折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL542~はじける笑顔

2014-10-05 | 写真&俳句
幼なじみたちと話が弾み、穏やかでやさしい表情を浮かべる老母(98歳)

笑顔が映える写真撮影


老母にや  はじける笑顔  もたらせし  友の慰問や  情け身にしむ


幼なじみのU子ちゃんとY子ちゃんが、施設に住まう我が母を慰問してくれた。
以下は、その時の様子である。

― 「おばあちゃん、同級生のU子ちゃん、Y子ちゃんが会いに来てくれたよ」

― 「おばさん、お久しぶり、お元気そうね」

― 「おばさん、会いに来たわよ」


かわるがわる声をかける幼なじみの二人。

一瞬、驚いたようだが、すぐに笑顔になり、その目に涙をいっぱいためて

「ひさしぶりだねぇ」

と感慨深かげに二人をじっと見つめる老母。

そして、堰を切ったように色々なことに話しの花が咲く。

その様子は、時間がひたすら昔に遡っているが如くである。

最近、とみに表情が乏しくなりつつある老母が、笑いを満面に浮かべ、涙を流して喜んでいる。

こんな生き生きとした老母の表情は久しく見たことがない。

目じりの涙を、かわるがわるぬぐってくれる幼なじみを見て、彼女たちのやさしい心根に心からありがとうと手を合わせると共に、この歳になると幼なじみの存在はこの上なく貴重で、ありがたいと身にしみて感じた次第である。