flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

『汚(けが)れた心(Corações Sujos)』って映画が公開されてるらしいが(Aug 19, 2012)

2012-08-19 21:02:43 | その他

少し前の話になるが、『汚(けが)れた心』という映画が日本で公開された。
内容としては、第2次大戦後ブラジルに住んでた日系の人達が巻き込まれた争いを描いたものだが・・・。
・ブラジル日系社会の闇を描く 「汚れた心」 ビセンテ・アモリン監督(2012年7月20日 MSN産経ニュース)

元ネタは、フェルナンド・モライス(Fernando Gomes de MORAIS)氏の『(Corações Sujos)』というノンフィクション。
まずは、2012年7月20日分 MSN産経ニュース『ブラジル日系社会~』の前半を(略

---- 以下引用 ----
「あの戦争で全てを失いました」。
女優、常盤 貴子(40)の独白で始まるブラジル映画「汚(けが)れた心」は、第二次大戦終結直後、ブラジルの日系移民社会で生じた闇に光を当てた。

 ビセンテ・アモリン監督(45)は所属意識や適応性についての映画を撮りたいと考え、原作となるフェルナンド・モライスのノンフィクションと出合った。
日系人同士の抗争を描いてはいるが「広い意味のアイデンティティーを模索できると思った」という。

 ブラジルに暮らす日系移民の多くは「日本は戦争に勝った」と信じていた。
日系人コミュニティーの精神的リーダーで退役軍人のワタナベ(奥田 瑛二)は、降伏した事実を受け入れた同胞の粛清に乗り出す。
刺客に仕立てられた写真館の店主、タカハシ(伊原 剛志)は血なまぐさい抗争で傷つき、妻のミユキ(常盤)との愛も引き裂かれていく。
(以下略)
---- 引用以上 ----

粛清、か。
この行動に出たワタナベについて、ビセンテ・アモリン(Vicente AMORIM)監督は意味深な指摘をしていた。
以下、2012年7月20日分 MSN産経ニュース『ブラジル日系社会~』の後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
アモリン監督は外交官だった父親の赴任地、オーストリアで生まれた。
ロンドン、ワシントン、ブラジル、オランダと移り、再びブラジルに。
「なぜ映画でアイデンティティーにこだわるかというと、自分の歴史に関わるからです」

奥田が演じるワタナベの心のありようについて「倫理的には問題あるが、彼の視点からみると大和魂は悪くない」とアモリン監督。

 伊原と常盤のキスシーンが生々しくも美しい。
「2週間のリハーサルのうち、この場面に最も時間をかけた」という。
だからこそ、その後、タカハシが日本は勝ったと信じ込むあまり、妻と心が離れていくさまが切なく響くのだ。
21日から東京・渋谷のユーロスペースで公開、ほか全国順次。
---- 引用以上 ----

大和魂は悪くない、か(しつこい)。
映画の予告編からも伺えるのだが、『敗戦を認めてしまう=天皇の万能性の否定』に繋がるからな~。
更に書けば、自分達が教えられてきた(教えてきた)ことの否定でもあるわけで・・・。
当時の人達にとって、第二次大戦の敗戦は(敗戦を受け入れたか受け入れない問わず)苦痛だったんだろうな。


最後になるが、汚(けが)れた心』に絡めて、先の戦争における集団自決の件に触れた東京新聞(中日新聞)のコラムを紹介しとく。
・筆洗(2012年8月19日分)(2012年8月19日 TOKYO Web)

以下、2012年8月19日分 TOKYO Web『筆洗(2012年8月19日分)』を全文(略

---- 以下引用 ----
ブラジルの日系人社会では、太平洋戦争で日本が降伏した後も、勝利を信じる「勝ち組」が多数派を占めた。
敗北を認める「負け組」を襲撃、多数の死傷者を出し、三万人を超える日系人が逮捕されている

▼分断された移民社会の悲劇を描くブラジル映画『汚(けが)れた心』が、東京や名古屋などで公開中だ。
退役軍人の命令により、心優しい写真館の主人が同胞を殺す狂信者に変貌する。
その姿を伊原 剛志さんが熱演している

▼現実を直視せよ、と言う友人に主人公は吐き捨てるように言う。
「日本の勝利を信じられない奴(やつ)は日本人じゃない。お前は心が汚れている。非国民め」

▼勝ち組は数千人が集団自決したサイパンの捕虜収容所にも存在した。
下嶋 哲朗さんの労作『非業の生者たち』に教えていただいた

▼憲兵に指示され、十七歳の時に男性二人を殺害した男性の証言がある。
「男は国賊だ、殺すことは天皇陛下のためだ、祖国のためだ」。
そう信じていたという回想に、ブラジルの勝ち組の心象が驚くほど重なる

▼日本人特有の集団自決はサイパン、グアム、テニアン、フィリピン、沖縄、満州と続いた。
生き延びた人たちの証言を丹念にすくいながら、下嶋さんは「強いられた自発性」という矛盾を抱える集団自決の底知れぬ闇を探る。
「何も解(わか)らないまま忘れられては、犬死にですな」。
証言者の一言が命に刻まれた。
---- 引用以上 ----

果たして、ワタナベの粛清は「強いられた自発性」にによるものだろうか?
答えは各自で・・・(謎)


おまけ:↓ブラジル版の予告編。

Corações Sujos: Trailer Oficial


この映画は、2012年8月17日にブラジルで公開された。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。