mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

散歩日和の花の山

2023-02-16 09:23:29 | 日記
 今週の山は、栃木市の太平山。桜の山として名が知られ、3月には桜祭りも行われる。梅はどうかいなと思って出かけた。朝も8時半過ぎに出発。2年前ならもう登山口から歩いている時間。でもリハビリ登山だから急ぐことはない。それに4時間半くらいの行程、のんびり行こうというわけ。
 ところが、東北道の渋滞に出くわした。岩槻ICあたりで事故があったようだ。でも時速20kmくらいで進むからnaviに表示された到着時間とほんの20分くらいズレて到着した。広い敷地を取ったカインズモールと名付けられたアウトレット。広い駐車場は空いている。イヤ有難いと止めて登山口までの1・5kmを歩き始める。10時25分。空は青く、太平山が日差しを受けてやわらかく稜線をみせている。
 大平山神社登山口から真っ直ぐな石段がつづく。冬枯れの姿を見せる広葉樹、葉を付けた常緑樹の灌木、所々針葉樹という気配が、鬱蒼でもなく明るすぎもしない静かな参道を成す。とはいえ、神社間近まで車道があるから、登山者くらいしか踏んでいない。石段の脇に踏み跡が広がって、さびれた感じが醸し出される。そうだ、3年前、コロナ禍がはじまった頃の3月下旬にここを歩いた。石段を終えて山体を巻く道に入った辺りで稜線が開けてみえる地点がある。頭上にもサクラがあり、そこから進行前方の山肌がサクラで色づいて、新緑に映えているのが一望できた。今は葉を落とした枯れ木が出番を待っている。
 中腹の謙信平には広い駐車場があり、そば屋や土産物屋が建ち並んでいる。その隅に小さな看板が立てかけてあり、「桜の害鳥駆除のために薬剤を*月*日散布する」と、断りが書いてある。桜の害鳥って何だろう。メジロかなヒヨドリかな。でもそれって駆除するようなものなのと、野鳥の会のカミサンは怒っている。
 大平山神社はさほど広くない境内にいくつもの社をおいて南側に開いている。本社の隣にやはり立派な屋根を戴いた社があり、「太平山神社・天満宮文章學社」という社を祀っている。登り始める前に兵庫県に住む娘から、孫娘の高校合格が決まったと知らせがあった。菅原道真を祀っていることに気づいたカミサンが「お礼をしなくちゃあ」とお賽銭を投げ入れて柏手をはたいている。
 ここからが本格的な登山道だ。まず奥宮へ立ち寄る。といっても石づくりの小さな祠があるだけの素っ気ないもの。ま、神道ってこうなんだよねと思う。晃石山へのトラバース道を分け山頂に向かう石の多い道を踏むと、素っ気ないと言うよりも無粋な黒っぽいプレハブ様の奥社がある。ここでお昼にする。山頂はその裏の少し小高い所の樹木に山名と標高341mと記した札が掛けてある。何組かの人たちが登ってきて、次へと移っていった。
 12時10分頃山頂をスタート、標高差100mほどを降る。ここが滑りやすい急斜面。私はストックをついてバランスを取るから平気だが、カミサンは木に摑まっておっかなびっくりである。とても昔日本百名山を全部登った人とは思えない。年齢が進むと一番衰えるのはバランス感覚というのがよくわかる。ストックを貸そうかと声をかけると、使い方がわからないからいらないという。ストックの使い方ってあるのか? と私は思う。カミサンは頭で考える人だ。使い方がわかって使えると思っている。使ってりゃあ使い方って自ずからわかるというのが、私流。この違いは、でも年をとった今から治すようなことではない。ゆっくりと降りてくるのを待つ。でも、それほど苦労している様子もなく、ついてくる。
 どこからか車道がきているのか林務作業車が止まっているグミの木峠を経て、電波塔を右に見て過ぎ、再び登りとなり419mの晃石山までの上り。その途中の東北方面への見晴らしがいい。筑波山が広がる田畑の平野部に独立峰の姿を見せている。太平洋までみえるかのような景観だ。
 晃石山の山頂には2組8名くらいの人がベンチに座っている。西の方面が見晴らせるが、遠くは霞がかかっている。風も少し強い。水を補給し、チョコを口に入れて出発する。13時10分。すぐ下に晃石神社の屋根が光を反射している。大平山頂の無粋と違って、こちらは拝殿も境内もしっかりとした神社建築。だが、人が居るわけではない。
 その下で、清水寺方面と大中寺方面への分岐がある。大中寺への道をとる。この急傾斜の下山路にも、やはりカミサンは苦労していたが、慎重に降りてくる。30分ほどであじさい道路と名のついた舗装車道に出た。その車道を北へすすむ。大平山の山裾を回り込むようにして大中寺に出る。白梅や紅梅が盛大に花を付けている。ロウバイはちょっと色合いが透けるようになって匂いも薄くなっているが、まだ頑張っている。
 大中寺にも広い駐車場があり、何台も車が止まっている。別のところを回ってきたのであろう、10名くらいのグループの高齢登山者が「やっと着いたね」と口にしながら、そこに止めた車へと向かう。私は、3年前に修復していた山門の柱がどうなっているか見ておきたくて、大中寺に立ち寄る。境内の桜が何輪か花開いている。
 ここから車を置いたアウトレットまでは、約3㌔35分かなと見当を付ける。ほぼその通りの時間で歩いた。シロハラがいた。トビとノスリが空を舞う。日差しに透けるようなノスリの羽根が美しい。ツグミが電線に止まっている。雀の群れやカワラヒワの群れが畑に舞い降りたり飛び立ったりしている。春が近い。
 約2万500歩、15.1km、歩行時間は4時間、行動時間は4時間半余。夜になって腰に来た。湿布を貼って宥めているが、こんなことでは、まだまだお遍路には向かえない。