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『週刊東洋経済』9月21日号 - 異常に健診が多い日本だが費用対効果は低く害もある、OECDの警告

2024-09-19 | 『週刊 東洋経済』より
東洋経済の特集「すごいベンチャー100」、
今年も小粒感があるものの内容的には悪くない。
期待の大物は既に広く知られているサカナAIだけだが。。

ロボットや自動運転系のベンチャーが目立たないのは
矢張り開発がそう簡単ではないからなのだろう。

編集部は「ほぼ上場ゴール」のような上場ベンチャーをリスト化した上に
東証グロースの低迷も取り上げていたのでかなり健全な内容だったと言える。
図表を見る限り「起業増で経済成長する」という俗説も都市伝説の類でしかないと思われる。


ところでエントリーのサブタイトルは112頁、一橋大院の井伊教授の寄稿より。
日本における健康診断・検診の問題点を指摘したOECD報告を挙げて
異常な程に多くの健診・健診を行っても効果が低く費用対効果も乏しく
有害ですらあるとの指摘を紹介している。
(検診で医師にいろいろ質問して多分そうだろうと思っていたが案の定だ)

特にがん検診は執筆者によれば「利点が過度に強調されている」、
英国では検診の不利益も検診の利益と同様に公表されており、
受診率を上げることばかり目指す日本の医療政策に警鐘を発している。
(これは医療のみならずマイナンバーで起きている問題とそっくりだ!)
OECDが全て正しいとは思わないが、日本医療界が蛸壺的なのは否定できない。
健診だけでなく子宮頸癌ワクチンでも医療側の居丈高な主張に検証が必要と感じた。
丁度、日本は子宮頸癌ワクチン接種が大幅に減った世代とそうでない世代がいる。
貴重な社会実験だから影響を疫学調査すれば真相が判明する筈だ。
年代別の罹患率もきちんと公表して当事者に判断を任せて欲しいところ。

『週刊東洋経済』2024/9/21・9/28合併号 (すごいベンチャー100 2024年最新版)


佐藤優氏の連載は共産主義の特権階級の自宅訪問という貴重な体験談だが。
実は今週のAERAの連載の方が優れている。
時折、突如として鋭い内容が出現する振幅の大きさが氏の特徴なのかもしれない。

AERAではベラルーシで拘束された邦人のリスクを冷静に分析しており
一生残る障害を負わせかねない物理的な手段によって冤罪であっても
認めさせる相手だからサインする力がある内にサインした方が良い、
その邦人と連絡を重ねていたとされる日本の外交官には
一刻も早い脱出をと勧めている内容だ。非常に的確な分析で、
氏は情報のカウンターパートのいるロシアやイスラエルには
こうした鋭い切り込み方をしないと感じさせる点でも実に興味深い。
(ロシア当局の所業もベラルーシと大差ないだろうに)

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの特集はいつも通り本格派だった。
但し良かったのは期待した年金制度記事ではなく他の箇所だったが。
日本の年金制度の分析は安倍のGPIF改革の効果の小ささについては正しいが
現在の高齢層に公費を投入し過ぎという点に全く触れていない。
「年収の壁」が社会保険料収入を減らすデメリットがあるのみならず
寿命の長い日本女性にとって寧ろ自らの年金額を減らす罠である
との観点も欠落しており、評価を下げざるを得ない。

『週刊エコノミスト』2024年9/24・10/1合併号【特集:NISAの見直し術】


市岡繁男氏の連載も含め、次週に纏めてアップする予定。
それだけエコノミストも良い記事があった。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週のダイヤモンドは期待が持てる、「DXブームの裏でトラブル続出」という案の定の混迷状況のようだ。

▽ 実は、「学会・識者は「捨てるべきだ」とまで警告 マイナカードの重大リスク」が最も重要かもしれない

『週刊ダイヤモンド』2024年9/28号 (DX180社図鑑)

高校授業料無償化により東京大阪で何が変わったかは興味あるが、教育経済学の教える通り単なる教育浪費が増えるのではなかろうか。。
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