大空を見上げて

日頃感じていること

君子危うきに近寄らず

2009-10-29 | Weblog
 先日、仕事で東京都内を運転中後方から異常な速度で車が接近してきた。
道路が狭いので追い越し出来なくてしばらく私の車の後を追従していたが、無理して追い越しをかけて来た。
私は危険を感じ「ムカッ」としたが次の路地で仕方なく左に寄せ停止して進路を譲った。
睨み付けると側方を「バカヤロウ!」と怒鳴りながら猛スピードで走り去った。
それから同じ道をしばらく走行していると事故現場に出くわした。
よく見ると先程の暴走車で相手はワゴン車で両方共に大破ある。
私は一歩間違えれば事故に巻き込まれたかも知れないと思い「危なかった!」と胸を撫でおろした。

幼い頃、亡き父に聞かされた話を思い出した。前にも書いたかも知れないが、

昔、剣術の道場の先生が弟子を後継者にするため同じ実力を持つ三人の中で誰を選ぶか考えていた。
先生は部屋の入り口に仕掛けを作り一人ずつ順番に呼んだ。
最初に呼んだ弟子は戸を開けると同時に落ちてきた扇子を見事な居合いで切り落とした。
二番目も同じように上下二段に見事切り落とした。
三番目の弟子は反対側の襖を開けて何事もないように涼しい顔で入ってきた。

先生はこの三番目の弟子を道場の後継者と決めた。
この三番目の弟子こそ有名な千葉周作で後に北辰一刀流を開祖、その後水戸から江戸神田に移り「玄武館」創設した。門弟に勝海舟や坂本竜馬もいたとの事。
後に徳川家の総指南役として歴史的にも名を残している。

父は言った「君子危うきに近寄らず」本当に強い者、賢い者は危険を察した時は自分からは近づかないとの事。
長い人生、いろいろな事があり危険な事もあったが父の言葉をそのつど思い出して
今も元気でいられる事に感謝している。
  
                 (写真:千葉周作の墓)
コメント (2)
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