折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

大丈夫?!菅内閣~衆院予算委員会テレビ中継をみる

2010-10-14 | 雑感
衆院予算委員会が12日から始まった。

そして、2日間とも午前9時から午後5時まで、ぶっ通しでNHKテレビの国会中継を見てしまった。
国会中継をまじめに見るなど、生まれて初めてである。

予算委員会の質疑は、1問1答方式だからそのやり取りを通して、菅総理をはじめ菅内閣の実力が、テレビで白日の下にさらされてしまう。テレビとは、誠に恐ろしいメディアであるとつくずく感じた。


衆院予算委員会で質問に答える菅総理大臣(NHK総合テレビ国会中継より)


それにしても、予算委員会では、質問者は予め、質問内容を周到に準備して臨むのだから、優位の立場にあるのは当然としても、質問を受ける政府側も、質問者から事前通告を受けているのだから、相応の答弁がなされてしかるべきなのに、答弁を聞いた限りでは、勉強不足の大臣が多いのに正直びっくりした。

とにかく、政府答弁のもたつき、ふがいなさ、特に、菅総理の歯切れの悪い、内容のない答弁、おどおどした自信のない態度、物腰がひときわ目についた。

菅総理からは、一国の総理大臣としてのオーラを感じることができず、この人に日本の将来を託して大丈夫なのかと危惧を抱いたのは、小生だけではないだろう。

そして、質問者に対し、官僚が書いたと思われる原稿を読み間違えてはならじとばかり、一字一句訥々と読み上げている総理の様子を苦々しく見ながら、それと対極にいる一人の偉大な人物―40歳で脱サラし、起業した会社会社を一代で一部上場会社に育て上げた『立志伝中』の経営者を思い浮かべた。

予算委員会は、会社では『株主総会』に当たると言えるだろう。
小生は、若い頃、その創業社長の下で、長いこと株主総会の事務局の仕事をやっていた。

当時は、『総会屋』全盛時代で、社内では怖いもの知らずの経営者が、唯一恐れたのが総会屋であった、と言われていた。

その株主総会は、予算委員会のように質問の事前通知など勿論なくて、ふたを開けて見るまで、どんな質問がされるのかわからない。

その質問も暴力的な言辞で威嚇、罵倒してくる輩が相手なのだから、サラリーマン社長なら戦々恐々、総会屋を恐れるのは『むべなるかな』である。

そんな時代に、小生が仕えた創業社長は、総会に臨むに際して泰然自若としていた。
そこには、こと会社に関しては、創業者たる自分以上にわかっている者はいない、隅から隅まで知り尽くしている。どんな質問を受けようが自分に答えられないことなど一つもない、という強烈な自負心がオーラとなって全身からあふれ出ていた。

そして、質問の答弁に当たっても、事務局が作成した原稿を読むのではなく、自分の考えを自分の言葉で話して、彼らを納得せしめたのである。

『機を見るに敏』な総会屋は、弱みを見せれば、かさにかかって責め立てるが、泰然自若な相手には、矛を収める。

そんな創業社長の姿に感動し、心酔し、『この社長のためなら』と決意と覚悟を新たに仕事に邁進した日々を今でも良く覚えている。

ひるがえって、菅総理である。

『総理大臣』という重圧の前に、自分の持ち味である大胆さと積極性がすっかり影をひそめ、ひたすら安全に安全にと、原稿を間違えないように一字一句なぞるように読んでいる菅さんからは、一国の総理大臣と言う『気概』が感じられなかった。

そんな首相を見て、質問者はそれこそ『嵩にかかって』攻め立てる。

官房長官が、何回も助け船を出す。何とも、目をそむけたくなるシーンの連続である。

総理大臣の器にあらざる人が、その地位にあるのは本人とっては悲劇であるし、国民にとっては不幸の極みである。

政権交代が本当に良かったのか、そんなことも考えさせられたテレビの国会中継であった。


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