折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真が主役VOL50~瑞々しい朝の情景

2010-09-17 | 写真が主役シリーズ

朝日を浴びて草木が瑞々しい黒目川の遊歩道


昨日、一昨日と二日続けて屋根を打つ雨の音を聞きながら、久しぶりに安らかな眠りを得た思いであった。

今朝起きて見ると、明け方まで雨が残っていたようで、庭の植木が水滴をいっぱいにつけていて、家の前の道にも雨の跡が。

朝の散歩コースの黒目川遊歩道。

朝日を正面から浴びて、水滴をいっぱい身にまとった草花がキラキラと輝き、えにいわれぬ瑞々しい朝の情景が眼前に広がる。

風はさわやかで、空は青く澄み、天はあくまでも高く、ようやく秋の気配が色濃く感じられ佇まいである。

記録にもそして記憶にも残るであろう『暑く長かった夏』がようやく終止符を打った、そんな思いを抱かせる雨上がりの後の今朝の情景であった。

キーワードは『居場所』~小説『悪人』を読む

2010-09-14 | 読書
モントリオール世界映画祭で深津絵里さんが『最優秀女優賞』に選ばれ、今話題の映画『悪人』の原作を読んだ。

     
    『悪人(上・下)』(吉田修一著 朝日文庫) 


今の世の中、自分の『居場所』を渇望しながら、その『居場所』を得られないで悶々としている人が何と多いことか。

今日の新聞にも『秋葉原事件をどう読み解く』と言う特集記事の中で、東京秋葉原で7人を殺傷し、10人を負傷させた加藤被告が、現実の社会に『居場所』がなく、『ネット掲示板こそが居場所』だったと書かれているが、

この小説の主人公たちも、自分の『居場所』を得られずに悶々としている一人に他ならない。

先ずは、主人公の一人清水祐一。

幼くして母親に捨てられ、祖父母に育てられ、恋人も友だちもなく、唯一の楽しみは車。

もう一人は、女主人公の馬込光代。

双子の妹とアパートに住み、職場と家の往復だけと言う味気ない毎日を送っている30代のOL。

孤独な魂を抱えた二人が、偶然、携帯の出会い系サイトを通じて出会う。

この小説の切ない所は、自分の『居場所』を渇望して果たせなかった二人が、ようやく自分の『居場所』を見つけた時は、男がすでに殺人と言う犯罪を犯してしまった後だったと言うことである。

しかし、二人が見出した『居場所』は、二人にとって何物にも代えがたいものだった。

そして二人が選択した道は、更に罪を重ねる『逃亡』という行為だった。

この逃避行の間、二人は束の間、自分たちが『生きている』と言う実感、自分の『居場所』を共有したのであった。

以下、本文中にこのことが如実に表現されているので、少々長くなるがその個所を引用させてもらうと

「私ね、祐一と会うまで、一日がこげん大切に思えたことなかった。仕事しとったら一日なんてあっという間に終わって、あっという間に1週間が過ぎて、気がつくともう一年・・・。私、今まで何しとったとやろ?なんで今まで祐一に会えんかったとやろ?今までの一年とここで祐一と過ごす一日やったら、私、迷わずここでの一日を選ぶ・・・・」(中略)「俺だって、光代との一日ば選ぶよ。あとはもうほんとに何もいらん。・・・(後略)(『悪人』(下)210ページ~211ページ)

祐一は灯台で私を待っている。絶対に待っている。これまでの人生で、そんな場所があっただろうか。私を待っている人がいる。そこへ行けば・・・・、そこへ行きさえすれば、私を愛してくれる人がいる。そんな場所があっただろうか。もう三十年も生きてきて、そんな場所があっただろうか。私はそれを見つけたのだ。私はそこに向かっているのだ。(『悪人』(下)258ページ~259ページ) 

それにしても、ようやく手にした自分の『居場所』が、罪を重ねる『逃避行』の中にしか求められなかったとは・・・


今、第二の人生を過ごしている小生にとって、

今の自分の生活が、『居場所』を求めて悶々とすることなく、何とか『居心地の良い場所で、自分の好きなことに夢中になれる生活』を送ることができていることに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになった次第である。 


