,1時間02分経過している.今日の大倉から駒止茶山での所要時間は,たった2分とはいえ,1時間を越えている.やはり体調が今ひとつだということが,このデータからも分かる.このままの調子で登り続けると,山頂までの所要時間は,多分,2時間25分前後になるなと予想する.
 駒止茶屋から先は,ほぼ水平な尾根道が続く.見晴らしが良いはずの尾根道だが,今日は予想に反して,辺り一面に雲が立ち込めている.期待していた富士山は全く見えない.山麓は蒸し暑かったが,ここまで登ってくると,冷たいそよ風が吹き抜ける.とても心地がよい.
 歩き進める内に,前方に見覚えのある帽子を被った男性が歩いている.近付くと,ご常連のNさんである.Nさんは京都のK大出身のエリートである.尊仏山荘では,親しみを込めて「K大のNさん」と呼ばれている.私は後からNさんに近付いて,
 「Nさん,今日は.今日は暑いですね・・・」
と声を掛ける.そして,申し訳ないなと思ったが,一足先へ行かせて貰う.

                <定点観測:萱場平の状態>
 
■ご常連のAさん
 9時00分に堀山ノ家を通過する.ここから長い階段道になる.今日の体調を考慮して,登攀速度をやや落として,9~11m/mの速度で登り続ける.そして,9時17分に萱場平を通過する.2箇所にあるベンチで休憩を取っている人が居る.
 ここから花立山荘までの坂道も,11m/m程度の速度で歩き続ける.花立山荘のほんの一寸手前で,ご常連のAさんが友達と降りてくる.私と3才しか違わないご老体である.私の顔を見て,
 「やあ・・・今日は.今日は2時間切れませんでした.2時間04分も掛かっちゃいました・・」
と言いながら,右手の指を4本立てる.それにしても,Aさんは,やっぱり凄い!
 すれ違った後,Aさんが同行の方に話しているのが聞こえる.
 「あの人ですよ・・・もう×10何歳なのに頑張っている人は・・」
私も話題になって嬉しい.
 そう思っている内に,2人の男性に,スイスイと追い越されてしまう.その前にも,急坂で,2人に追い越されているので,今日は4人の登山者に追い抜かれたことになる.
 9時37分に花立山荘,9時51分に金冷シを通過する.
 最後の急坂に差し掛かる.前を歩いていた男性が,汗ビッショリになりながら,
 「山頂は,まだ,まだですか」
と私に話しかける.
 「もうすぐそこですよ・・・」
と彼を元気づける.

 10時04分に塔ノ岳山頂に到着する.雲に覆われた山頂からの見晴らしは全くない.でも,風も弱く,それ程寒くもないので,山頂でノンビリと休んでいる人が沢山居る.今日の大倉から山頂までの所要時間は,2時間22分.余り冴えないが,今の体調では,まあ,こんなところかと納得する.

                   <登山者いっぱいの塔ノ岳山頂>


■尊仏山荘にて
 尊仏山荘に立ち寄る.小屋番はHさん以下3人が総出である.テーブルは,5~6名のご常連ばかりで混み合っている.早速,山荘の寒暖計で,今日の山頂の気温を確かめる.+8.6℃.まあまあの暖かさである.
 早速,お茶を所望する.私の前には,御年83才のご常連が座っている.早速私に話しかける.以前伺った話も出てくる.
 「・・・私は75才から山歩きを始めたんです.百名山も全部登ったよ.今日は,大倉尾根を休憩時間込みで3時間で登ったよ.これから蓑毛へ降りる積もり・・・」
と話が尽きない.つづいて,
 「海外の山も登ったよ.ついこの間,玉山と雪山.その前にキナバル山も登ったよ.やっぱり富士山とは違うね・・・アパチャ山も登ったよ.今度,ウイルヘルム山もチャレンジしたいと思っているよ・・・」
 「お元気ですね・・・私も勇気づけられます」
 「ところで,ウイルヘルム山,登ったことありますか」
 たまたま,私は,昨年,ウイルヘルム山に登っている.とても辛くて厳しい山だったことをお話しする.それにしても,このご老体,
いやはや,呆れるほど元気である.でも,人生の大先輩が,元気で頑張っているのを見ていると,私にも,勇気と希望が沸いてくる.
 隣で,ご常連が雑談している.
 「・・あのBさんは,塔に登り始めて,まだ2~3年だよ.でも去年は300回も登ったらしいよ.この調子だと直ぐに1000回になっちゃうよ・・・もうすぐ俺も抜かれちゃうよ・・」
 私は話を伺いながら「いやはや,凄い人がいるものだ」と呆れる.私も一生懸命,塔ノ岳詣でをしている.それでも,せいぜい年に50回程度である.これでは,鼻も引っかけられないなと,自分の心の中で苦笑する.

■下山開始
 10時30分に尊仏山荘を出る.寒い.山頂に屯している登山客をかき分けるようにして下山を開始する.次から次へと登ってくる登山客と擦れ違いながら,10時45分に金冷シを通過する.ここで,K大のNさんとすれ違う.
 「すみません・・先に失礼します」
と挨拶して,K大Nさんとお別れする.
 次いで,
バスで威張っていた男性とすれ違う.彼が,
 「もう下山ですか」
と話しかけてくる.ほんの数分立ち話をしてから,下山を続ける.

