私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

若き小澤の名盤ー武満 徹「カシオペア」/石井 眞木/「遭遇Ⅱ」

2010-02-27 02:08:10 | 現代音楽
 今日は若き小澤征爾が日本フィル他とレコーディングした現代音楽の名盤を紹介したい。
写真のLPは1972年度の「レコード・アカデミー賞」受賞(特別部門/日本人作品)した1枚で武満 徹(1930~1996)「独奏打楽器とオーケストラのためのカシオペア」(独奏打楽器/ツトム・ヤマシタ)、石井眞木(1936~2003)「雅楽とオーケストラのための遭遇Ⅱ」の2曲をおさめたものである。レコーディングは1971年6月22日・24日の2日間で当時の「杉並公会堂」(東京/荻窪)で英国EMIのレコーディング・プロデューサー/ミキサーによって行われた。
 「カシオペア」は「ラヴィニア・フェスティバル」(シカゴ郊外のラヴィニアで開催される音楽祭)委嘱作品で名打楽器奏者ツトム・ヤマシタのために書かれた作品で初演は1971年7月8日「ラヴィニア音楽祭」で小澤征爾/シカゴ交響楽団、独奏打楽器、ツトム・ヤマシタの演奏で行われた。タイトルの「カシオペア」は「W」形をした星座からとられているがそれは独奏打楽器を中心とした各楽器群の配置に関係している。作曲者武満はこの作品に「聴覚」と「視覚」-つまり「聴く」と同時に舞台を「見る」効果もねらったようだ。
 一方、石井眞木の「遭遇Ⅱ」はタイトルからオーケストラと「雅楽」の遭遇を試みた作品でその異質の響きはなんとも不思議な相乗効果がこの作品の魅力なのかも知れない。因みに前作の「遭遇Ⅰ」(1970年)「尺八」と「ピアノ」の遭遇であった。
(写真のLPは1972年国内初出盤ー東芝音楽工業AA8872)