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イスラエルへの愛を示した谷岡 郁子議員(Jul 1, 2009)

2010-12-15 19:55:28 | パレスチナかイスラエルか
豪快に見落としていたのだが、谷岡 郁子議員(DPJ 所属)が去年7月に開かれた参議院の特別委員会でイスラエルの大学について妙な発言をしていた模様。
・第171回参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号 平成21年7月1日(2009年7月1日 国会図書館)

元は、2009年7月1日に開かれた『第171回参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会』における谷岡 郁子議員(DPJ 所属)と佐藤 勉内閣府特命担当大臣(当時)のやり取り。
イスラエルに関する谷岡氏の話は、沖縄で設置を進めてる大学院大学の位置づけをどのようにするか、という中で出てきた。
その前の話は、色んな意味で俺も考えなくてはいけない課題が次々に出ていたのだが・・・。

問題の部分は、佐藤大臣(当時)が沖縄の大学院大学で「自然環境を中心に基礎的な研究をしてほしい」という発言を受けてのこと。
まずは、2009年7月1日分国会図書館『第171回参議院 沖縄及び北方問題(これ自体問題含みのタイトルだ)~』から、谷岡氏の

---- 以下引用 ----
(中略)
○谷岡 郁子君 
全く同感でございます。
 私は、ですから、ここで一つの例を申し上げたいと思います。
 イスラエルという国は一九四八年に独立をしておりますが、実はその二十五年前にヘブライ大学をつくっております。
礎石を置きましたのはアインシュタイン博士と、もう本当、ワイズマン等、そうそうたるメンバーが礎石を置いて、そして国の独立二十五年前につくりました。
そして、ヘブライ大学におきまして一番優秀な生徒たちは、海外へまず水のマネジメントで研究に行かされました。
そして、社会科学で有効な人たちは、国家の運営、イスラム、その理解というようなことを学びました。
また、人文関係などで優秀な者たちがやったことは、古代ヘブライ語であるものを近代のヘブライ語ということに編さんし直すと。
電気器具などがなかった旧約聖書の時代にあったものをすべて近代の語学のヘブライ語をつくり直すというところまでやって、言葉からつくり始めるような壮大な試み、国家の戦略といったものをつくる上で、そのヘブライ大学。
 また、後にはワイズマン研究所というのができまして、ヨーロッパなどで学んできた水のマネジメントということを今後は自然科学、工学の分野で応用科学として、ですからスプリンクラーでありますとか、水を極力抑えて利用するための農作業に使われる現在のコンピューターのモニターによるパイプを通じての一滴ずつ落とすような水のマネジメント、そういうことをワイズマン研究所がつくり出したわけですし、またそこからは多くのノーベル賞をいただいたような学者たちが育っております。
 これは何を申し上げているかと申しますと、本当に大事なことは、その場所にとってどういうことなのか。
イスラエルは、たかだか人口二百五十万から三百万人ぐらいの小さな国でございます。
国のほとんどは砂漠地帯と言ってもいいと思います。
水は、実はヨルダン川というどぶ川のような川が一本ということなんですね。
ガリラヤ湖という湖が一個だけある。
そういう状況の中から、建国をするに当たって何が必要であるかということをさすがユダヤ人たち、徹底的に考えて、そこに必要な大学を、そして研究所を生み出したということを申し上げたい。
 琉球大学という大学が既にございます。
これ、恐らくヘブライ大学のようなものであろうかと思うんですね。

それに対して今度ワイズマン研究所と、先ほど紹介いたしましたようなものに対して、この沖縄の大学院大学、言わば自然科学の研究、そしてその応用を中心としたものができるのであろうというふうに考えております。
 そこで、私が申し上げたいのは、沖縄はまず島であると。
先ほど同僚であります喜納昌吉議員から出ましたように地球の環境をこれから何とかする時代に入っているんで、地球という宇宙の中で閉鎖系でございます。島も、また海に浮かぶ閉鎖系なんですね。
そして、その島を、例えば環境的に、エネルギー的に、あるいは食料的に自立させ得るということは、それを広げていけば、いずれ地球自身を自立させ得るというような地域を増やしていくということにほかならないと思います。
太平洋の島々は今様々な環境問題、温暖化で苦しんでおります。また、世の中が温暖化するということにおいて、熱帯、亜熱帯化が進んでいるということを言ってもいいかと思います。
 その中で亜熱帯の農業、熱帯の農業というのは、これまで植民地農業としてプランテーションを中心とした一作主義というようなものが培われてきました。
イスラエルが砂漠を農場にしたように、この島というもの、亜熱帯という気候の中で、そして水のマネジメントが難しい中で、本当にちゃんとマネジメントし得るような状況というものをこの研究所からつくり出すことができるなら、島学、亜熱帯学、エネルギー、そして食料等の生命の自立というものをお考えになれば、私はかなりのことがやれる可能性もありますし、東南アジア、太平洋の島々への恩恵もあろうかと思いますし、またODAを使って留学生をたくさん呼び寄せるということの意味も出てくるかと思うんですけれども、こういう考えに関しまして、沖縄大学院大学の中で取り入れていただけるようなお考えは、大臣、今の私見でよろしいんですけれども、お考えありましょうか。

