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"Muslim friendly"? What is "friendly"?(Nov 13, 2014)

2014-11-13 20:12:00 | 時事ネタ(国内)
現在日本では、何かにつけてハラール(Halal)認証を取得するために活動してる人達が結構いる。
目的としては、ムスリムの人達に対する売り込み強化ってがあるようだが・・・。

『ムスリム・フレンドリー(Muslim Friendly)』という概念は、そうした流れに乗っかったものらしい。
が、この流れに関しては無視できない問題がある模様。
・ムスリムフレンドリー認定の大嘘(2014年11月11日 紅海だより)

上の記事では、NPO 法人日本アジアハラール協会(Nippon Asia Halal Association)(元記事では日本ハラール協会となっているが・・・)が発行しているハラール認証のマークに問題があると指摘していた。
以下、2014年11月11日分紅海だより『ムスリムフレンドリー~』から前半部分を(略)

---- 以下引用 ----
何べんもこの記事を書こうかと迷ったけど、やっぱり書かざるを得ません。この大嘘な「ムスリムフレンドリー認定」。

ムスリムと仲良くなろうよ、ここ(これ)はムスリムに配慮しています、、というのがムスリムフレンドリーという意味と理解していました。とても素晴らしいことですが、ここに来てそういった広範囲なムスリムフレンドリーではなく、「ムスリムフレンドリー認定」なる大嘘に騙されて認定商売でビジネスチャンスを広げようという動きがあります。

ここでは、広義のムスリムフレンドリーではなく、認定商売について書きます。

まずは、このマーク。日本ハラール協会という団体の認証だそうです。



残念ながらこの団体にアラビア語がわかるひとが一人としていないのは一目瞭然。
おそらくイスラーム知識もほとんどないはずです。
ムスリム諸国の外国人でムスリムだからって、だれもがイスラームに詳しいわけではないです。
それは日本人の仏教徒がみんな仏教に詳しいか?
といわれれば、そうでもないのと一緒です。

イスラームにおいてアラビア語の優位性は認められていて、よくあるハラールマークも然りですが、アラビア語が書かれています。
しかしながら、この「ムスリムフレンドリー」のロゴの文字はアラビア語ではありません、パキスタンのウルドゥー語です。
これだったら、まだ英語だけのほうが百倍ましだったのに。

しかも、それすら誤字が幾つか含まれています。
「ムスリムフレンドリー」とすら読めません。
おそらくアラビア語がわからないパキスタン人が適当にアラビア語に似せて作ったものでしょう。
例えば最初のMの上のシャクル(表音補助記号)がいきなりタンウィーン化しています。
これは誤字で、例えば「か」の濁音として「が」はあり、文字として点が2つ追加されています。
しかし「か」の拗音、つまり「か」の点のうえに「。(丸)」がつく日本語は存在しません。
こういう間違いを幾つか平気でしているということです。
たった二文字なのにです。

しかもムスリムフレンドリーの意訳ではなく、音訳。
ここもあり得ないところです。
おそらくアラビア語に翻訳できなかったのでしょう。
中国語で「コンピューター」を音訳せず、「電脳」と意訳しているのと同じように、こういう用語はアラビア語の意訳がふつうなのです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

最近、この団体によるハラール認証を取得した例としては、沖縄の『ホテルゆがふいん』ってのがある。
↓参照。
・ホテルゆがふいん 県内初ムスリムフレンドリーに認証(2014年9月17日 ryukyushimpo.jp)
・県内のホテルとして初めて日本アジアハラール協会の定める「ムスリム・フレンドリーホテル」の認証を取得いたしました。(yugaf.com)

ゆがふいんの公式サイトでは、日本アジアハラール協会(Nippon Asia Halal Association:NAHA)の認証マークを普通に公開してたが・・・。

紅海だよりの記事で指摘してなかったもう1つの間違いってのは、「D(د)」の表記部分にある。
具体的に言うと、アラビア語の表音補助記号として使われない強調音「/t̩/(ط)」を上に書いてること。
実際、ウルドゥー語にそういう文字があるので、NAHAの担当者がアラビア語とウルドゥー語を混同した可能性は非常に高い。

そもそも、アラビア語とペルシャ語、ウルドゥー語はアラビア文字で表記されるとはいえ、アルファベットの構成は結構違ってるんだよな。
↓参照。
・文字 アラビア文字(CiberLibrarian)

だとしても、例のマークを出す前に、"مّسلم فرینڈلی" という文字がアラビア語かどうかのチェックはできるだろうに。
例のマークの作成を依頼した業者に丸投げしたにしろ、もう少し何とかならなかったのか・・・。


話を戻す。

紅海だよりの記事では、例の認証マークが示す意味につて「本製品はまがい物である」と断じていた。
さらに、ムスリム・フレンドリー(Musmil Friendly)の概念自体に大きな問題があると指摘していた。
以下、2014年11月11日分紅海だより『ムスリムフレンドリー~』から後半部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
しかもMuslim Friendlyなる語も概念もイスラームにはありません。
ためしに、Muslim Friendlyという語で検索するとヒットするのは日本ばかりです。
世界には「ハラール」か「ハラールでないか」という2つの基準しかありません。
もっと正確にいうと「ハラール」と「ハラーム」の間にはそれらをふくめて5つの分類別けがあります。
マクブール(受け入れられる)というのがMuslim Friendlyに近いのですが、それは認証するようなものではありません。
5段階評価でいうと最高のHalalが5だとすると、Maqbulは3です。

ムスリムフレンドリー認定で、ビジネスの拡大?
鳥なき里の蝙蝠の日本ならともかく、輸出しようとするものなら、まず嘲笑を甘んじなくてはなりません。
正真正銘のHalalつまり5がうようよしている市場に、何が悲しくて「3」レベルのステッカーを張って、さらに誰もしらないMuslim Friendly??? をさも誇らしげにつけてしまっては、あやしいウルドゥー語のロゴマークで市場から「パキスタン製のコピー商品」認定です。

世界には通用しない(、、というか誰も聞いたことがない)ムスリムフレンドリー認定などでビジネスチャンスなどありえません。
マーケティングの基礎は泥臭い市場調査からです。
試しにムスリムフレンドリーのシールの貼ってある食べ物を、実際にムスリム諸国に持っていき、街角で実際に食べてもらおうとすると私の書いたことが一目瞭然です。
3秒で認証商売もおしまいです。

確固たる気概があれば、わざわざ誰も知らないムスリムフレンドリー認定取得など不要です。
弱気になっているところに認定商売がつけいるのだろうと目の前にくり広げられる光景を見て思います。
そもそもフレンドリーさを誰が認定しようというのでしょう?
フレンドリーさというものは認定される範疇のものではないし、ステッカーが張ってあるからよしとするものでもないでしょう。
フレンドリーさとは意思を問うものです。

オリンピックもあるし、日本でイスラームが知られ、ムスリムと日本にいる人たちが友達になるチャンスが増えるといいですね。世界ではイスラム国問題などで、イスラームに対するネガティブなキャンペーンが盛んなのでこころが傷んでました。認定商売でない、ムスリムフレンドリーは大歓迎です。
---- 引用以上 ----

フレンドリー、なんて売る側が言っても何の説得力もないしな~。
それを踏まえると、ムスリムフレンドリーを打ち出すのは、日本国内向けのアピールという意味合いが強いのかもしれん。
「これさえ取得すれば、ムスリムの人達の間でヒット間違いなし!」と言わんばかりの勢いで・・・。


にしても。

「調査捕鯨」団の母船である日新丸がハラールを取得したのが、日本ハラール協会だったのは幸か不幸か・・・。


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