打ちのめされ、身動きならず!!
「偶然」の引き合わせに感謝
出会いには、往々にして「偶然」が大きく影響する。
ブルーノ・ワルターの場合、たまたま、手に取ったレコードが、ワルターであった。
ウイルヘルム・フルトヴェングラーの場合、たまたま、レコードを買った時に入っていた、1枚のチラシであった。
そこには、こう書かれていた。
「世紀の大指揮者フルトヴェングラーの歴史的名盤、模擬ステレオで蘇る。」
フルトヴェングラーが、ウイーン・フィルを指揮した、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」が、ドイツのエレクトローラ社で開発された「ブライトクランク」と言う技術で、ステレオ化されて、発売されると言うものであった。
その当時、小生は恥ずかしながら、フルトヴェングラーと言う指揮者を知らなかったが、「運命」の「歴史的名盤」と言う、宣伝文句に惹かれて購入した。
大学生であった、小生にはちっぽけな卓上型ステレオしかなかったが、それでも、そこから、溢れ出る、圧倒的な音楽の迫力に、ぐいぐいと引き込まれ、聴き終わった時は、完全に「打ちのめされ」、身動きもならず、その後、涙が込み上げてきたのを、今でも鮮明に覚えている。
その後、色々と高価な音響装置で何回となく、聴いたが、この時の感動は、二度と味わうことは、できなかった。
小生にとって、本当に稀有な音楽体験であった。
<今日の1枚>
ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ウイルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ブライトクランク・ステレオ)
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