flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

日本の「ものつくり」維持にこだわらない方がいいかもしれんが(Jan 1, 2012)

2012-01-02 19:41:28 | 時事ネタ(国内)
あけおめことよろ。
ってことで、2012年第1回目のまともな更新。


何か知らないが、日本自動車工業協会の方々が2012年における抱負を語っていたが・・・。
・会長コメント  2012年01月01日 豊かなクルマ社会の実現に向けて ~新春会長メッセージ~(2012年1月1日 日本自動車工業協会)

タイトルオチという気がしないでもないこのメッセージ。
一応、冒頭では、去年3月(!)に発生した震災+福島第1原子力発電所の事故などで自動車業界が甚大な被害を受けたことを述べていた。
しかし、その後の段落で意味不明なことを・・・。
以下、2012年1月1日分日本自動車工業協会『豊かなクルマ社会』から、『日本の「ものづくり」の維持に向けて』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
<日本の「ものづくり」の維持に向けて>

日本の自動車産業が熾烈な国際競争を生き抜く上で、長年の歴史の中で培われた日本の「ものづくり」こそが最大の強みであり、それを維持していくことが私どもの生命線と言っても過言ではありません。
しかしながら、歴史的な円高をはじめ、EPA/FTA締結の遅れ、高い法人税など、いわゆる「六重苦」により、日本国内で生産活動を継続することが極めて困難になっており、空洞化に向けた動きが加速しておりますが、今ならまだその動きを反転させることができると確信しております。
空洞化の進行に歯止めをかけ、日本の「ものづくり」を維持していくために、円高への抵抗力を高めるなど企業努力を継続していくとともに、海外企業と同じ条件の下で競争できる環境の確保に向けて、政府に対し、引き続き「六重苦」の緩和、解消を働き掛けてまいります。
(以下略)
---- 引用以上 ----

「六重苦」を反転させる、か。
何も、自動車業界だけに限らないと思うけどな。
そもそも、「六重苦」を改善しても、自動車業界が日本国外に移転した生産活動を「戻す」とは限らない。
つまる所、上の発言は「空手形」に終わる可能性があるのよね。
もっとも、日本政府がそれを信じるのは自由だけど・・・。
つか、日本で「ものづくり」を維持する必然性ってどこにあるんだろうか?

・・・って疑問について、協会の方々は一切考えてないようだ。
それどころか、自動車重量税などの減税を求める始末で・・・。
むしろ、2012年1月1日分日本自動車工業協会『豊かなクルマ社会』から、『国内市場の活性化に向けて』

---- 以下引用 ----
(中略)
<国内市場の活性化に向けて>

日本の自動車市場は、20年以上にわたって右肩下がりの縮小基調にあります。
このまま市場の低迷が続けば、国内の「ものづくり」の基盤が失われ、ひいては、日本の経済や雇用にも大きな影響を及ぼしかねないことから、国内市場の活性化は喫緊の課題と捉えております。

そのために、私どもは魅力的な自動車を提供するとともに、お客さまにクルマの夢・楽しさを感じていただけるよう最大限の努力を続けてまいりますが、一方でお客さまの重い負担となっている自動車関係諸税を簡素化・軽減することが国内市場を活性化するためには極めて重要です。

昨年末、政府から、自動車重量税の一部軽減とエコカー減税の3年間延長、更にはエコカー補助金の復活が打ち出されました。
私どもとしては、これらの措置を活用しながら市場の活性化に努めてまいります。 しかしながら、自動車ユーザーの期待は、既に課税根拠を失っている自動車取得税と自動車重量税の廃止であり、引き続き、その実現に向け尽力してまいります。

また、私どもは、低炭素社会の実現に向けて、環境性能に優れた自動車の開発を進め、積極的に市場へ投入しており、今後も更に加速してまいります。
政府が掲げる「2020年までに新車販売に占める先進環境対応車の割合を80%とする」との高い目標を達成するためには、お客さまがこれらの自動車をお買い求め易くすることが不可欠であり、インセンティブ措置を強く求めてまいります。
(以下略)
---- 引用以上 ----

自動車関係諸税の簡素化・軽減もさることながら、自動車業界の方々には車自体の軽量化も行って欲しいものだ。
なんせ、日本における車の平均重量は右肩上がりで推移してきたのだがら(最近は小幅変動だけど)
・4.17 乗用車(自家用・営業用)の大型化(重量化)の推移(env.go.jp;.xlsファイル)

↑は、財団法人自動車検査登録情報協会『諸分類別自動車保有車両数(平成22年3月末現在)』のデータを元にしたブツだけど・・・。
参考までに、以下に env.go.jp『4.17 乗用車(自家用・営業用)の大型化(重量化)の推移』の画面メモを(略
ただし、1992年(平成4年)度まで『その他』の項目に入っていた 1,501kg以上のミニバン・ワンボックス等は、1993年(平成5年)度以降『1,501kg』の枠で集計されている・・・らしい。

1枚目

2枚目

車の平均重量が増えた裏には、乗ってる人達の保護だったり衝突安全基準の強化もあるわけだが・・・。
平均重量の増加は、(駆動系の技術進歩による)燃費向上の効果を減らすという面もあるしな~。
無論、自動車業界も自動車の軽量化に取り組んでいるのだが、技術やコストの面で厳しい状況っぺぇ。
この辺は以下参照(手抜き)
・特集 クルマの“環境性能”の向上 素材分野から見た車体軽量化と環境性能向上 1(2010年11月?日 日本自動車工業協会)
・特集 クルマの“環境性能”の向上(略) 2(2010年11月?日 日本自動車工業協会)
・炭素繊維は自動車軽量化の切り札 欧米自動車各社と提携する国内大手 帝人、東レ、三菱ケミカルなど(2011年12月14日 nsjournal.jp)
・自動車軽量化 進む技術競争(2011年2月1日 tv-tokyo.co.jp;動画つき)

ともかく、自動車業界の方々には自動車の軽量化への取り組みが一層求められるのでは?
それをやってから、「自動車関係諸税を簡素化・軽減」って言って欲しい所だわな。
(軽量化への取り組みを促すために、自動車重量税における重量区分を細かくするのも一つの手かもしれんが・・・)


それにしても。
なんで、日本の産業界の方々は「ものづくり」にこだわるのやら?
それだけでは、今後日本がやっていけないって分かっているはずなのに・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。