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グィド・カンテッリの放送用音源から

2010-12-01 20:06:47 | 歴史的コンサート・ライヴ
 
 昨日取り上げたヴィクトル・デ・サーバタに続き「ミラノ・スカラ座」の音楽監督に就任するはずだった指揮者がグィド・カンテッリ(Guido Cantelli/1920~1956)である。彼については過去にEMI系に遺した正規盤からフィルハーモニア管弦楽団との「ブラームス交響曲第3番」ほかを紹介したことがあるが、本日は「放送用ライヴ音源」から1枚ふれてみたいと思う。彼は1956年11月、ニューヨーク・フィルハーモニック客演するためパリからニューヨークへ向かう飛行機が離陸に失敗し36歳の若さで不慮の死を遂げたため「スカラ座音楽監督就任」は「幻」となってしまった。それゆえに彼の正規録音は数少ないが放送用ライヴ音源が多少なりとも遺されていたことは彼の真価を知る上でも貴重なものである。
 本日紹介する写真のCDはイタリアのマイナー・レーベル「Stradivarius」からかつてリリースされた「放送用ライヴ音源」である。(STR10007)収録作品は全てブラームスで「交響曲第1番ハ短調作品68」(NBC交響楽団/1952年12月)、「アルト・ラプソディ」(アルト/マーサ・リプトン/ニューヨーク・フィル/1956年4月)、「悲劇的序曲」(NBC交響楽団/1951年1月)の3曲である。すべてモノラル録音なのは致し方ないが彼のエネルギッシュな指揮ぶりが聴きものである。いずれもテンポは速くとりわけ「交響曲第1番」は全曲を約40分強で演奏しており演奏終了前に興奮した聴衆の拍手が湧き起こるほど強烈なインパクトを与える演奏だ。さすがにトスカニーニが絶賛した指揮者であったことがうなずけるような気がする。余談ながら記録によれば彼がニューヨークに旅立つ前「スカラ座」で最後に振った作品もこの「第1番」であった。

 





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