大阪市ゆとりとみどり振興局発注の街路樹維持管理業務委託などをめぐり、関連団体に所属する業者が指名競争入札で落札できるよう指名業者の選定案を作成したとして、逮捕者が出たことが報道された。談合問題についてはまたかという思いを持たれるであろうし、関連の問題も複雑である。
しかし今回の問題に隠されたそれらとは異なる問題にも注目していただきたい。特定の街路樹維持管理業務委託を10年にわたって継続的に受注していたケースもあると言うことが今回は指摘されている。ここで街路樹管理のあり方について考えてみたい。街路樹の維持管理は塗装の塗り替えなどの一般的維持管理業務と異なり、業者によって仕上がりが同じにはならないものなのである。
街路樹は道路の付属物という法的扱いを受けているが、街路樹の美しさ、醜さによって街並み、引いては街全体の評価に影響を及ぼす都市計画法上の都市施設として考えても良いものと考えられる。東京都のパンフレットでは絵画館前のイチョウ並木や表参道のケヤキ並木が、大阪市を紹介するにも御堂筋のイチョウ並木が取り上げられることが多いように街の顔とも言える大切なものである。
これらの街路樹の管理がいいかげんな業者に委ねられたらどのようなことになるであろう。街路樹に係わらず、剪定とは剪定した後の成長を予測しつつ、枝を透きながら美しい姿に仕上げていく高いレベルの技術・技能を要するものである。下手な剪定をされた枝は元には戻らない。すなわち入札制度で単に低価格の札を入れた業者に発注するというのは、街路樹に関して極端に言えば責任を放棄していることになるのである。
平成14年度に行われた東京都の包括外部監査においては道路の管理もその対象となり、「街路樹に関する意見」の中で街路樹の計画的な剪定の重要性が語られると共に、街路樹等の剪定における委託業務の発注については、委託業者の技術評価を考慮すること、また街路樹の重要性によってランク分けを行い、作業をこなして終わりとなる単年度契約でなくできるだけ育て見守ってもらうことのできる3年以上の複数年契約が可能な方策を考えることが望ましい、たとえば「5年契約」等について検討されたいという意見が付けられている。
新聞などでしばしば住民の意見として取り上げられる「どうして街路樹をこんなに切ってしまうの」という問題は、様々な要素があるため契約期間だけによるものではない。しかし、管理の複数年契約を委託された業者は、その期間の中で素晴らしいと言われる街路並木を育てようと技術と誇りを持って仕事に望むであろう。もちろんふさわしくない仕事をしたと見なされれば契約半ばで業者を入れ替えることも認められよう。
公共事業の公平性等が言われるが、先にも述べたように街路樹は街の顔でもある。誰がやっても同じ仕事になるとは限らない街路樹剪定については、(社)日本造園建設業協会が街路樹剪定士という資格をきびしい観点から認定している。貴重な税金が使われている街路樹である。なんとなく存在するというものではなく、原宿や絵画館前に少しでも近い優れた街路樹が日本中で見られることを願って止まない。
しかし今回の問題に隠されたそれらとは異なる問題にも注目していただきたい。特定の街路樹維持管理業務委託を10年にわたって継続的に受注していたケースもあると言うことが今回は指摘されている。ここで街路樹管理のあり方について考えてみたい。街路樹の維持管理は塗装の塗り替えなどの一般的維持管理業務と異なり、業者によって仕上がりが同じにはならないものなのである。
街路樹は道路の付属物という法的扱いを受けているが、街路樹の美しさ、醜さによって街並み、引いては街全体の評価に影響を及ぼす都市計画法上の都市施設として考えても良いものと考えられる。東京都のパンフレットでは絵画館前のイチョウ並木や表参道のケヤキ並木が、大阪市を紹介するにも御堂筋のイチョウ並木が取り上げられることが多いように街の顔とも言える大切なものである。
これらの街路樹の管理がいいかげんな業者に委ねられたらどのようなことになるであろう。街路樹に係わらず、剪定とは剪定した後の成長を予測しつつ、枝を透きながら美しい姿に仕上げていく高いレベルの技術・技能を要するものである。下手な剪定をされた枝は元には戻らない。すなわち入札制度で単に低価格の札を入れた業者に発注するというのは、街路樹に関して極端に言えば責任を放棄していることになるのである。
平成14年度に行われた東京都の包括外部監査においては道路の管理もその対象となり、「街路樹に関する意見」の中で街路樹の計画的な剪定の重要性が語られると共に、街路樹等の剪定における委託業務の発注については、委託業者の技術評価を考慮すること、また街路樹の重要性によってランク分けを行い、作業をこなして終わりとなる単年度契約でなくできるだけ育て見守ってもらうことのできる3年以上の複数年契約が可能な方策を考えることが望ましい、たとえば「5年契約」等について検討されたいという意見が付けられている。
新聞などでしばしば住民の意見として取り上げられる「どうして街路樹をこんなに切ってしまうの」という問題は、様々な要素があるため契約期間だけによるものではない。しかし、管理の複数年契約を委託された業者は、その期間の中で素晴らしいと言われる街路並木を育てようと技術と誇りを持って仕事に望むであろう。もちろんふさわしくない仕事をしたと見なされれば契約半ばで業者を入れ替えることも認められよう。
公共事業の公平性等が言われるが、先にも述べたように街路樹は街の顔でもある。誰がやっても同じ仕事になるとは限らない街路樹剪定については、(社)日本造園建設業協会が街路樹剪定士という資格をきびしい観点から認定している。貴重な税金が使われている街路樹である。なんとなく存在するというものではなく、原宿や絵画館前に少しでも近い優れた街路樹が日本中で見られることを願って止まない。