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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。
 



ってことで、昨日今日で日本に戻ってきた「調査捕鯨」団。
そんな「調査捕鯨」団の広報担当こと日本鯨類研究所が、今回の南極海における「調査捕鯨」について素晴らしい見解を示していたのだが・・・。
・第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII) -2008/09年(第四次)調査航海の調査結果について-(2009年4月13日 日本鯨類研究所)

この調査結果の詳しい分析は、どこかの専門家(待て)にやって頂くとして・・・。
ここからは、鯨の生態に関して門外漢な奴の感想を適当に書いておく。

今回の南極海における「調査捕鯨」の結果報告を簡単に見て気になったのは、目視調査の説明にかなりのスペースを割いてること。
この辺は、過去数年間行った南極海での「調査捕鯨」結果報告に比べれば歴然だけど・・・。
↓は過去5回の結果報告。
・2003/2004年度南極海鯨類捕獲調査(JARPA)の結果について(2004年3月29日 日本鯨類研究所)
・2004/05年南極海鯨類捕獲調査(JARPA)の結果について(2005年3月31日 日本鯨類研究所)
・第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII) - 第一次調査航海の結果について - (2006年4月13日 日本鯨類研究所)
・第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)の第二次調査船団の入港について(2007年3月29日 日本鯨類研究所)
・第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII) -2007/08年(第三次)調査航海の調査結果について-(2008年4月14日 日本鯨類研究所)

裏を返せば、それだけ南極海での「調査捕鯨」に関する批判をかわす必要を感じてきたってことか・・・。

とはいえ、そこは天下の日本鯨類研究所。
調査結果の冒頭こと『1 JARPAII の概要』において、きっちり誇大史(?)に残る迷文句をぶちかましてきた。
以下、今回の南極海での「調査捕鯨」結果報告から問題の部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
 JARPAIIの調査目的は、
1. 南極海生態系のモニタリング、
2. 鯨種間競合モデルの構築、
3. 系群構造の時空間的変動の解明、
4. クロミンククジラ資源の管理方式の改善である。
JARPAIIは、致死的調査と非致死的調査手法を組み合わせた、南極海における世界最大の総合的な鯨類調査である。
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・目的の違う2つの調査方法を無理矢理組み合わせて世界最大の「調査捕鯨」って言う辺りが、日本鯨類研究所の面目躍如って奴か。
つーか、何も規模を大きくすりゃ良い調査結果が出るとは思えないけどな。
いや、本当の話。

話は変わって。
南極海での「調査捕鯨」結果報告に対し、国外や国内での批判がさほど出ていない北太平洋での「調査捕鯨」の結果報告については、あまり代わり映えがしない状況に気がついた。
↓は過去4回の北太平洋での「調査捕鯨」の結果報告。
・2005年北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)-沖合域調査航海を終えて-(2005年8月22日 日本鯨類研究所)
・2006年度第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNⅡ)-日新丸調査船団による沖合域調査航海を終えて-(2006年8月21日 日本鯨類研究所)
・2007年度第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNⅡ)-日新丸調査船団による沖合域調査航海を終えて-(2007年8月17日 日本鯨類研究所)
・2008年度第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNⅡ)-日新丸調査船団による沖合域調査航海を終えて-(2008年8月22日 日本鯨類研究所)

更にこっちの「調査捕鯨」の結果報告で困ったのは、国際連合食糧農業機関(FAO)の水産委員会(Committee of Fisheries and Aqua)での勧告が出てるという文言が盛り込まれてること。
まずは、2005年版の『1. はじめに』から、最後の1フレーズを引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
また、漁業資源の適切な管理を実現させるための鯨類調査の必要性は、国際連合食糧農業機関(FAO)の水産委員会(Committee on Fisheries)でも強く指摘されています。
---- 引用以上 ----