○国務大臣(佐藤勉君)
 大変アカデミックなお話をいただきまして、ありがとうございました。
 今先生がおっしゃられた状況等々、島の成り立ち、地質からいっても、サンゴ礁等々ででき上がっているような島等々たくさんあるわけでありまして、そこで水の問題というのは歴史的に苦労されて、沖縄の方々、今まで生活をしてこられたんだと思います。
(以下略)
---- 引用以上 ----

何このイスラエル賛美(怒)
まるで、2年前のイスラエル建国60年(ナクバ(大破局:Nakba)60年)の2日後にイスラエルを手放しで称賛したナベツネ機関紙並の酷い発言だ(毒)
この辺は以下参照(手抜き)
・イスラエルに追随する読売新聞 (2008年5月17日 flagburner's blog(仮))

真面目な話、谷岡氏の発言で問題なのは、ヘブライ大学などがイスラエルのパレスチナ占領政策に深く関与してきたという事実を豪快に無視してることなんだよな。
ついでに書けば、イスラエルの大学教授達がそれへの反対をろくに表明してないことも・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・The Silence of the Israeli Intelligentsia(2010年9月12日 counterpunch.org)

だが、谷岡氏のイスラエル(の大学)賛美はこれで終わらなかった。
今度は、ヘブライ大学やワイズマン研究所(Weizman Institute)に集まってきた人達に言及していたのだが・・・。
以下、2009年7月1日分 国会図書館『第171回参議院 沖縄及び北方問題~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
○谷岡郁子君 
先ほど、一流の研究者を集めるならばそれなりの待遇をしなければいけないという議論が同僚の今野東議員の提起によってなされたわけです。
 私は、ここで指摘しておきたいことがあります。一流の研究者がどういう形で集まるかといえば、何よりもまずそういうドリームである部分ですね、チャレンジであるもの。
それは、ヘブライ大学やワイズマン研究所に集まってきた人たちも、集まってきた理由というのは、お金ですとか待遇ですとか、そういうものではありませんでした。
本当に今まだ見果てぬ人類の夢であり、自分たちのふるさとへの夢であり、国の夢であるところのものによって世界中から最高の頭脳であるユダヤ人たちが集まってきたという姿でありました。
それを掲げるということが、まず第一に資質のいい学者たちを集める理由であるということ。
 そして、何でも研究していいということではなくて、そのテーマの中で、自分の守備範囲の中でその方策だとか、ありようにおいては自由な研究ができ、そこにはたっぷりとした秘書やアシスタントを含めての研究費がそこに与えられるということを、実は研究者たちは求めます。
そして、自分の、仕事を公として、私的な部分ですね、家庭、家計に関する部分、この公私を混同するような者に、まず第一に、私は一流の学者を見たことがないという点を指摘しておきたいというふうに思います。
(以下略)
---- 引用以上 ----

対パレスチナ占領政策を支持してきたイスラエルの大学の研究者達をここまで持ち上げるなんて・・・。
谷岡氏は一体何を考えてるんだろうか?
しかも、谷岡氏の話ってのは、沖縄の大学院大学をどのようなものにするか、という文脈の中で持ち出されてるんだよな。
ひねくれた考え方をすれば、谷岡氏は沖縄の大学院大学の存在をヘブライ大学や(言及はないけど)テルアビブ大学みたく、沖縄の占領政策を支援する大学にしたいのかもしれん。
もちろん、それは日本政府だけでなく(可能性は今の所低いが)独立した沖縄の新政府による統治を支援する大学になりうる危険性も含んでるが・・・。
いずれにしろ、引用部分の後で出てきたように、仮にそこが世界の最先端を目指す大学になったとしても、結局谷岡氏の中ではヘブライ大学みたいなもの程度なんだろう。
そんなに、占領政策に関与してる知識人がうらやましいんか?


もっとも、イスラエルへの愛を表明することについて、山谷 えり子氏は谷岡氏の上を遙かに行っていたようで・・・。
・シャローム!イスラエル 2010(日本・イスラエル親善協会)
・シャローム・イスラエル2010速報(2010年2月14日 ヨマン・シュロモー)
・シャローム!イスラエル2010(2010年2月13日 前四條畷市議会議員 土井一憲の議員日記)

そのうち、谷岡氏がこの手のイベントに名を連ねてもおかしくない悪寒。

余談になるが、今年2月に行われた『シャローム!イスラエル 2010』の後援には、天下の 3K新聞社が名を連ねていた。
流石。


2010年12月16日追記:
タイトルに間違いがあったのでコッソリ修正・・・。


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