エンジョイ・ライフ 『人生楽ありゃ、苦もあるさ!』

「なすべきことをなせ、何があろうとも・・・・・」(トルストイ)

日本の憲法 Vol.50 自分で飲むだけのお酒造りも規制する酒税法は憲法13条に違反しないのか?(どぶろく裁判)

2017年10月30日 | Weblog


酒税法では、アルコール分1%以上のお酒を造った場合は税金をかけると規定している。
また、国の許可なくお酒を造ってはならない。
そして、上記に違反した場合は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっている。

X氏は、自分で飲むだけの為に、清酒を自家製造していたが酒税法違反容疑で起訴された。
第1審は、罰金30万円の有罪判決を受けた。そして、控訴したが控訴審は棄却された。

そこでX氏は、自己消費目的の酒造りまで規制をする酒税法は、憲法13条に保障する自己決定権を侵害する憲法違反ではないかと上告をした。

最高裁は次のように判示して上告を棄却した。(最判平成元年12月14日刑集43巻13号841頁)
「酒税法は、自己消費を目的とする酒類製造であっても、これを放任するときは酒税収入の減少など酒税の徴収確保に支障を生じる事態が予想されるところから、国の重要な財政収入である酒税の徴収を確保するため、製造目的のいかんを問わず、酒類製造を一律に免許の対象とした上、免許を受けないで酒類を製造した者を処罰することとしたものであり、これにより自己消費目的の酒類製造の自由が制約されるとしても、そのような規制が立法府の裁量権を逸脱し、著しく不合理であることが明白であるとはいえず、憲法31条、13条に違反するものではない」

しかし、長谷部恭男著「憲法 第4版」で『立法目的との合理的関連性を欠く立法手段を規定する法律は、社会全体の利益に反しており、そのような法律は憲法13条後段に反して、個人の行動の自由を制約していることになる。」と反論している。

私自身、自分で飲むために、山ぶどうを採ってきて焼酎に漬けて自家製のぶどう酒を造ることすら禁止しているこの酒税法には違憲性を感じている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