驚き、桃の木・・・!

2009-12-19 21:12:00 | 独り言&拾いもの


 昨日は(というより今日か)予定どおり? 午前様の帰宅となりました。午後自宅に戻り2時間仮眠したとはいえ、30時間活動しているとさすがに最後の方は支離滅裂になってきて、家に着くなりベッドに直行し、模型雑誌を眺めているうちに朝まで前後不覚で寝てしまいました。不満たらたらのネコは、しばらく自分の回りをうろうろ駆け回っていましたが、そのうち大人しく布団に潜りこんできました。

 『あんにょん由美香』を観に行った際に偶然、同僚と会ったことをレビューで書きましたが、昨日の忘年会でそれ以来初めて挨拶以外の会話を交わし、その方が自分と同じくらい映画(の闇?)に魅せられた人だとわかって、嬉しくなってしまいました。
 嫌味に聞こえてしまうと困るのですが、「本気で映画の話をする」機会はなかなか訪れてくれません。映画オタクの数は「鉄オタ」よりも遥かに少ないのではないか?と、鉄道に乗るようになって思うようになりました。
 自分の交際範囲が狭いのかもしれませんが、学生時代を振り返っても、確かに多くの人が自己紹介などで「趣味は映画」と言ってはいましたが、「映画」に関して本気で話したことは一度もなかったような気がします(自分の話を黙って聞いてくれる心優しい人はいたけれど・・・)。

 十年前、ひたすら観ているだけだった映画人生(大袈裟だけど)に転機が訪れました。ホームシアターを作ろうと思い、訪れたヴァーズ国立店(オーディオユニオンのシアター部門。ハード部門は撤収しソフト専門のディスクユニオンとして現在営業中)に、水滸伝じゃないけれど、彼らに勝るとも劣らないツワモノどもが集まってしまったのです。エイガキチガイを自負していた自分は、『赤い薔薇ソースの伝説』というルノワールとブニュエルを足して2で割ったような素晴らしい映画を教えてもらい、謙虚な人間になることができました。
 視聴室の120インチ・スクリーンで観た映画の数々はどれも素晴らしいものでしたが、中でも発売されたばかりの『鉄男』のDVDと『マトリックス』を観たときの衝撃は忘れられません。映画館に棲むのが夢だったニワトリさんは、これで夢が現実になると狂喜乱舞しました。
 人の話に戻りますと、ここで会った人々は私のような単なる「映画バカ」ではなく、オーディオに関して造詣の深い人が多く、それ以外にも車だったり、美術だったり、カメラ、旅、料理、酒といった具合に、一人ひとりが「熱中時間」を持っていました。映画好きでなければ作れなかった三管式プロジェクターLVP2001を開発したS氏や、もしかしたら誰よりも映画を見ているかもしれない堀切日出晴さん(映画番長として雑誌『HiVi』で活躍中)や、堀切さんとも親交の深い小原由夫さんを始め、映像や音響その他ものもろプロと呼べる人々と知り会えたのは、非常に大きかったと思います。
 この頃、皆さん忙しいのに時間を算段して集まり、音楽や映画の話で大いに盛り上がり、熱いトークを交わしました。信じられないくらい旨いお酒を飲みながら(日本酒党が多かった)トリュフォーの『隣の女』について話せる幸福をしみじみ噛みしめたものです。

 それにしても、久しぶりに映画の話をして情けなかったのは、最近は物忘れがひどくて、観たばかりの映画の題名や監督、俳優の名前が一向に出てこなかったことでした。さらに、お酒で舌が回らなくなってしまったのか、「ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド」の「ジュヌヴィエーヴ」をどうしても発語することができないなど、失態をさらしてしまいました。それでも、その方が若尾文子を大好きだったり(特に川島雄三作品の彼女が好きだとか)、「『愛のメモリー』いいですねよ~」と頷いてくれたものだから、いやはや何とも、久しぶりにコーフンしてしまいました。若尾文子の話ができるなら、とっておきの女優=若杉嘉津子(若尾さんより二期先輩になる)の話もできると思ったのですが、そのときは酔いのせいか、若杉さんの下の名前が出てこず断念した次第です。
 次の会話がいつになるかはわかりませんが、加藤泰、石井輝男、鈴木則文、そしてブライアン・デ・パルマの話ができる人が身近にいることを知っただけで、勇気百倍というか、映画的に言うと(どこが?)トリュフォーの『日曜日が待ち遠しい!』心境です(すいません、最初にUPした文章とかなり変わってしまいました・・・)。残り少なくなったけど今年も、そして来年も、映画を観るぞ~♪

 朝出かける前に書いたものを帰ってきてから添削しました。明日は始発電車で出かけるつもりでしたが、さすがに疲れを感じるので、明日は比較的大人しくして明後日出かけようかな? 今夜はこれから『リンダリンダリンダ』を観るつもり!


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2 コメント

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赤い薔薇ソースの伝説 (あんこ)
2009-12-20 00:07:44
いいですね~、大人の映画の話。
第5回東京国際映画祭のクロージングで、主演女優賞のなまルミ・カバソスさん見ました。なつかし!
ここ10年は子ども中心のファミリー映画でしたが、そろそろ大人の映画に戻りたい。
メキシコというと「サンタサングレ」思い出しますが、これって舞台がメキシコなだけで、イタリア映画なんですね。
サンタ・サングレ! (Toshi)
2009-12-20 01:29:02
ひと風呂浴びて、完全に復活したところで、誤字&脱字の修正をしたり、「てにをは」を直している最中に、あんこさんから早速コメント頂いたことに気づきました。未完成の稚拙な文章を読んでいただき、すみません・・・。

すごい! ルミ・カバソスさんを生でご覧になっていたなんて~♪
『赤い薔薇ソースの伝説』を私に教えてくれた人とは、最近お互い忙しくてなかなか会えないのですが、音楽のお師匠さん的存在で、色々教えてもらっています。昔のように月いちでライヴ行きたいな~♪
実は、『鉄男』のDVDを視聴室に持ってきたのもこの方でした。他にもツワモノがたくさんいるのですが、あんこさんにも参加していただいけたら、とても楽しい時間が過ごせるのではないかと思います。う~ん、夢ですね!

『サンタ・サングレ』! ホドロフスキー(お酒を飲んだら、彼の名前も発語できないかも・・・)の作品の中でも一番好きです。もう信じられないくらい好きかもしれません。DVDのBOXを持っていたのですが、画質があまりにも悪くしかも汚いぼかしが入っていたので、売ってしまいました。その当時、確か1万近くで引き取ってくれたので、「さすがカルト」とにんまりしたのですが、今 Amazonで調べてみたら、取り扱い不能とのことでしたが、5万7千円!のプライスがついていました。駄目ソフトなのに・・・。

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