次に、2006年版のJARPNII の結果報告『1. はじめに』から、2005年版同様(略
---- 以下引用 ----
(中略)
また、漁業資源の適切な管理の実現に向けた鯨類調査の実施の必要性は、国際連合食糧農業機関(FAO)の水産委員会でも強く支持されています。
---- 引用以上 ----

指摘と支持って・・・一読すると、FAO の姿勢も随分様変わりしたような印象を受ける。
が、どうも事は単純じゃないみたい。
つーのも、公海における鯨類の生態調査については、この委員会で複数回勧告案が出てるんだよな。
以下に、1983年10月10日~19日に開かれた第15回会合での報告と2003年の第25回会合報告へのリンクを張っておく。
・REPORT of the FIFTEENTH SESSION OF THE COMMITTEE ON FISHERIES(1983年? FAO)
・(c) FAO/UNEP Draft Global Plan of Action for the Conservation, Management and Utilization of Marine Mammals(1983年10月? FAO)
・Report of the twenty-fifth session of the COMMITTEE ON FISHERIES(2003年2月? FAO)

この中で、例の鯨類調査の必要性を訴えてる(と日本鯨類研究所が思い込んでる)部分は確かにあった。
まずは、第15回会合分から、第183段落と第184段落部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
183. Several delegations noted that marine mammals were a valuable resource for human food in some countries, but that any harvesting should be based on good scientific advice available.
At the same time, the importance of non-consumptive uses of marine mammals (e.g., benign research including behaviour studies, whale watching and tourism) should not be overlooked, and the deliberations of the 1983 Boston Conference on the non-consumptive uses were mentioned.
Countries bordering the Indian Ocean stressed the value of the Indian Ocean sanctuary for the conservation of marine mammals, which was the world's largest natural resource reserve.

184. The importance of knowing more about the nature and extent of the interaction between marine mammals and fisheries was mentioned, and the initiative of the International Union for the Conservation of Nature and Natural Resources (IUCN) and FAO in this matter was welcomed.
Appreciation was also expressed at the action that had been taken in the eastern Pacific to reduce the incidental kill of porpoises in the tuna purse-seine fishery.
Should problems of incidental killing in the course of purse-seining operations occur in the Indian Ocean it could be possible to monitor them.
(以下略)
---- 引用以上 ----

次は、第25回会合から、第91段落部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
91. Many Members reconfirmed their strong support for paragraph 39 of the report of the Twenty-fourth Session of COFI.
Researches on the subject of interactions between marine mammals and fisheries were described.
Many Members supported the need for continuing research and the further development of ecosystem models while other Members noted that EAF was wider than just predator/prey relations and possible mammal impacts.
Some Members expressed the view that low priority be given to predator/prey relations, and their impact on fish resources, as opposed to other aspects of relevance, such as reduced bycatch, habitat protection, land-based impacts, climatic changes, etc.
Some Members noted the primacy of the International Whaling Commission with respect to the role of whales in the marine environment and the strongly held view that discussions on whales in COFI detracted from the more important fisheries issues such as IUU fishing.
(以下略)
---- 引用以上 ----

2つの会合から引用した部分を読んだ限り、どっからどう読んでも「調査捕鯨」に FAO が賛成してるとは思えないが。
意訳って怖いね~(人の事は言えないが)。
[ひょっとしたら俺が見落としてるだけかもしれないので、その際はご指摘お願いします・・・]


にしても。
今回の「調査捕鯨」に対する Sea Shepherd の抗議活動を別ページで取り上げるあたり、自分達の行動を棚に上げて Sea Shepherd を敵視する意図がバレバレっつー・・・。
・2008/09年第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII) -妨害行動の概要-(2009年4月14日 日本鯨類研究所)


2009年4月21日追記:
以下の記事に trackback を送信。
・カナダのアザラシ猟と日本の捕鯨/障害者全体に対する差別表現をよしとする日本捕鯨協会(2009年4月21日 クジラ・クリッピング)

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