今週の東洋経済はメイン特集以外の部分で良い記事があった。
まずは冒頭コラム「着実な回復へ今こそ賃上げが必要」、
編集部の大崎氏の鋭い論考である。
第二次安倍政権下での2018年秋迄の景気拡大期に
実質賃金が4%も下落した事実を指摘し、
労働組合がベアを要求してこなかったこと、
「そもそもの賃金水準が低過ぎる」ことを批判している。
概ね同意ではあるが、増えた雇用というのが多くは
医療福祉で説明できるので企業や御用組合を批判しても不毛だろう。
日本企業が儲かっても労働分配率を引き下げて賃上げしないのは
雇用の安定をより重視する労働者の多数意見を踏まえたものだ。
だから、最も労働投入を増やすことができ、
医療福祉分野で確実に所得を改善できる
女性の就業率・時間の増加を図るべきだったのである。
配偶者控除を原則全廃して保育・家事外注・学童の税控除に転換し、
保育士や介護士への給付付税額控除を適用すべきだった。
働かない者に減税するから所得も消費も経済も低迷するのであり、
人不足の分野で賃金を上げて就労を促進することに予算を使う、
そうしたまともな政策を採らない安倍・菅のポピュリズムが元凶である。
94頁の「話題の本」もかなり良い。
山口慎太郎教授は立派な経歴なのに発言が
どうもポピュリズムのきらいがあるので懐疑的に見ていたが、
不妊治療も現金給付も少子化対策にはならない、
長期の育休は女性の就業に悪影響、
今の保育所は高所得世帯のためのものになっている、
等々の斬れ味鋭い指摘の数々は高く評価できる。
(日本では夫の育休に出生率改善効果が乏しい事実も言って欲しいこころ)
『子育て支援の経済学』は瞥見させて貰ったが
柴田悠・同大准教授の計量分析ほどの迫力はなかった。
日本の保育政策がすっかりポピュリスムに劣化している今、
研究者による啓蒙的な発言・研究に期待したい。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストは本格的という観点では今週最も良かった。
話題の「ゲームストップ」株騒動に関連して
「バイデン政権、腐敗の構図 イエレン氏、大手証券から8000万円」
と題した会田弘継氏による流石の寄稿が素晴らしい。
イエレンを称賛する者は多いが、金融業界から2年で7億円も受け取っている。
イエレンの金融政策が結果として誰を儲けさせたかは明白である。
他にも副大統領カマラ・ハリスはGAFAから巨額献金、
政権内に複数のブラックロック出身者など
プロビジネスでウォール街と密接な関係を持つバイデン政権。
トランプの時もカネ塗れで酷かったが、
バイデンも相当なもので後で強烈な反動をもたらしそうだ。。
翻って我等が日本。
エコノミストレポートで加藤出氏が端的に纏めているが、
日本の実質賃金はドルの購買力平価で既に韓国に抜かれており、
直近ではイスラエルとスロベニア(!)に抜かれている。
安倍・菅による経済失政、有り体に言えば悪政の害悪は酷いものだ!
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンド特集もかなり良かったがやや小粒感あり。
眼目が欠けていたのかな、という印象。
ただ内容自体は評価できるので深紫外線など
日本企業の新技術も紹介したら良かったのでは。
サブの「急拡大! 音声ビジネス」はダイヤモンドらしく俊敏だったが、
次の本命が見えて来ないきらいがある。
もう少し時間が必要だったか。。
◇ ◇ ◇ ◇
次週も注目はダイヤモンド、明白なバブルの逆指標だ!
