教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

豊島岡女子学園の特徴

2005-11-27 08:24:41 | 学校選択
豊島岡女子学園」の説明会に立ち寄った。

スーパーモダニズムのエリート校であると確信。

エクセレントスクール
クオリティースクール
エリートスクール
トラディショナルスクール

学校選択指標で分けて
以上のような4つの学校カテゴリーの
仮説を立てているが、(参考→「ホンマノオト2005年9月15日

スコア上はぎりぎりエクセレントスクール
なのが豊島岡女子学園。

しかしやはり実際はエリートスクールに分類されるなと
思った。

説明会に立ち寄ったのは、
豊島岡女子学園は変わったよ
とある学校の先生から聞いたからだ。

しかし、それはさらにモダニズム要素をパワーアップ
させたということだった。

本格的に校長職についた元国学院大学教授の
二木謙一校長先生は、

説明会のやり方を、今年からプロジェクター
とPPTを使ってやるようになった。学会では
当たり前なのですと、高らかに語られた。

しかし、1999年あたりから、東横学園や
鴎友学園、京北学園ではすでに先駆けて
やっていた。今ではどこでもやっている。

ともあれ、このスタイルはモダニズムだろう。

また、医学部に進学する生徒数は
桜蔭に次ぐ数で、女子進学校として
面目躍如を保っているというような
ことも語っていた。

ここを大事にしているのは
日本の近代官僚的な発想で、
モダニズム以外の何ものでもない。

小林教頭先生は

教育内容と教育施設の充実は
私学の両輪だと語られる。

教育施設は教育内容ではないというのも
モダニズム。

教育内容を支える道具としての施設だからだ。

なるほどすばらしい施設。
ただ、機能がはっきりしていて、
合理的なものばかり、
洗足学園にある庭園の不思議なオブジェのような
ものがない。コンテンポラリー・アートのような
要素がない。

機能的とは要素還元主義的だとも言える。
モダニズムだ。

20世紀日本を支えてきたモダニズムの
流れ。合理的で、効率的で、計算可能性重視、
予見可能性重視、安全が第一。

そして何より「運針」という毎朝の作業。
教頭先生ご自身が「運針」は「死語」しかし大事と
おっしゃる。

「運針」は20世紀日本モダニズムのある意味象徴。
人間の持つ精神の不合理な側面を
勤労・勤勉・誠実という合理性に
転換する明治期の日本近代資本主義を支えた
儒教的・プロテスタント的倫理そのもの。

小笠原流のマナーも
明治期の中産階級がエリートに
なっていくときに必要な
マナーコードとして活用されている。

もちろんこれは現在も有効。

校長先生ご自身は、
豊島岡女子学園は
勉強系のカテゴリーに入れてほしくはない。
「元気な勉強系」と言って欲しいと語られた。

曖昧性、レトリック、回答が多様、そういうものは
元気でなくする。暗い。おぞましい。(そこが
また創造的でよいのだが)

そういうものを排除してがんばる素直で明るい生徒
が育つ教育環境か。

おぞましさから美や生が生まれるという
コンテンポラリーや
ポストモダンな雰囲気はなさそうだ。

確かに安心・安全で、成果がでる学校であることに
間違いはないと確信した。