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北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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函館最古の寺院

2015-08-01 08:54:25 | 函館



先日紹介した「魚見坂」の先にある、函館最古の寺院、「高龍寺」。
1633年に創建された曹洞宗の寺院で、松前法源寺(曹洞宗永平寺派)の僧・盤室芳龍が、亀田(現在のJR函館駅よりやや北の方面)に庵を建てたのが始まりとされており、1879年に現在地に移転しています。
現在は、国の登録有形文化財にもなっています。





この山門にはヒバ材が用いられており、東北以北で最大の山門です。








この山門の大きな特徴は、獅子、龍、鳳凰などの彫刻。この山門だけで、なんと207個の彫刻があるそうです。








繊細で、かつ存在が大きく際立つこの作りは、圧巻の一言です。





正面にある本堂。1899年に建立されたもので、釈迦三尊が祀られています。





こちらは、歴代の住職や五百羅漢などが祀られている「開山堂(臥龍廟)」。
本堂と同じく1899年の建立で、2003年に改修工事で外観が新しくなっています。





航海安全、漁業の神を祀る「金比羅堂」。
1915年の建立、ということは今年で建立から100年ということになります。





山門を入って左脇にはある、「水盤舎」。
参詣者が手や口を漱ぎ清めるための、お寺ではおなじみの施設ですが、こちらもまた、山門や本堂に負けず劣らずの風格のある屋根の形が印象的です。





これは、寺院の宝が収蔵されている「宝蔵」。
函館の発展に尽くした豪商であり、高龍寺の大檀家でもあった、相馬哲平氏の寄付により作られたもので、北海道有形文化財指定にもなっている、蠣崎波響筆「釈迦涅槃図」などが収蔵されています。





境内に、このような碑が建立されていました。





新政府軍による旧幕府軍傷病兵の殺害・・・。
子供の頃に観ていたヒーローもので、「例え敵であっても、傷を負った物は殺せはしない」という命の大切さを説くシーンがあったことが印象に残っているせいか、少々(かなり)複雑な思いがします。





最後に、ちょっと外へ出てみましょう。
高龍寺は、このレンガ造りの塀もまた、見どころの一つです。








この二枚の写真を見比べてみて、何かお気づきになりませんか?
上の方は、同じ横列で、小口のレンガと長手のレンガが交互に並んでいるのに対し、下の方は、長手だけの列と小口だけの列が順番に並んでいますね。
実はこの違い、上の方はフランスの方式で、下の方はイギリスの方式という違いがあるのです。

このレンガ塀は、1910年の建築とされていますが、塀の上方に、大火の跡と思われる焼け焦げがあり、1907年に、この周辺を大火が襲っていることから考えて、実はそれ以前に造られたのではという説もあります。
ガイドブックの中には、フランス式の方が1907年の大火以前のもので、イギリス式の方が1910年としているものもあります。
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