▽ 「投資家のインフレ懸念」の方が遥かに重要である
▽ 無能な安倍と菅の大失態で「最終局面」はまだ先だと思う、東洋経済特集
▽ ニッチだが矢張り本格派のエコノミスト
レポートはトヨタ、電動化では余り大きな動きないのかな。。
まずは冒頭コラム「着実な回復へ今こそ賃上げが必要」、
編集部の大崎氏の鋭い論考である。
第二次安倍政権下での2018年秋迄の景気拡大期に
実質賃金が4%も下落した事実を指摘し、
労働組合がベアを要求してこなかったこと、
「そもそもの賃金水準が低過ぎる」ことを批判している。
概ね同意ではあるが、増えた雇用というのが多くは
医療福祉で説明できるので企業や御用組合を批判しても不毛だろう。
日本企業が儲かっても労働分配率を引き下げて賃上げしないのは
雇用の安定をより重視する労働者の多数意見を踏まえたものだ。
だから、最も労働投入を増やすことができ、
医療福祉分野で確実に所得を改善できる
女性の就業率・時間の増加を図るべきだったのである。
配偶者控除を原則全廃して保育・家事外注・学童の税控除に転換し、
保育士や介護士への給付付税額控除を適用すべきだった。
働かない者に減税するから所得も消費も経済も低迷するのであり、
人不足の分野で賃金を上げて就労を促進することに予算を使う、
そうしたまともな政策を採らない安倍・菅のポピュリズムが元凶である。
『週刊東洋経済』2021年3/6号 (働き方と仕事の法律) |
94頁の「話題の本」もかなり良い。
山口慎太郎教授は立派な経歴なのに発言が
どうもポピュリズムのきらいがあるので懐疑的に見ていたが、
不妊治療も現金給付も少子化対策にはならない、
長期の育休は女性の就業に悪影響、
今の保育所は高所得世帯のためのものになっている、
等々の斬れ味鋭い指摘の数々は高く評価できる。
(日本では夫の育休に出生率改善効果が乏しい事実も言って欲しいこころ)
『子育て支援の経済学』は瞥見させて貰ったが
柴田悠・同大准教授の計量分析ほどの迫力はなかった。
日本の保育政策がすっかりポピュリスムに劣化している今、
研究者による啓蒙的な発言・研究に期待したい。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストは本格的という観点では今週最も良かった。
話題の「ゲームストップ」株騒動に関連して
「バイデン政権、腐敗の構図 イエレン氏、大手証券から8000万円」
と題した会田弘継氏による流石の寄稿が素晴らしい。
イエレンを称賛する者は多いが、金融業界から2年で7億円も受け取っている。
イエレンの金融政策が結果として誰を儲けさせたかは明白である。
他にも副大統領カマラ・ハリスはGAFAから巨額献金、
政権内に複数のブラックロック出身者など
プロビジネスでウォール街と密接な関係を持つバイデン政権。
トランプの時もカネ塗れで酷かったが、
バイデンも相当なもので後で強烈な反動をもたらしそうだ。。
『週刊エコノミスト』2021年 3/9号 |
翻って我等が日本。
エコノミストレポートで加藤出氏が端的に纏めているが、
日本の実質賃金はドルの購買力平価で既に韓国に抜かれており、
直近ではイスラエルとスロベニア(!)に抜かれている。
安倍・菅による経済失政、有り体に言えば悪政の害悪は酷いものだ!
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンド特集もかなり良かったがやや小粒感あり。
眼目が欠けていたのかな、という印象。
ただ内容自体は評価できるので深紫外線など
日本企業の新技術も紹介したら良かったのでは。
『週刊ダイヤモンド』2021年3/6号 (最新! コロナ防衛術 免疫力の嘘ホント) |
サブの「急拡大! 音声ビジネス」はダイヤモンドらしく俊敏だったが、
次の本命が見えて来ないきらいがある。
もう少し時間が必要だったか。。
◇ ◇ ◇ ◇
次週も注目はダイヤモンド、明白なバブルの逆指標だ!
▽ 「投資家のインフレ懸念」の方が遥かに重要である
『週刊ダイヤモンド』2021年 3/13号 (日経平均3万円時代の最強株) |
▽ 無能な安倍と菅の大失態で「最終局面」はまだ先だと思う、東洋経済特集
『週刊東洋経済』2021年3/13号 (コロナ倒産 最終局面) |
▽ ニッチだが矢張り本格派のエコノミスト
『週刊エコノミスト』2021年 3/16号 |
レポートはトヨタ、電動化では余り大きな動きないのかな。。