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Showing chamber to keep death penalty?

2010-09-10 19:47:01 | 時事ネタ(国内)
今回は少し古めのネタ。


先月27日のことになるが、東京拘置所にある死刑場の風景が一部公開されたらしい・・・。
・「刑場の公開」は記者クラブ限定の「半公開」に(2010年8月27日 保坂 展人のどこどこ日記)

元々、日本の死刑場はその実態がわからないことで有名らしい。
そんな秘密だらけの死刑場を公開するに当たって、法務省は精一杯(と思い込んでる)努力をしていた模様。
もっとも、隠された部分も結構あったのだが・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・刑場の公開によって死刑をめぐる多くの問題が逆に隠されないように。(2010年8月28日 村野瀬玲奈の秘書課広報室)

以下、2010年8月27日分保坂 展人のどこどこ日記『「刑場の公開」は~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
ただし、壁伝いのロープを通す輪と、天井の滑車は写真にあるが、肝心のロープ(絞縄と呼ぶ)はない。
死刑執行には不可欠な道具だが、「通常の管理状態では備えられていない」という理由を述べたというが、その状態では「刑場」とは呼べない「刑場準備室」だろう。
何人かの人に写真を見せたが、「ピンとこない。意外ときれいな部屋」「言われないと何の写真かさっぱり判らない」というものだった。
ここにロープの輪が天井から降りていれば、誰にでもわかる。

 また、報道陣は立合席から地下室へ降りることも禁じられた。
「死刑囚が生命を絶つきわめて厳粛な場で、死刑囚やその家族、刑務官などに与える影響を考慮した」ことが、法務省の立ち入り禁止理由のようだ。
私は以前から「刑場の公開」と呼べるかどうかは、この地下室に入ることが出来るかどうかによって決まると述べてきた。
上層階がジュウタンがしきつめられた部屋であるのに対し、コンクリート打ちっぱなしの地下室は「死の空間」だ。
2回の視察で、地下室に入り、ここから上の踏み板が頑丈で堅牢な部品に支えられて、何百回でも開閉し続けるたびに人が死んでいくのだという実感を持って、背筋が凍った。
立合室(上層)から見下ろすように移した写真が読売新聞(夕刊)に掲載されている。
その下部には「排水口」があって、間近で見ると生々しい。
「刑場の露と消える」という言葉がぴったりの黒い鉄格子が不気味だった。
(以下略)
---- 引用以上 ----

う~ん。
ロープを用意してくれないと、実際に吊るされる状況を想像できないと思うのだが・・・。
ついでに、ダミー人形を吊るして実際の死刑執行の模様をデモンストレーションするくらいのことをやる必要があったのでは?
ただ、その実態が日本国内にどこまで伝わるかは知らんけど。


で、この刑場公開が持つ意味について、原田 正治氏(死刑反対派)と岡村 勲氏(死刑賛成派)が述べていた。
・東京拘置所:刑場初公開 原田正治さん、岡村勲弁護士の話(2010年8月27日 毎日jp)

以下、2010年8月27日分毎日jp『東京拘置所~』を全文(略

---- 以下引用 ----
 ◇情報公開今後も--殺人事件の遺族で、被害者と加害者の面会を進める団体代表を務め、死刑制度に反対する原田正治さん(63)の話

 刑場の公開は評価できる。
今後も順次、情報公開してほしい。
死刑の内情を知れば、死刑を廃止した方がいいと考える人が増える気がするし、それを期待している。
執行してしまうと、事件の真相を知ることも加害者の償いも終わってしまう。
そういうことを考えるきっかけになる。

 ◇国民は見て判断--全国犯罪被害者の会「あすの会」代表幹事で死刑制度賛成派の岡村勲弁護士の話

 刑場公開は社会科見学のようなもの。
「悪いことをすればここに連れてこられる」という教育的効果はあるが刑の執行を見せるわけではなく騒ぐことではない。
そもそも隠す理由はなく、見せないからいろいろな憶測を呼ぶ。
裁判員制度になり、裁判に参加する国民はあらゆるものを見て判断すべきだ。
---- 引用以上 ----