写真が主役VOL49~花を摘む人・満開のキバナコスモス

2010-09-11 | 写真が主役シリーズ

『浜崎黒目花広場』に咲くキバナコスモスの花は、昨日から持ち帰りができるようになり、多くの人が花畑に入って花を摘んでいる姿が見られた。


朝、愛犬のパールとの散歩中、黒目川遊歩道沿いの『浜崎黒目花広場』に目をやるとキバナコスモスが満開となっていた。

そんなタイミングを見はからったように、昨日の朝日新聞の地方版が写真入りの記事を大きく紹介していた。

 
『浜崎黒目花広場』のキバナコスモスの記事を紹介した新聞記事(左)、同広場では大勢の人がキバナコスモスを見に集まっていた(右)


今日は土曜日、昨日の新聞を見た人で賑わうのではないかとデジカメ片手に現場に行って見た。

午前10時、この日も日差しは強かったものの、木陰に入ると風が涼しく感じられ、さすがの猛暑も峠を越した感がした。

『浜崎黒目花広場』は、木陰のベンチで花を眺める人、昨日から花を摘んでも良いと言うことで、花畑に入って花を摘む人など、ざっと見て20人前後の人で賑わっていた。

そんな中、一生懸命に花を摘む人の姿をクローズアップした写真が今回の主役である。




写真が主役VOL48~恵みの雨

2010-09-08 | 写真が主役シリーズ



今朝起きて見ると、雨が降っていた。

ニュースによると雨が降るのは、何と1カ月ぶりとのこと。
しかも、台風9号の影響もあって午前中はかなり強く降った。

ベランダの草花が雨に当たって、にわかに元気を取り戻したように見える。
『干天に慈雨』とは、まさにこういうことを言うのだろう。

そして、気温も1カ月ぶりに30度を下回った。

久しぶりに猛暑から解放されて、ほっと一息ついたのは人間だけではないようだ。

雨が止んだ午後、愛犬のパールを連れて散歩している時、たまたま通りかかった公園で、久しぶりの雨で地面にできた水溜りに二羽のハトが仲良く水浴びをしている場面に遭遇した。
その微笑ましい光景を見て、思わずデジカメのシャッターを切った。

この何ともほっとする写真が、今回の主役である。

残暑見舞い~『猛暑』列島

2010-09-06 | 日常生活



残暑お見舞い申し上げます。

前回『酷暑見舞い』を申し上げてから丁度20日、まさか2度目の残暑見舞いをすることになろうとは、想像だにしていなかった。

ニュースは、昨日も『京都・京田辺市で39・9度を記録し、全国の9月の最高気温(今年の最高気温でもある)の記録を塗り替えた』と伝えているので、2度目の残暑見舞いもむべなるかなと思っている次第である。

そんな次第で、昨日も一昨日も外には1歩も出ず、ひたすら一日中クーラーのきいた部屋に籠ってテレビのスポーツ中継を見て過ごした。

そして、このスポーツ中継は、二つの大きな感動をもたらしてくれた。

その一つは、一昨日のプロ野球中継中日×巨人戦。

中日の45歳の山本(昌)投手が巨人を完封し、最年長完封のプロ野球記録を60年振りに塗り替えたのである。(45歳以上の『負けなしの4連勝』も62年振りのプロ野球新記録)

あの強打の巨人打線を相手に許したヒットわずか6本と、まさに『手玉』にとったピッチングに『投球術の妙=プロの技』の真骨頂を見る思いだった。

もう一つは、昨日の男子ゴルフのフジサンケイクラシック。
石川 遼選手の最終18番ホールの第2打。
絶体絶命のところまで追い込まれた同プロが土壇場で打った起死回生の1打。

ピン手前1mにつくスパーショット。
18番ホールを埋め尽くした観衆のどよめきが、テレビの画面を通して伝わって来る。

鳥肌が立ち、心が震えた瞬間であった。

山本、石川この二人のプロのひたむきな生きざまに暑さを吹き飛ばす爽快さを味わったのは小生だけではあるまい。

暑さしのぎに何気なく見ていたテレビで、二日続けて感動を味わうことができたのも、暑い夏がもたらしてくれた思わぬ収穫であった。




写真は暑い中、せめておいしいものを食べて一瞬でも暑さを忘れようと、娘夫妻・孫と一緒に馴染みのお寿司屋さんに出かけた時のこと。
我々大人にゆっくり寿司をつまんでもらえるよう寿司屋のおかみさんが、気をきかせて孫のKちゃんを近所の子供たちが花火で遊んでいる場所に連れ出してくれた。
予期せぬ花火遊びに、ご満悦のKちゃんの写真である。