折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

2008年「オーディオ談笑会」の「トリ」はベートーヴェンの「運命」

2008-12-31 | オーディオ談笑会
今年のブログの「とり」は、前回の「オーディオ談笑会」の続きである。

この会も回を重ねるにつれて、進行がある種「パターン化」しつつある。

即ち、
PM3時集合。
PM3:00~3:45 お酒を飲みながらの近況報告のおしゃべり。
PM3:45~4:45 第1部 メンバーの持ち寄りソースを一人約15位かけて聴く。
PM4:45~5:30 休憩、お酒を飲みながら感想を述べ合う。
PM5:30~6:30 第2部 第1部と同様。
PM6:30~7:15 夕食休憩。
PM7:15~8:15 第3部 主宰者Kさん選定のソースを全楽章通して聴く。


今回もほぼこのパターンで進行。


今年度最後の「オーディオ談笑会」が行われたKさん邸のオーディオホール


第1部のトップは、ゲストの I さん持参のキースジャレットのジャズのCDから

約30分弱にわたるキースジャレットの即興で弾くジャズピアノがタンノイオートグラフからあふれ出る。時々、興に乗ったキースの声がピアノに混じって聴こえて来る。

「いやあ、いい音ですね。音がまろやか」
「まろやか過ぎて、キースのあの尖ったようなピアノの音が聴こえないんじゃない」
「そう言えば、そうだ」
「ジャズというよりは、ショパンのポローネーズを聴いてるみたいで、実に素晴らしい」

二人目は、いつも意表をつく出し物を持参する「新しがり屋」のMさん。

今回の目玉は、今「大ブレーク」中のIL DIVOの最新アルバム「プロミス」から、

1・シー 2・アメイジング・グレイスの2曲。

そして、これもサラ・ブライトマンの最新アルバム「冬のシンフォニー」からアメイジング・グレイス。

「イル・ディーヴォ、聴いたことある人は?」
「この間、徹子の部屋に出演していて、歌うのを聴いた」 
「オペラ出身が3人、ポピュラー出身が1人のグループなんだけど、とに角、ど迫力なのよ、聴いてみて」

「最後の盛り上がり方が凄いよね、26日に聴いた第9の盛り上がった場面を思い出した」
「同じアメイジング・グレイスでも、サラ・ブライトマンとはまた全然違うね」
「比較してもらいたくてサラ・ブライトマンも持ってきたんだ」


Kさんのオーディオホールは日々進化している。
自作した欄間には、海外の最高級ガラスが使用されている。


三人目は、小生の弟。
ジャズ通でならした彼もこのところは、すっかりクラシックに入れ込んでいてこの日持参したのは、エルガーの「チェロ協奏曲」と何とも渋い選曲。

「思ったとおり、チェロの音が凄いですね」
「でも、ヴァイオリンに比べるとチェロって随分と地味だよね」
「前回聴いたときよりも、音、随分と違うよね」
「前回は、<石>のアンプ、今回は、<球>のアンプ、その違いだね」
「タンノイには、弦がぴったりですね」

第1部の最後は、小生。

テレビドラマ「風のガーデン」の主題歌、平原綾香が歌う「ノクターン」。

小生以外、誰もこのドラマを見ている人がいなかったのには、少々がっかり。
気を取り直して、「英語バージョン」、「日本語バージョン」そして、原曲であるショパンのノクターン第20番「遺作」の順番で聴いて、と説明。

「うまくなったね~、平原綾香。<ジュピター>を歌った平原綾香より、こっちの方がずっといい」
「英語バージョンより日本語バージョンの方が情感が出てるよね」
「アレンジが違ってるせいか、英語バージョンと日本語バージョン、同じ曲に聴こえなかった」
「ショパンの原曲を聴いて、ああ、この曲かとわかった」
「いくら原曲が素晴らしくても、歌い手の力量がそれに追いついていなければ、その良さが生きないんだけど、平原綾香は実に情感豊に歌っていて素晴らしい。立派なもう一つの<ノクターン>だね」

休憩中の会話は割愛。

第2部は、Mさんからスタート。
曲は、先ず島田歌穂の「ON MY OWN」

「この間、青山劇場の最前列で<生>の声を聴いたばかり」
「今日のタンノイ、ボーカルがとってもしなやかでいいね」

Mさんと言えば中島みゆきははずせない。

1.ファイト  2.蕎麦屋  3.ホームにて

を続けて聴く。

「暗い、嫌な世の中になっちゃったんでせめて音楽ぐらいは、明るく、ガッツがなければね」
「いや、<ファイト>すっかり気に入った」
「他の2曲もしっとりと歌い上げていて、素晴らしい」
「タンノイと中島みゆき、これまで何曲か<相性>が悪い所があったけど、今回は全部音が良かった」

第2部、続いては小生。
曲は、ブルーノ・ワルターが指揮したシューベルトの交響曲第8番「未完成」の第2楽章。

「I・K(小生)さんもブログで何十年ぶりで聴いたと書いているけど、自分もやっぱり何十年ぶりにワルターの<未完成>を聴かせてもらった。懐かしいね。堂々たる演奏」
「ちょっと、全体的に音が籠もりがちですね」
「そうね、タンノイって1950~60年代の音を最良の音で表現するスピーカだと思ってるんだけど、このCDに関してはちょっと期待はずれだったかな」
「リマスターした最新盤が良いと思って、持って来たんだけど、それがちょっと裏目に出た感じ」

夕食時の会話は割愛。

第3部。
主宰者Kさんが今年度の「トリ」選んだ曲は、フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルによるベートーヴェンの交響曲第5番「運命」

「本来ならば、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」なんだけど、つい最近フルトヴェングラー・ウィーン・フィルの「運命」の「復刻盤」を購入し、聴いて見たら抜群に音が良くなっていたので、ぜひとも皆さんに聴いてもらいたいと思って、あえて選んだ」

「確かに、一音一音がクリアーで素晴らしい」
「低音の迫力は、さすがタンノイですね」
「楽章が進むにつれて、音が一層鮮明になったような印象」
「そうなんだ、何かステレオ的な音になったように聴こえるよね」
「復刻技術の進歩に感謝」

2008年の最後を飾るにふさわしい感動的な演奏を聴いてみんな満足して、Kさん邸を辞した。

来年の第1回目の「オーデイオ談笑会」は3月とのこと。

いつも、会場を提供してもらい、お世話になっている主宰者Kさんに、「この1年間本当にありがとうございました」と心から感謝を申し上げます。


今年も今日が最後です。
良いお年をお迎えください。