いろいろなこと

身の回りのいろいろなこと、考えていること。

美しい緑の街並みの創出に向けて

2006年01月14日 17時49分09秒 | 社会や政治的なことについて
 大阪市ゆとりとみどり振興局発注の街路樹維持管理業務委託などをめぐり、関連団体に所属する業者が指名競争入札で落札できるよう指名業者の選定案を作成したとして、逮捕者が出たことが報道された。談合問題についてはまたかという思いを持たれるであろうし、関連の問題も複雑である。
 しかし今回の問題に隠されたそれらとは異なる問題にも注目していただきたい。特定の街路樹維持管理業務委託を10年にわたって継続的に受注していたケースもあると言うことが今回は指摘されている。ここで街路樹管理のあり方について考えてみたい。街路樹の維持管理は塗装の塗り替えなどの一般的維持管理業務と異なり、業者によって仕上がりが同じにはならないものなのである。
 街路樹は道路の付属物という法的扱いを受けているが、街路樹の美しさ、醜さによって街並み、引いては街全体の評価に影響を及ぼす都市計画法上の都市施設として考えても良いものと考えられる。東京都のパンフレットでは絵画館前のイチョウ並木や表参道のケヤキ並木が、大阪市を紹介するにも御堂筋のイチョウ並木が取り上げられることが多いように街の顔とも言える大切なものである。
 これらの街路樹の管理がいいかげんな業者に委ねられたらどのようなことになるであろう。街路樹に係わらず、剪定とは剪定した後の成長を予測しつつ、枝を透きながら美しい姿に仕上げていく高いレベルの技術・技能を要するものである。下手な剪定をされた枝は元には戻らない。すなわち入札制度で単に低価格の札を入れた業者に発注するというのは、街路樹に関して極端に言えば責任を放棄していることになるのである。
 平成14年度に行われた東京都の包括外部監査においては道路の管理もその対象となり、「街路樹に関する意見」の中で街路樹の計画的な剪定の重要性が語られると共に、街路樹等の剪定における委託業務の発注については、委託業者の技術評価を考慮すること、また街路樹の重要性によってランク分けを行い、作業をこなして終わりとなる単年度契約でなくできるだけ育て見守ってもらうことのできる3年以上の複数年契約が可能な方策を考えることが望ましい、たとえば「5年契約」等について検討されたいという意見が付けられている。
 新聞などでしばしば住民の意見として取り上げられる「どうして街路樹をこんなに切ってしまうの」という問題は、様々な要素があるため契約期間だけによるものではない。しかし、管理の複数年契約を委託された業者は、その期間の中で素晴らしいと言われる街路並木を育てようと技術と誇りを持って仕事に望むであろう。もちろんふさわしくない仕事をしたと見なされれば契約半ばで業者を入れ替えることも認められよう。
 公共事業の公平性等が言われるが、先にも述べたように街路樹は街の顔でもある。誰がやっても同じ仕事になるとは限らない街路樹剪定については、(社)日本造園建設業協会が街路樹剪定士という資格をきびしい観点から認定している。貴重な税金が使われている街路樹である。なんとなく存在するというものではなく、原宿や絵画館前に少しでも近い優れた街路樹が日本中で見られることを願って止まない。

あっさりとお店を止めました。

2005年11月22日 14時55分01秒 | うつ病の克服に向けて
お店は周りの方からこんなにすぐにお客さんが着くなんてことわないよと言われるくらい、お客さんに来ていただきました。
しかしそれでも採算に合わない。
カウンターを通してすぐ大通りに面しており、通行人の目が気になる。
お客さんには悩みを持っていると言うより、元気な人がたくさんいて、30分、1時間とコーヒー一杯でしゃべりまくられるとこちらが滅入る。
などの要因かと思いますが、次第に落ち込みが激しくなりました。
うつ病で落ち込んでいる集中力などを何とかして奮い立たせたいと思っていたのですが、却って重荷になってしまったようです。
お医者さんからは早く止めなさい、そして、半年でも実家に帰って養生してきなさいと言うアドバイスが出て、実行することにしました。
居酒屋さんをやっているときに、お客さんがおいしいと評価してくれるようなときはとても嬉しかったです。
一方、一時にたくさんのお客さんが来られたときは、嬉しいのは嬉しいのですが、一人ですべてをしなくてはいけない切迫感が辛いものでした。
もうすこし焦らず元気を取り戻してから再出発を考えた方がよかったようです。

