「おかわり」11話

2011-12-20 21:03:31 | みなみけ おかわり
11杯目「さすがにヤバくなってきました」

藤岡のどこが好きなのかとリコにたずねて、メガネをつかまれるケイコ。何か想い出を語ろうとするリコ。
ここまでは78話の通りだが、そこに掃除当番を忘れていたカナが来て、風邪を引いたと言ってどこかへ去る。リコの話はこれだけで終わり
南家ではトウマがエラシコの話をしている。見舞いに来た藤岡に、治ったとごまかしながら藤岡を上がらせてから気付くが、トウマが女子の制服だった。藤岡に見られて風呂場で落ち込むトウマを原作通り着替えさせて、藤岡は半裸にされる。ここは92話の一部改変抜粋版。

明日は町内清掃の日だと聞いて、再びカナが風邪モードになった。ここからは93話のアレンジ。
翌朝も寝込んでいたがチアキに仮病と見抜かれてふじおかを投げつけられる。

続く日曜日(町内清掃は隔週土曜日。その設定は覚えてた)。本当に風邪を引いたカナ、昼から春物の服を買いにでかけて、夜は焼肉のカルビ食べ放題の予定なのだが、宿題があるからと言って、ハルカとチアキだけ買い物に行かせる。
街を歩いているハルカたちの前からフユキが出てきて、自分もチアキと同じ運動会の実行委員であると、次の話のための伏線だけ張ってさっさと立ち去っていく。
その頃、南家に遊びに来た内田「コタツの中にクワガタがいる!」と原作のシーン。マコちゃんに薬を持ってこさせて、ハルカたちがいつ帰ってくるかわからないから普段どおりにしてないと、と無理してコタツに座っている。
風邪ひいたこと悟ったチアキによしよしされながら鼻水垂らして終わり。

ここでアイキャッチ。『おかわり』最後の短編パート。
急に千秋のもとにやってきたカナ、藤岡と決着をつけると言い出した。「いきさつはよくわからないけど」と言うチアキ、……本当によくわからないんだが。
だいたい原作64話と同じに、哀れに思われた藤岡に対して最終奥義のバックドロップを放って、「本当にやったのかよ」で終わる話。

11話も10話に続いて原作の使い方が不自然極まる。
冒頭からして、78話のリコや藤岡やカナの過去話をスルーしたが、このエピソードはスルーしていい話じゃない。というか、この程度の導入なら原作使う必要ないだろ。原作のおいしい部分だけをカットしてどうすんだ。
カナが風邪を引く話がメインなので、トウマと藤岡の出てくる92話を挟むのも無理がある。この話、カナの風邪と関係ないし、風邪を引いてるという設定のカナが藤岡を招き入れたうえ半裸にする、いくらなんでもカナが元気すぎて不自然じゃないか。
いやさどうしても挟むのであれば原作から変えなくてもいいじゃんか。制服のトウマが遠慮なく上がりこんでくる話から成立している話なのに、藤岡を間違って上げてしまう話じゃ状況が違いすぎて話も使えなくなるし、リコも出てこない。この1話だけでリコの出番を2本もカットして、何かリコに恨みでもあるのか?
最後の短編部分、やった部分に関してはほとんど原作通りなのだが、原作の前半部分が丸ごとなくなっている。「おかわり」に何故か出てこないアキラが絡むので豪快にカットしてしまったのだろうか。それにしてもいきなり「チアキ様!」と駆け込んでくるカナは唐突過ぎる。これではストーリーが成立してない。「いきさつはよくわからないけど」って言わせて本当にわからないなんて前代未聞じゃないか。

どうも後半の『おかわり』は「貴重な原作を消費した」というふうに受け止めるむきもあるというか、俺にもそうとしか思えぬ。
9話も10話もそうだが、合わない原作を無理に切り貼りして使ってる。どうしてこうも原作のツギハギで一本の話にしようとしたのか?
こうして時には豪快に原作を投げ捨てるぶった切り方にも関わらず、原作のあるパートでは原作がセリフ単位で残っている。このやり方に「ブロックビルド方式」という語が浮かんだ。
思えば8話で隣町まで2時間かかった件もそうであって、原作を切り取るのは平気なのに、ちょっとのアレンジができていない。
このあたりで中途半端にアニメ化された部分は続編『おかえり』でアニメ化することもできず、後から見直して「これアニメでやったっけ?」状態になってる。

アニメが原作の全ての話をアニメ化する必要は無い。アニメが原作を改変していけないわけもない。
だがこれは…半端にアニメ化して後のアニメ化を封じるのは悪手だ。ただでさえスローペースで常に枯渇している原作をこんなふうにアニメ化してしまっては後が続かない。

