大空を見上げて

日頃感じていること

(続)北海道の大空に花が咲く

2010-07-01 | Weblog
 いつの時代にも猛者がいる。
一番機に乗っていた大隊長、林三佐(少佐)が、降下中止の連絡を無視して「何だ、こんな風、俺について来い!」と真っ先に飛び出し、続いて隊員は次々と降下したとの事。
林大隊長は日本の空挺レンジャー及びアメリカへ留学、テキサスレンジャー(特殊部隊グリーンベレー)を主席で修了した強者である。
一番機に続き各中隊長もこれに続き指示し各機降下長が全員降下させた。
降下した隊員の1600名の内、重症の骨折は数名、軽症が30数名だった。
林大隊長は長身でスラリとした筋肉質の体格に細表の精悍な顔立ち鋭い眼光にハナヒゲと日本古来の武士の風格があった。
その後この7師団との対抗演習は2週間続き、山中を昼夜移動していろいろな場所で戦闘行為をした。
この戦闘で記憶に残っている思い出がある。
私は群3中隊第5分隊に所属していた。坪井中隊長より敵の装甲車を確保せよ、と命令を受けた。
我が第5分隊、谷口分隊長以下9名は真夜中出発、山を下り夜明け前3時敵の野営地発見、その時、弓野隊員から小声で、敵斥候発見と連絡で全員地面に伏せ第4歩伏前進。
しかし谷口分隊長だけ(射撃特級の名手だが耳が遠い)は気がつかず、中腰でドンドン前進50m先で何とか敵に見つからず、私達に指示した時周りには誰もいなく、分隊員は手前で角度を変えて次の戦闘隊形で北畠副分隊長命令で奇襲敵装甲車を分捕り確保した。
谷口分隊長は暗闇の為はぐれ奇襲後に合流した。
後で谷口分隊長が分隊員に誤りながらお互いに皆で大笑いした事を今でも思い出す。
北海道の山中の真夜中の気温は10月でもー5度以下にもなり、灯り等は敵に見つかるので火をおこし身体を温める事もできず、各人ポンチョ(携帯雨具)をかぶり携帯燃料で隠しながら凍えた手をこすり寒さとの戦いでもあった。
厳しい苦しい演習も無事終了、帰りはとても楽しく駅弁やお酒等自由で、札幌~函館~連絡船~東北本線で上野へ11月4日習志野に帰隊した。
一ヶ月後、林大隊長は責任をとって九州の対馬へ警備隊長として転属させられたが、数年後に又習志野第一空挺団に帰って来たと聞いている。
いま考えても私の青春の一齣で懐かしく思い出される。

*近い内又妻と北海道旅行をしたいと思っている。

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北海道の空に花が咲く

2010-07-01 | Weblog


 私達夫婦は旅行が好きで今迄に海外、国内といろいろと懐かしい思い出がある。
特に国内では北海道が素晴らしく、雄大な景色と食事が印象にあり夫婦で3回位行った。

北海道は私の人生の中で忘れられない思い出がある。
初めて北海道に行ったのは20歳になった秋であった。
この時、私はまだ落下傘降下回数10回目位の空挺隊員で、地上共通訓練(空挺壮烈戦闘訓練)3ヶ月を修了したばかりの新米隊員だった。
この年の秋、今迄にない対抗大演習が北海道であると聞いていた。
それを想定しての訓練が昼夜を問わず厳しく続いていた。
第一空挺団は団上げての(1600名)参加との事。
北海道へ向かう為千葉木更津航空隊に集結し現地の説明を聞いた。
私は銃はBAR(弾奏20連発)と背嚢、食料、拳銃など完全武装でC-46の三番機に乗り込んだ。
現地の情況説明は、北海道の北の守りの精鋭機構化部隊第7師団(戦車150台、装甲車270台、隊員4500名)が恵庭に集結し我々を待ち構えているとの事。
正午、北海道南恵庭上空に着いた機内より下を見ると、広々とした雄大な景色で初めて見る北海道に感動しつつ、降下長の声「立て、幹を掛け、装具点検、」「いくぞ!おぅ!」と位置についた。
正面の赤ランプが青になったら30人連続降下である。
その時地上との連絡で降下中止の無線が入り降下長の「待て」との声。
どうやら地上は風速12~13mらしい。
しかし中止を無視して1番機は降下、空中に落下傘の花が見えた。
続いて2番機も降下、私達3番機も赤ランプのまま降下を開始した。
我が傘も無事に開き、地上を見ると遥か向こうに草むらより戦車、装甲車が横隊で数え何百台とこちらに来ているのが見えた。
延べ輸送機50機から全員降下したらしく、空中は花だらけである。
風にあおられ傘操縦してもかなり流される。
西の方に地元の市長や関係者及び一般の観客及び観光バス何十台、TV局等がいたが私はその前まで流された。
私は着地したが、風の為傘が空中高く舞い上げられ、何度か着地を繰り返したが今度は地上を何百メートルも引きずられた。
やっと回り込み傘をつぶしたが、草のカヤで顔が傷だらけでその様子をTV局に撮られた。
後で聞いたがニュースで放映されたとの事。
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