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東京交響楽団/「世紀の巨匠ジャパン・ライブ・シリーズ」CDから

2009-05-11 17:18:59 | 協奏曲
 今から十数年前の話になるが「東京交響楽団創立50周年」を記念して「世紀の巨匠ジャパン・ライブ・シリーズ」と銘打ったCDが東芝EMIから数種類発売されたことがある。いずれも1950年代から1960年初頭にかけて同楽団に来日客演した指揮者、ソリストたちの貴重な記録をTBS(ラジオ東京)に保管されていたテープからCD化したものである。もちろん録音はモノラルである。今日はその中の一つ戦後のフランスとドイツを代表する2人のピアニストを収めた写真のCDを紹介したい。ピアニストの名前はショパン、ドビュッシー、ラヴェル等を得意とし惜しくも1970年に急逝したサンソン・フランソワ(1924~1970)とベートーヴェンを最も得意とし戦前戦後を通じて来日回数も10回を数えるウィルヘルム・ケンプ(1895~1991)である。
 演奏曲目はフランソワがリストのピアノ協奏曲第1番変ホ長調(録音:1956年12月6日、日比谷公会堂)、ケンプがブラームスのピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15(録音:1961年10月9日、東京厚生年金会館)である。ケンプのブラームスの協奏曲の録音は他に正規盤でフランツ・コンヴィチュニー/ドレスデン国立管弦楽団との1952年のスタジオ録音があるのみで大変珍しく貴重な記録である。指揮はどちらもこの東京交響楽団第1期黄金時代を築きあげた上田 仁(うえだ まさし/1904~1966)があたっている。彼は1946年から64年まで同楽団の常任指揮者を務めた人で現在は永久名誉指揮者の称号にある。私がこの楽団を聴き始めたころはいつも彼が指揮台に立っていたのを思いだす。
 今改めてこの演奏を聴き2人の堂々とした風格のある演奏を再認識した。指揮者の上田 仁が息のあったオーケストラを巧みにドライヴし見事なアンサンブルを聴かせている。録音状態も良くモノラルなのがちょっと惜しいがそれは時代が時代なので目をつぶれば問題ない。


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