指名競争入札、国交省が原則廃止?

2005年10月08日 17時34分04秒 | 社会や政治的なことについて
朝日新聞にこんな記事がでていました。

指名競争入札、国交省が原則廃止 橋梁談合受け防止策

2005年10月08日09時21分


 国土交通省は同省発注の公共工事について、通常の指名競争入札を14日から原則として取りやめる。橋梁(きょうりょう)談合事件を受けた再発防止策の一環。戦後の公共工事の入札の原則とされ、数々の談合の舞台となった方式が、最大の発注官庁の工事からほぼ消えることになる。

 災害復旧のような緊急の工事や、特殊技術が必要な工事など一部を除き、ほとんどが対象となるとみられる。

 同省は現在、予定価格1億円未満の工事の入札について、業者側の受注意欲の有無に関係なく、国側の裁量で10社程度を指名する指名競争方式を採用している。

 14日以降に手続きを始める入札は、十数社から20社程度の業者に受注希望を聞き、入札したい業者がすべて参加する「工事希望型指名競争入札」に切り替える。受注意欲のある業者ばかりを参加させることで入札の「本気度」を高め、談合を防ぐのがねらい。

 国の公共工事の入札方式は、戦後長く指名競争入札が原則だったが、ゼネコン汚職を機に94年度から改革が始まった。来年度以降は2億円以上が一般競争入札、2億円未満は「工事希望型」になる。


基本的に何も変わらないのでは?
技術力を評価するでもなく、結局指名社数を増やしているだけ?
技術力の評価もしないのなら最初から、予定価格の例えば90パーセントで落札してもいいという会社は手を挙げて下さい。そしてそれらの中でくじ引きをすればいいだけの話ではないですか?
公共事業の技術力は社会的要請からある意味向上していると思います。
しかし、その努力を評価しない入札制度は愚の骨頂以外の何者でもありません。
役所の人が、自分が公正であるという立場を守るためにだけ入札制度があるのです。
国民のためにはより優秀な技術を持った会社が成長する、あるいは儲けるでいいわけであって、その場で安いかどうかが問題ではありません(そうすることが研究開発費も工面できて本当の意味で日本の技術力を増すのです)。
役人の役人による役人のための制度である入札制度の愚かしさにたくさんの人が気付いてもらいたいと思います。

もう少しまともな公約はできないの?

2005年09月28日 22時22分40秒 | 社会や政治的なことについて
こんな新聞記事が河北新報に紹介されていました。


「仙台にケヤキ100万本植樹」 市長公約、大丈夫?
 「4年間で市内にケヤキ100万本を植樹します」―。梅原克彦仙台市長が市長選で掲げた大胆な公約が、市当局に波紋を投げ掛けている。梅原市長は「必ず達成する」と公言しているものの、植樹100万本という数字は現実的には相当厳しい“ノルマ”。公式には「市長の掲げる施策を実現するのが職員の仕事」(市建設局)と、実現可能性の検討に着手したが、「無理。撤回してほしい」との本音も漏れてくる。

 100万本植樹は、市長選出馬に際して梅原市長が掲げた「政策目標」の一つ。選挙戦の最中から話題の的だった。

 公開討論会では、対立候補から「仙台をジャングルにする気か」と冷やかされたが、梅原市長は「植樹用地は十分ある」と応戦。開会中の9月定例市議会でも「市民一人1本の植樹を目指す」と意欲的な答弁を繰り出した。

