愛国的フィギュアスケート

羽生結弦とロシア女子を中心に

Japan Open ルナとコリラックマ

2017年06月19日 | 国際大会
17/10/07(土) Japan Open 2017 (さいたまスーパーアリーナ) http://www.tv-tokyo.co.jp/japanopen2017/

参考:過去の出場選手 
Japan Open 2016 http://www.tv-tokyo.co.jp/japanopen2016/skater.html
Japan Open 2015 http://www.tv-tokyo.co.jp/japanopen2015/skater.html
Japan Open 2014 http://www.tv-tokyo.co.jp/japanopen2014/skater.html 


 このJapan Openの出演者の公表は、羽生結弦選手が例年、出場しないので注目を集めていませんが、
ちょうどFantasy on Iceの新潟公演と、Alisa LozkoのIce Dance転向と新カップルの結成と時期的に被ってしまいました。
ただ、出場選手の年間スケジュールでは重要なので、改めて書いておきます。


出場者(代表国/出場時の年齢) <17/06/23追記> 産経:http://www.sankei.com/sports/news/170623/spo1706230035-n1.html

日本 未定:宮原知子(日/19)?       樋口新葉(日/16)?    宇野昌磨(日/19)          織田信成(日/30)
       三原舞依(日/18)        本田真凜(日/16)           

欧州    Evgenia Medvedeva(露/17)  Alina Zagitova(露/15)  Javier FERNANDEZ(ESP/26)  Tomáš VERNER(CZE/31)

北米    Gracie Gold(米/22)       Karen Chen(米/18)   Nathan Chen(米/18)       Jeremy Abbott(米/32)


 まず、昨季の世界Jr.選手権チャンピオンのAlina Zagitova(15歳3ヶ月)の出場ですね。(これで彼女の東アジアへの遠征は、台北、埼玉、北京、名古屋に)
五輪前哨戦となるGPF(名古屋)前に、FPのみですが、同一大会に揃ってMedvedevaとZagitovaが出場します。
これは主催者側に「Good Job!」あげたいですね。この2人は、高い確率で、平昌五輪の団体戦の代表(SP/FP)になるでしょう。
(=事前キャンプ地である新潟?に露代表団の中で最も長く滞在する)

 最後に、この日程が出て、Evgenia Medvedeva選手が2017年度、何回、日本を訪れることになるのか、皆さん、お分かりになりますか?

 4月        17 WTT (東京)          http://www.jsfresults.com/intl/2016-2017/wtt/
 5月        休暇&仕事 (東京、大阪、京都など)
 6月        Fantasy on Ice (新潟)      http://www.fantasy-on-ice.com/
 7月        Dream on Ice (横浜)       http://www.onice.jp/


10月        Japan Open (埼玉)        http://www.tv-tokyo.co.jp/japanopen2017/
11月        GPS NHK杯 (大阪)
12月        GPF (名古屋)
1下旬~2月上旬 18 EC後、Moscow→新潟(仮)
2月13日~     団体戦後、江陵→新潟(仮)

なんと、最大9回(!) も訪れることになるのです。


 Medvedeva選手にとって幸いなのは、五輪直前の欧州選手権(EC)が練習拠点のモスクワでの開催(予定)となっており、
GPS、GPF、ECと(五輪本番以外では)モスクワと日本を往復するだけの“奇跡的な”公式試合の日程になっています。
これは2013-14のソチ五輪シーズン、羽生結弦選手が練習拠点(トロント)から何回もロシアを訪問するのに置き換えて考えて頂ければ、異例なことだと分かりますね。
現時点で、彼女はフィギュアスケート・ロシア代表の 『強いロシア』 の象徴であり、仕事量から言っても、かなりの負荷がかかっていると思われます。
今季、Medvedeva選手に接する日本人の方は、こうした状況を鑑みて、対応して頂きたいですね。


 また、出場選手はGPSの初戦まで、以下のような試合間隔になっています。

    男子               女子                        
日本 宇野昌磨?(中18日)      宮原知子?(中32日)       樋口新葉?(中11日)/ 本田真凜(中25日) / 三原舞依(中25日)  
欧州 Javier FERNANDEZ(中25日) Evgenia Medvedeva(中11日)   Alina Zagitova(中25日) 
北米 Nathan Chen(中11日)     Gracie Gold(中25日)        Karen Chen(中18日)      


 特に注目してほしいのは、Nathan Chen(米)です。
米国(拠点)→日本(埼玉)→米国(拠点)→ロシア(モスクワ)となるのか、それとも
               ~(中11日)~
米国(拠点)→日本(埼玉)→ロシア(モスクワ) と 練習拠点に戻らず、そのままモスクワに直行し現地で調整するのか、
短期間に時差調整や長距離移動が重なり、通常よりコンディション維持が難しい状況です。
これはEvgenia Medvedeva(中11日)や、樋口新葉?(中11日) も同様の試合間隔ですが、それぞれ開催地の関係で負担がより少なくすみます。


