大空を見上げて

日頃感じていること

私の玉子焼き

2008-08-20 | Weblog
 幼い時 外地から引き上げた父は鐘紡に勤務していてその社宅に住んでいた。
社宅にはそれぞれの家に少し庭があった。
父は小さな畑を作り自分達が食べるだけの野菜(トマト、キュウリ、ナス、さつま芋)など作っていた。
他に鶏3羽、うさぎを飼っていた。「しろ」と言う名前の犬もいた。
朝起きてにわとりのたまごを取ってくるのが私の日課だった。
家族は父、姉、私と三人で父はよく私達に玉子焼きを作ってくれた。
父の玉子焼きはいろいろな物が入って、ふつうの黄色の色でなく黒色だった。
幼い時私も父から教わり何度か作った覚えがある。
現在 私は料理はご飯を炊くか生野菜を洗う位で何一つ出来ない。
以前、妻が風邪で熱を出し寝込んだ時、私は氷枕を取替えたりヨーグルトを買って来たりして一生懸命看病した。
妻がお腹がすいたと言ったので、私はただ一つ幼い時に作った得意の玉子焼きを作る事にした。
気合を入れて台所に立った。丼に卵を割って四つ入れ、砂糖と醤油で味をつけ冷蔵庫にあったしらすや鰹節など入れて、フライパンで焼いた。
私としては最高にうまくいった。あと残ったご飯にお湯を入れおかゆも作った。
出来たよと言いながら寝床に持っていった。妻は「ありがとう」と言いながらジーッと卵焼きを見ている。
そして何故黒いのか私に聞いた。醤油で味を付けたからと言ったら「ふぅーん」と言いながら少しずつ食べ始めた小さな声で美味しいと言った。
その後、妻が身体が不調の時「よし玉子焼きを作ってあげる!」と言うといいと断られる。その後一度も作った事はない。なぜだろう!
      
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 三日坊主返上! | トップ | 日本人の美徳 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