う~ん。
確かに、死刑場の公開ってのは法務省にとってはリスキーな判断なんだろうけど・・・。
日本で死刑制度が支持されてる現状を踏まえると、決して法務省にとって悪くない話かもしれんな。
つーのも、内閣府(総理府)が行った世論調査では、死刑存続派にとってありがたい結果が出てるのよね。
しかも、こっそりと誘導質問を入れて・・・。
・基本的法制度に関する世論調査(平成21年12月調査)(2010年2月8日 内閣府)

この調査では、質問の2つ目で、死刑制度について無茶な選択を迫っていた。
以下、2010年2月8日内閣府『基本的法制度に~』内『3 調査票』の設問を一部(略
ただし、数字の単位は%。

---- 以下引用 ----
(中略)
Q2 〔回答票1〕 死刑制度に関して,このような意見がありますが,あなたはどちらの意見に賛成ですか。
(ア) どんな場合でも死刑は廃止すべきである →SQa1へ:5.7
(イ) 場合によっては死刑もやむを得ない →SQb1へ:85.6
わからない・一概に言えない →Q3へ:8.6

(中略)

(全員の方に)
Q3 死刑がなくなった場合,凶悪な犯罪が増えるという意見と増えないという意見がありますが,あなたはどのようにお考えになりますか。
増える:62.3
増えない:9.6
わからない・一概には言えない:28.0
(以下略)
---- 引用以上 ----

IPSNEWS の記事で保坂氏も触れてるけど、「どんな場合も」と「場合によって」を二択で用意してる時点で回答者は厳しい選択を迫られてるのだが・・・。
設問制作者はこのことまで頭に入れていたんだろうか?

いずれにしても。
この世論調査結果を踏まえると、先月の死刑場公開ってのは死刑廃止へ直ちに結びつくとは思えない。
むしろ、死刑の公開(Web 上における生中継とか)を求める意見が広がる可能性すら否定できないかと。
なんせ、死刑好きな方々がそれなりの数いることを件の世論調査は端的に示しているのから・・・。


なお、この件に関して、天下の石原 慎太郎東京都知事は不思議なコメントを寄せていた。
・石原知事定例記者会見録(2010年9月2日 東京都)

以下、2010年9月2日分東京都『石原知事~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
【記者】今日、東京拘置所で死刑の刑場が報道陣に公開されたのですけれど、その公開されたことにどう思われるかということと、死刑ということにどう思われますか。

【知事】亀井静香(国民新党代表)先生に聞いてくれよ。あなた方は興味津々だろうから。
今、どういう形で日本は死刑執行している?

【記者】床が抜ける形ですね。

【知事】絞首刑ですな。
死刑は、私は今の裁判の形が、つまり無期という形が、実質的無期じゃなくて、20年で、大概の人が出てくるということは、被害者の遺族にとったら耐えられないことだと思います。
 近代刑法は何でできたかといったら、仇討ちを禁止するために、復讐を禁止するためにできたので、だったら、そういったものを踏まえて、死刑に代わる有効な手段といえば、アメリカみたいに、懲役80年とか、べらぼうな刑期で、完全に、終身刑で監獄に閉じ込められるということなら、まだ分かりますけれど、そういった、セカンドベスト(次善)の法律も作らず、対処もせずに、人道上の云々(うんぬん)か、センチメント(感傷)で、死刑廃止というのは、私は、これは被害者の心情になってみると、とても許せないことだと思うし、それを十分に斟酌(しんしゃく)して、この問題を論じるべきだと思います。
はい。
どうぞ。
(以下略)
---- 引用以上 ----

いや、知事という立場にある人が心情で死刑存続を判断するなよ・・・。


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