 さらに遡って言えば、Japan Open開催前のCSで、Alina Zagitovaはランキング(38位/1100P)を少しでも上げる[+300P]ために
09/14-17 Lombardia Torophy (伊 ・ベルガモ/中19日) などに出場するのかという事にも関連してきます。(Evgenia Medvedevaは調整以外でCSに出る必要性は全くない)
このあたり、Eteriコーチがどう判断するか。もちろん、Japan OpenでFPの初披露となれば、日本人として嬉しいし、大会のプレミア感はより上がるでしょう。
(後日、コーチからFPは昨季からの持ち越しと話がありました)


<17/06/23追記> 時事 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062301035  朝日 http://www.asahi.com/articles/ASK6R4VWLK6RUTQP015.html
Alina Zagitova視点                                     時差(MOS)   JOまで   出場選手(練習拠点との時差)
09/13-17 U.S. International FSC      米 ・ソルトレイクシティ         -11時間    [中19日]  本田真凜、坂本花織 (-15時間)
09/14-17 Lombardia Torophy        伊 ・ベルガモ              - 2時間     [中19日]  宇野昌磨、樋口新葉 ( -7時間)
        
09/20-23 Autumn Classic International 加 ・モントリオール           - 7時間     [中13日]   羽生結弦(±0時間)、三原舞依(-13時間)
09/21-23 Ondrej Nepela Torophy     SVK・ブラチスラバ           - 1時間    [中13日]
        
09/27-30 Nebelhorn Torophy ◎     独 ・Oberstdorf 五輪残り出場枠   - 1時間    [中 6日]   Pairs:須藤澄玲/フランシス・ブドローオデ組、ID:村元哉中/クリス・リード組

10/06-08 Finlandia Torophy        FIN・エスポー              ±0時間     ×     宮原知子(- 6時間)
10/07    Japan Open            日・さいたま                 +6時間           宇野昌磨、三原舞依、本田真凜 (±0時間)
  
10/20-22 GPS開幕              露・モスクワ                               羽生結弦(+7時間)
 
WS SP滑走順↓ ポイント  ↑GPS 2戦目で上積みの可能性あり  CS金(+300P) GPS金(+400P)
   GPS 支那                    GPS フランス
118.Ziquan ZHAO         313     104.Polina EDMUNDS      369
 76.Xiangning LI          561     38.Alina ZAGITOVA★     1100(+700)
 38.Alina ZAGITOVA★    1100(+300) 32.Mae Berenice MEITE   1208↑
 26.李子君            1371     28.白岩優奈            1341
 21.本田真凜           1624↑   26.李子君            1371↑ 
 18.Dabin CHOI         1874    19.Laurine LECAVELIER    1848↑

 17.樋口新葉          1891↑   16.Gracie GOLD         1892↑ 
 16.Gracie GOLD        1892     15.Elizaveta Tuktamysheva  2011↑
 15.Elizaveta Tuktamysheva 2011    13.三原舞依            2072↑
 13.三原舞依          2072    11.Elizabet TURSYNBAEVA   2368↑
 12.Elena RADIONOVA     2135↑   5.Maria SOTSKOVA       2718↑
  7.Gabrielle DALEMAN    2662    3.Kaetlyn OSMOND       3045↑

 CS一戦とGPS(支那)に勝利しても、GPS(フランス)でSP後半組に入ることは不可能です。
Alina Zagitova選手にとってCSに何戦出るかよりも、初戦のGPS(支那)の勝利が今季一番重要になるでしょう。


 最後に。Gracie Goldに触れないわけにはいけないですね。
彼女のコンディションは、米国内のアイスショーで撮影された画像や動画などでご存じの方も多いと思いますが、非常にショッキングな信じられないような状態でした。
女子のフィギュアスケート選手が一度、軌道から外れると元に戻るのは極めて難しい。
仮に元の体型に戻ったとしても、競争力のあるコンディションに戻るのは至難の業だと思われます。
 また、過去、3年連続で出場していたAshley Wagnerが出場せず、彼女が出場する事は米国の層の薄さが窺えます。
既にロシアは五輪・団体戦のライバルは米国ではなく、カナダという認識ですね。


 羽生選手は、過去の履歴や日程の関係でJapan Openには出場しないと思われますが、今年は例年以上に注目の大会となります。 
昨季、日本メディアは気持ちが悪いくらい、羽生 vs 宇野の対決を煽っていましたが、
ロシアメディアは馬鹿ではないので、今季、Medvedeva vs Zagitovaの対決を煽るような、不必要なことはしないと思われます。(Japan Openはショー、エキシビジョン扱い)
 違う視点では、2人が同じ大会に出場する際、何人コーチが帯同するのか、誰がコーチとして付き添うのか、同じ練習組でどのようなコーチングをするのか、にも注目です。
(敬称略)