もしかしたらこの番組、急な路線変更などがあって、脚本の調整が間に合わないような状態になっていたのだろうか。具体的には短編パートの入る9話から。
この推測を裏付ける証拠は無いが、そういうことがあったとでも考えないと10話と11話は見てられない。

「おかわり」10話

2011-12-20 19:40:07 | みなみけ おかわり
10杯目「花より団子のお年頃」
ひどい回。
76話と69話をよけいなアレンジして混合して途中で分解する話。

最初76話の流れで、買い物帰りから南家に来て、雑談を始めるカナとマキとアツコ。
そこで窓の外から黒猫がやってきた。この猫をアツコと呼ぶチアキ。ここが69話。
で、76話のツッコミの練習に戻りつつ、「南さんちのチアキちゃんはどんな教育を~」と31話のセリフを入れる。
ハルカの買い物が焼き魚だったというマキと、焼肉が食べたいと騒ぐカナ、エア焼肉を始めると、ハラミを花見を聞き間違えたチアキがアツコにツッコミを入れられる。かなり原作通りだが、つぼみの状態だけど花見をしにいこうという話になる。
夕食は焼き魚ではなくカレーだった。その件には特にツッコミなく、フユキを呼ぼうと言ってる。

メンバー集まる。場所取りに向かう藤岡、マコちゃん、トウマ、フユキ。
買い物に向かうカナ、内田、吉野、チアキ。
そして南家で準備をしているハルカたち高校生。だが情報を聞きつけた速水が南家に怪しいジュース持ってきて全員酔っ払ってしまう。

様子を見に来て、すごい顔で驚くカナ。つぶれているハルカたちを見て、おみやげのジュースをもらって一人で逃げてきた。
遊んでいる小学生たちに「ハルカは手遅れだった」と説明して、チアキが確かめに行こうとするので止めないで行かせて、吉野にジュースを渡した。
で家に戻ったチアキが速水にジュース飲まされるのを、家に戻って見届けるカナ。カナの行動がおかしい。
全員飲んでおかしくなる。
どう収拾つけるんだと思ったらアイキャッチで強制終了して短編モードに。雨の日にカナとカップラーメンを取り合う話で『おかわり』完全オリジナル。

この10話は様子がおかしい。オチの不自然さというか、この話そのものがグラグラしている。
花見を実際にやる話にアレンジするのはいいが、それをチアキに昼間から盛る31話と混ぜた、のか?
あるいは登場人物を酔わせてみたかった?
この10話、おかしなことが他にもある。焼き魚だと言ってるのに直後にカレーが出てきた件もそうだし、後半藤岡がいきなり一人で歩いてて、保坂が急に出てくるのに前半に伏線が張られていないとか、話がつながってない。
カナが南家→会場→南家と二度にわたって移動するのも不可解。登場人物の行動に一貫性が無くて、酔っ払っているようだ。
ラーメン取り合うオリジナル話は一見いい話だが、うまく成立していない。チアキは家にストックがあるのに自分の小遣いでラーメンを買ってきたことになってしまう。……いろいろ仮説を立てればこの状況に説明はつくのかもしれないが、言葉で説明してほしいですな。この姉妹の夕食はハルカが用意してるわけだし、夕飯にカップラーメンを食べる機会も滅多に無いはずなのだ。

69話部分の内容だが、トウマを中心にやりとりがあった原作と全然違って「猫をアツコと呼ぶ」という部分だけが取り出されて使用されているが、何でそう呼ぶようになったのかが説明無い(このアニメでは最初からアツコと名づけてる? それならそれも説明すべきだろう)
原作のシチュエーションだけを利用して、おいしい部分だけを取り除いている。普通逆じゃね?
どうせこんなアニメ見る人は原作読んでるから大丈夫なのか?

この回は出番あったフユキだが、この回だけ、ごく普通な登場をしている。花見に呼ばれるくだりはどうしようかと思うが、6話みたいに不自然な出番があるわけでもなければ存在感が無いわけでもなくて、フユキが普通のキャラみたいに藤岡やマコトと話している唯一の回。
このように「特に活躍しないオリジナルキャラ」が何のためにいるのかなどわからないが、フユキの姿として、これが比較的幸せだったのではないだろうか。
なおフユキは12話でトウマと同じクラスであることが明らかになるが、藤岡がトウマを男と見なしていることに特にツッコミを入れない。
オリジナルも含めてキャラの設定を把握しきれてないんじゃないかなあという疑惑が深まる…

最後に。原作76話では南家は2階にあるのだが、このアニメでは4階だと明言される。演出か何かの都合で4階に設定したんだと思うが、2階にあるのを忘れてたんじゃなかろうか。4階のベランダまで上がってくる猫かー