武士の情け～国会中継を見て思ったこと

昨日、寒風が吹きすさぶ凍えるような悪コンディションの中、ゴルフをやった。

さすがに少々こたえて、家に帰って来てからは、何をする意欲もわかず、テレビのスイッチを入れると参院での予算委員会の質疑を中継していた。

何気なく見ていると質問に立った自民党の某議員が、前原外相の在日韓国人からの政治献金問題を取り上げて追及していた。

外国人からの献金は政治資金規正改正法で禁じられている。

だから、金額の多寡を問わず献金を受けていれば違法であるのはその通りであるが、問題はその質し方のケースバイケースである。

金額の多寡は問題ではないという意見は、けだし、そのとおりだが、たかが１回５万円、合計２０万円である。

小生は、決して前原さんの応援団でもないし、彼の肩を持つものでもないが、衆人環視の国会中継の場で取り上げてあえて事を荒立てるのはいかがなものか。

報道によれば、

『中学２年生の時に、（京都市の山科）に引っ越した。（献金者は）近くで焼肉屋を経営する在日（韓国人）の方だ。小さい頃から世話になった人で『献金を頂いているという認識はなかった』（前原外相）

『前原さんの家庭は貧しく、苦労して議員になったので応援したかった。在日の献金がダメだとは知らず、迷惑をかけた。私が日本国籍を得ていると思ったのではないか』（献金者）（いづれも、朝日新聞）


わが国には、古来より『武士の情け』と言う言葉があり、人間の美徳を示す一つの価値基準として今も受け継がれている思想である。

テレビの中継を意識してか、質問者の某議員はまるで『鬼の首』でも取ったかのように得意然として胸をそびやかして、さぞかし有権者にアピールしたと思っているのだろうが、某議員は『武士の情け』と言う言葉があることをお忘れになっていないだろうか。

追求した当人は、テレビを見ていた人が全て拍手喝采したとでも思っているだろうが、『姑息な質問をして』とその『志』の低さに眉をひそめる人も多分いることだろう。

少なくとも小生には『武士の情け』を心得ぬ無粋な人にしか見えず、たがだか５万円の献金をあげつらう某議員に品性・品格のなさを見たように思ったのは小生だけではあるまい。