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ペーター・マークの名演!メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」

2009-01-29 20:26:49 | 交響曲
 地味な存在ではあったがわが国でも日本フィルや東京都交響楽団にも客演したこともある名指揮者ペーター・マーク(Peter Maag/1919-2001)がロンドン交響楽団と録音したLP(写真/英デッカSXL2246)メンデルスゾーン交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」・序曲「フィンガルの洞窟」は私の愛聴盤の1枚でもある。約半世紀前の1960年の録音だがさすが英デッカ録音だけあり今聴いてもその音質の素晴らしさは変わらない。メンデルスゾーンの優美な旋律がマークの棒でみずみずしく伝わる名盤である。
 この交響曲はメンデルスゾーンが33歳、1842年に完成し3月3日に作曲者自身の指揮、ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で初演されている。メンデルスゾーンは1835年から亡くなる1847年までこのライプチッヒを活動の拠点とし現在は「メンデルスゾーン・ハウス」に貴重な資料や遺品が展示されている。私も数年前に訪問し彼の偉大な足跡をかいまみることができた。
 ところでこの作品は彼の5つの交響曲作品の中では最後を飾る作品でもある。第4番イ長調「イタリア」作品90、第5番ニ短調「宗教改革」作品107は楽譜の出版が作曲者の死後になったためである。作品は彼が20歳のころ初めてスコットランド地方を旅した印象を音楽にしたものだが第1楽章の冒頭の物悲しい旋律はエジンバラのホリルードの古城を見て16世紀にあった殺害事件を思いながら浮かんだ旋律と言われている。指揮者ペーター・マークはこの冒頭部を実にうまく感情をこめてオーケストラをうたわせているところが何ともいえない。
 カップリングされた序曲「フィンガルの洞窟」作品26もスコットランドのヘブリディース諸島へ旅したときの印象を描写した音楽だが一説によれば洞窟のあるスタッファ島にはメンデルゾーン自身は船酔いのため上陸しなかったそうだ??
 




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1 コメント

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ペーター・マークの「スコットランド」 (とっつぁん)
2011-02-22 09:39:15
 僕の高校時代に聴いた一枚です。当時、何の評判も名声も知らずに、ただ廉価版で売っていたと言う理由だけで購入いたしました。だから、これが当たり前の演奏だと思っていました。その後このLPは紛失してしまいました。
 最近マズアとマークの演奏を聞き比べて、マークの演奏が当たり前などと言うものではなく、深い解釈に支えられて録音されたものだと言うことが分かりました。
 出だしを聴くだけで「マークの演奏だ!」と分かる物憂い冒頭から、雄大な響きを聴かせる終楽章まで、まさにパーフェクトな演奏だと言うことが言えるでしょう。それが録音から50年以上経った今でも再発される理由なのでしょう。

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