■ドッジさん夫妻と友人
 11時00分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは,どこも登山客で超満員である.ここまで下ると,気温も上がって,心地良くなる.
 山荘からの急な下り坂を下り始める.標高差で,50メートル程下った頃,沢山の登山客に混じって,見覚えのある顔が登ってくる.山旅スクール5期のドッジさんとご主人,それにドッジさんの友人の旦那さんの3人連れである.

                    <ドッジさんの仲間と一緒に>

■再び山頂を目指す
 11時06分,この3人連れと一緒に,もう一度山頂を目指して,Uターンする.今度は超ゆっくりペースで登る.11時13分に花立山荘に到着する.ここで,6分ほど休憩.そして,再び歩き出す.どこからともなく現れた黒い大きなイヌが,私達と一緒に歩き出す.
 11時36分に金冷シを通過する.前からK大のNさんが下山してくる.私とすれ違いざまに,怪訝な顔をする.
 「途中で知人と会いましたので,登り返しています・・・」
と挨拶する.
 11時54分に,もう一度塔ノ岳山頂に到着する.今度は尊仏山荘には入らずに,山頂の土留めに腰掛けて休憩を取る.

■再び下山
 12時36分に下山を開始する.12時52分に金冷シを通過,13時05分に花立山荘に到着.ここで5分ほど休憩を取る.
 途中で,荷物を背負って登ってくるチャンピョンとすれ違う.
 13時30分,萱場平に到着.ここで8分ほど休憩を取る.その間に,尊仏山荘のOさんが下山してくる.Oさんは,私の顔を見て,ビックリする.私は,
 「途中で知人にあったので,山頂まで登り返したんです・・」
と言い訳をする.Oさんは「馬鹿なことをしている」というような顔をして通り過ぎる.
 そうこうしている内に,チャンピョンが下山してくる.私達がもたもたしている内に,彼は山頂を往復してしまった.もっとも彼は40キログラムの荷物を背負って,大倉尾根を2時間15分程度で登ってしまう強者である.
 13時56分に堀山の家に到着する.ここでまた数分休憩を取る.たまたまご常連の女性が旦那と一緒に休憩を取っている.ここで,また山の四方山話を始めてしまう.その後もユックリとした速度で下り続ける.見晴茶屋で,また,また,休憩を取り,15時30分に,漸く大倉に到着する.下りの所要時間は,実に2時間54分と長かった.
 バス停大倉では,バス待ちの登山客が,実に100名ほど長い列を作っている.こんなに沢山の登山客を見たのは初めてである.幸いなことに臨時バスが入ってくる.私も漸く臨時バスに乗ることができたが,勿論座れない.超満員の立ち席のまま,渋沢まで我慢する.
 やっぱり,早く登山を始めて,早く下山するに限るなと実感する.

[ラップタイム]

 7:42  大倉歩き出し
 8:02  観音茶屋
 8:06  分岐
 8:15  雑事場ノ平
(記録失念) 見晴茶屋
 8:44  駒止茶屋
 9:00  堀山ノ家
 9:15  戸沢分岐
 9:37  花立山荘
 9:51  金冷シ
10:04  塔ノ岳山頂 着
===============================
10:30  塔ノ岳山頂 発(+8.6℃)
10:45  金冷シ
11:00  花立山荘
11:06  1236mドッジ夫妻会う(登り返し)
11:13  花立山荘(11:19まで休憩)
11:36  金冷シ
11:54  塔ノ岳山頂 着
================================
12:36  塔ノ岳山頂 発
12:52  金冷シ
13:05  花立山荘(13:09まで休憩)
13:30  萱場平(13:38まで休憩)
13:40  戸沢分岐
13:56  堀山ノ家(14:02まで休憩)
14:20  駒止茶屋
14:49  見晴茶屋(14:54まで休憩)
15:09  観音茶屋
15:30  大倉 着

[山行記録]

■登攀・下降高度
  1201m

■水平移動距離   6.5km

■登攀所要時間
  大倉発      7:42
  塔ノ岳山頂着  10:04
  (所要時間)  2時間22分(2.37h)
 登攀速度
   1,201m/2.37h=506.8m/h

■下降所要時間(島田夫妻に随伴)
  塔ノ岳山頂発  12:36
  大倉発     15:30
  (所要時間)  2時間54分(2.90h)
 下降速度   1,201m/2.90h=414.1m/h
                     (おわり)
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2 コメント

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復活間近です (kiyoma)
2008-05-02 10:13:39
相変わらずお元気な様子、模範にしなければと考えております。連休中に1度登れればと思っていましたが、仕事が沢山入り嬉しくもあり、悲しくもあり複雑な心境です。ブログにも書きましたが、スポーツ医科学センターの許しももらい、連休明けを狙っています。何時間掛かるか?当面3時間半を目標に楽しくゆっくり登ろうと考えています。10期の丹沢とぶつかってはまずいかな?
嬉しいご連絡,ありがとうございます. (flower-hill_2005)
2008-05-03 20:23:59
Kiyomaさん
コメント有り難うございました.
復活間近とのこと,私も嬉しく思っています.ご一緒できるのを楽しみにしています.
シロヤシオも見頃だと思います.尊仏山荘でお待ちしています.

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