mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

御贔屓と勝ち負け

2024-01-29 14:10:29 | 日記
 昨日の大相撲はオモシロかった。優勝決定戦にまでもつれ込んだのが、メディアではもっぱらの評判だったようだが、私は宇良と龍電の対戦で「伝え反り」を観られたのが何よりうれしかった。あっ、あっ、潰されるかと思わせるような海老反りの姿勢で大柄で重い龍電を持ちこたえて、ど~んとともに倒れて投げた宇良の技は見応えがあった。以前にも誰とであったか宇良がこの技を使ったことがあったが、その時は宇良が押しつぶされてしまったことを覚えている。
 いや、それもそうだが、それに勝った後の宇良のうれしそうな顔。まるで子どもがいたずらをして、上手く行って喜んでいるような素直な笑顔。得意技が決まって良かったねえと、TVの画面に向かって声をかけてやりたい気分になる。
 琴乃若が翔猿を破った勝負は危なげがなく、へえ、強くなったなあと思うと同時に、それだけでない感懐を持った。というのは、前日の琴乃若の霧島との取り組みのときもそうであったが、時間が来てタオルを受け取り汗を拭き塩を摑んで土俵に向き直ったときの顔つきが、それまでの柔和な顔つきから一変していたこと。鬼の形相というが、まさにそのように、勝たいでなるものかという剥き出しの闘志が現れていて、こんな顔、朝青龍以来久々に観たなあと感嘆したのであった。
 照ノ富士と霧島はあっけなかった。横綱・大関戦というよりも、おおよそ対戦するに値しない相手と闘うように、軽々と吊り上げて土俵際まで持っていくような照ノ富士の様子に、いやはや強いなあと感心したのであった。
 優勝決定戦は、したがって予想通りに勝敗は決したが、琴乃若も横綱にもろ差しになられてしまっては、手の施しようもない。も少し欲を出して形相が変わるほどの闘志を剥き出しにしなくては、これからも勝てないかも知れないと思った。
 野球もサッカーも、オモシロイのだが、もうそんなに長い時間勝負に目をやっていることができなくなった。勝敗がすぐに決まる相撲のような単発決戦なら、さあどうなるかという興味が持続する時間と勝負の決まる時間がおおよそ見合っていて、年寄り向きだなあと思う。
 特にこれといった御贔屓をもっていない。勝負前の立ち会いのときの振る舞いや勝負、その後に土俵にみられる力士の人柄のようなモノが浮かび上がると面白がっているだけ。我がカミサンのように何人かの御贔屓力士がいて、勝つとわあっといって喜んでいるのも悪くはないが、私はそういうことができない。
 ま、だからどうだってことは、ないんだけど。