二足歩行も板につき
りんごの皮を剥くことも
張り子の虎と馬を
握りつぶす握力も身に付いた頃
虎の毛並を転写し
馬のたてがみを移植して
虎馬の化身となり
書き割りの背景をなぎ倒し
ハリボテの人物たちの喉笛を掻き切り血糊を浴び
フィクションの瓦礫のなかで虎馬は
四つ足で駆け回る
二足歩行も言葉も忘れ
りんごを丸ごと噛み砕き
最後尾の客席のはるか彼方に届く声量で
脈打つ喉からうねる産声を
上げた
りんごの皮を剥くことも
張り子の虎と馬を
握りつぶす握力も身に付いた頃
虎の毛並を転写し
馬のたてがみを移植して
虎馬の化身となり
書き割りの背景をなぎ倒し
ハリボテの人物たちの喉笛を掻き切り血糊を浴び
フィクションの瓦礫のなかで虎馬は
四つ足で駆け回る
二足歩行も言葉も忘れ
りんごを丸ごと噛み砕き
最後尾の客席のはるか彼方に届く声量で
脈打つ喉からうねる産声を
上げた