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ピエルネ/舞踊音楽「シダリーズと羊牧神」

2010-06-16 00:55:56 | 管弦楽曲

 一昨日取り上げたヴァンサン・ダンディ(Vincent d'Indy/1851~1931)とほぼ同年代のフランス近代音楽作曲家にガブリエル・ピエルネ(Gabriel Pierné/1863~1937)がいる。二人ともセザール・フランク(César Franck/1822~1890)の門下である。ピエルネはフランクにオルガンを学びフランクの後継者としてパリのサンクト・クロティルド教会のオルガニストを務めた人である。さらに彼はその後パリのコンセール・コロンヌ管弦楽団の指揮者としても活躍した。
 彼の代表作の一つに今日紹介する舞踊音楽「シダリーズと羊牧神(Cydalise et le chèvrepied)」(1919年)があげられる。この作品は全2幕3場から構成されるバレエ音楽でヴェルサイユ宮殿に招かれる舞姫シダリーズに森の羊牧神「スティラックス」が魅惑的な彼女に魅せられてしまう話である。国内ではバレエとして全曲が上演される機会はほとんどないがコンサートでは作曲者自身が1926年に二つの組曲にまとめあげた組曲版が演奏されている。「第1組曲」は第一場・第ニ場からの音楽を中心にまとめられ、「第2組曲」は「第3場」の音楽が中心である。作品は非常に軽妙洒脱で聴きやすい。ただ現役盤のレコード(CD)の数が少ないため筆者も写真の1980年頃に発売されたジャン=バティスト・マリ指揮/パリ国立オペラ座管弦楽団による「第1組曲」「第2組曲」が収録されたLP盤を愛聴している。1970年代の録音だが演奏も清楚で気品がある。指揮者のマリは1970年代、80年代にかけて東京フィルによく客演したアルジェリア出身でバレエ音楽を得意としていた。