将棋のA級順位戦の最終戦全5局が「将棋界の一番長い日」としてテレビで生放送された。(3月2日 NHKBS2)
将棋界の一番長い日
今日3月2日は、将棋のA級順位戦の最終戦全5局が一斉に指される日である。この日、名人への挑戦者と降級者2名が決定されるわけで、これまでも悲喜こもごものドラマが生まれた1日でもある。
対局開始寸前の対局室の様子 駒を並べる棋士の美しい手
テレビは、対局開始寸前、盤上に駒を並べる棋士の姿を写し出す。
カチッと乾いた音を響かせて将棋の駒が作法通りに並べられていく。その棋士の指先をカメラがアップで追う。頂点を極めた超一流のプロたちの所作の美しさに、しばし見とれる。
そして、開始時間までのわずかな『間』。
緊張感が画面を通して伝わってくるようだ。
定刻10時、立会人の合図で一斉に対局が始まる。
一呼吸置いて、すぐに第一手を指す人、瞑想して容易に初手を指さない人、カメラは5局を同時進行で次々に写し出していく。
これぞ生放送の醍醐味だ。
『わくわく』、『ドキドキ』、『ハラハラ』しながらテレビの前に釘づけになった。
オリンピックに続き、大好きな将棋の対局を生で見られる自由な身の幸せを改めてありがたいと思った次第である。
将棋の思い出
大好きな将棋を指さなくなってから大分経つ。
3年ほど前に次兄の家に行って指したのが一番記憶に新しいところだ。
この時の様子をブログに書いたが(2007・4・4『久々の兄弟対局』)、このブログは、我々4人の息子たちが生前のおやじさんと最後の将棋対局をしたのを紹介したブログ(2006・9・1『オヤジVS息子たち』)と並んで、小生が書いたブログの中でも最も気に入っている、自画自賛できる出来栄えのブログの一つである。
この二つのブログの中でも書いているが、4人兄弟のうち弟を除く3人は、おやじさんからそれぞれ将棋の手ほどきを受けた。
そして、将棋の腕前では、兄弟の中で最も気性が激しく、負けず嫌いな次兄が小さい時から『他流試合』で腕を磨いて、一頭抜きんでた存在であった。
その次兄にくっついて、よく他流試合を観戦に行ったが、『お前、やって見ろ』と言われると、内気で、引っ込み思案の小生は、いつも尻込みしてしまっていたものである。
そんな次兄に何とか勝てるようになったのは、成人した後であった。
そして、勝った時は嬉しさを隠しきれずに、笑いをかみ殺すのに苦労したのを今でもまざまざと思い浮かべることができる。
10年ぐらい前は、実家に兄弟が揃うと必ず将棋になって、それぞれの家族の顰蹙をかったものだが、今は、そんな元気はなくなって、ぽつり、ぽつりと世間話をしている様を見ると、『おい、やるか』と兄弟の誰かが将棋盤を持ちだしてきた頃が、無性に懐かしい。
今は、将棋はちょっとご無沙汰だが、元々、大好きな趣味の一つである。
そのうち、将棋盤に古今の名局を並べて楽しむ日がそんな遠くないうちに必ず来るだろうと思っている。
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