 政策目標のうち国際会議・海外研究機関の誘致については、一般会計補正予算案に調査費が盛り込まれ、早くも目標達成に向けた取り組みが始まっている。自動車の「仙台ナンバー実現」に至っては、選挙戦の真っ最中に「公約達成」してしまった。

 こうした中で焦燥感を募らせているのが、100万本植樹を担う市建設局だ。緑化推進課の試算によると、ケヤキの苗木は一本1400円。100万本植樹するには4年間で14億円が必要になる。「市の財政規模なら決してむちゃな数字ではない。だが、問題は国内にケヤキの苗木が100万本もあるかどうかだ」と言う。

 次に植樹用地。新設道路の分離帯、公共施設周辺のスペースなどの空き面積を加算していくと、「計算の早い段階で用地確保は困難と気付いた」(緑化推進課)。

 さらに植樹のペース。毎日685本、毎年25万本ずつ植えなければならない。生け垣、建築物の緑化など市民ベースの植樹は昨年2万3000本を達成したが、その約11倍のスピードアップが必要だ。

 市の「百年の杜(もり)づくり行動計画」は年間1万本、100年で100万本の植樹を目標に掲げている。梅原市長の公約達成には、行動計画を「超加速的に推進しなければならない」(ベテラン市議)。

 緑化推進課は「行動計画の目標達成を100年後としたのは、緑を愛する市民の意識が永遠に続いてほしいと考えたから。植えればいいというものではない」と話す。「崇高な理念」か「市長の公約」か。担当部局の悩ましい日々が続きそうだ。
(河北新報) - 9月20日7時6分更新


確かにアピール度は高いかも知れないけれど、杜の都づくりをしましょうならともかく、受け狙いかどうかけやき100万本とはね。
杜の都仙台の代表とされる常善寺通りや青葉通りのけやきは戦災復興で植えられたもの。
まだ50余年の歴史です。
しかもけやき通りの美しさと共に弊害もさまざま指摘されています。
けやきの木は成長すると枝張りも軽く10mを越えるようになります。
むずかしい計算は止めて1本当たり100平方mとします
100万本では1億平方m、すなわち100平方km(ちなみに仙台市の面積は788平方km)、1万haを必要とします。
何より同一樹種を特定して植えることは生態的多様性上問題があります。
供給される苗木の遺伝子的問題、管理費用の面、単純に受け取るほどそのほかいろいろな弊害が浮かび上がってきます。
けやき100万本から杜の都づくりへと公約を改正してもらえないものでしょうかねぇ。

談合?

2005年06月27日 10時13分18秒 | 社会や政治的なことについて
日本道路公団の橋梁工事発注の談合問題が新聞で騒がれている。
新聞社ももうちょっとまともな記事が書けないものか?

談合というのは極端に言えば日本文化的商取引のはず。
そういう論点の記事が全くなくて、悪者探し的な話しかでてこない。
新聞社ももっと文化的、先進的になって欲しい。

談合は、発注者の予定価格を聞き出して(方法はいろいろ)、その範囲内で(基本的にその範囲内でですよ)、業者間でこれはお宅が取りなさい、金額はこの範囲でというある意味なれ合いです。
しかし、談合をしたからといって役所の予定価格を上回ることはありません(役所が積算間違いをしているときは別ですが)。
役所が民間に発注すると言うことは、税金を使っているわけですから無駄遣いはいけません。
しかし談合は役所の積算した予定価格内です。
一方役所の発注は富の分配という役割も持っています。
談合の場では、単なる競争主義ではなくて、あそこの会社は技術力があるのに随分業績が悪くて困っているらしいから、今度の仕事は回してあげようと言うような日本的共存共栄精神も働いています。
新聞社は悪者を見つけたなんて言う下賤な話から、もっと本質を突いた話をしてほしいものだと思います。