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バンクーバーオリンピック開催

2010年02月13日 13時10分46秒 | 思想信条
バンクーバー五輪開幕=日本選手団、岡崎先頭に行進〔五輪・開会式〕
環境保護、先住民との融和をテーマにした。バンクーバーオリンピックが始まった。

カナダでは先住民が協力的に受け容れてくれなかったら、オリンピックを開けないのだからという趣旨で、準備段階から先住民に深く関わってもらってきたということだった。

「先住民、インディアンの事を、今はファーストネーチャーと言います。」とテレビの解説者は言っていた。
ファーストネーチャーと言ったって、一辺に移住して来た人たちではなく、
何段階にも何十段階にも分かれての、旧大陸からの移住であったはずである。
日本列島に、北から南からそして西から来た人々が集まって、国を形成してきたように、
近世のヨーロッパ人がやってくる前のカナダ地域でも、
いろんな人々が、それぞれの地にそれぞれの国を形成していたのではないだろうか?
種族代表と呼ばれる人たちが出ていたけれど、
種族とは何ぞや?という気がしてきた。

ヨーロッパと言う狭い地域でも、あれだけ沢山の国々が有ると言うのはどうしてなのだろうか?
人々が種族単位で独立したいからなのではないのだろうか?
大きな権力で無理やりヨーロッパを一つの国としてまとめ、それぞれの国民を先住民として統治する新しい権力体が現れ、有無を言わさず統一してしまったら、ヨーロッパ人はどう思うだろう?
そして何かのイベントで、敬意を表した振りをして、
種族代表として式典に出してもらうような事があったとしたら、
ベルギーやオランダ、リヒテンシュタイン、モナコ、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアその他諸々の国々が、種族代表として紹介されるのである。

そんな事を想像する時、カナダの先住民の種族代表の先祖達は、草葉の陰でどんな気がしているだろう?と、その悲しみを想像してしまうのだった。

彼らにとっては、それぞれの種族が、祖国そのものであったはずである。
それを十把一絡げに、ファーストネーチャーと言われたって、
「俺のところが一番に来たんだぜ」と本音で言えば、部族間で喧嘩したいところかも知れない。
しかし占領されてしまった弱者の国々は、
敬意を表してくれる征服者のお情けに、涙して喜ぶしかないののだし・・・・・


ヨーロッパから来た人たちは、勝手にカナダ地域を一つの国としてまとめて、
元から有ったそれぞれの国々は、国では無かったことにして、種族と決め付けている。

尤も、人間がやってくる前のカナダは、動物達の天下であったはずである。
その動物達を退治して、人間の天下にしたのだから、
強い人間社会が、弱い人間社会を蹂躙するのも、
自然界のおきての繰り返しのひとつなのかもしれない。
そして今ヨーロッパ人種が、世界中に君臨しており、
その価値観の下、世界中の正義が論われている・・・・・

正義って何?
自分達の勢力を維持する為に、邪魔をするものが不正義で、守るものが正義。

私達は現在の覇者の正義に従うのが良い事で、それに逆らうのは悪い事。
と言うことなのだろうか?

私達は今ある秩序の下で生きていくしか、どうしようもない者なのだから、
今の秩序を維持しようとするのは、そう間違った事ではないのかもしれない。
でも其処に、お釈迦様の言われた、「惻隠の情」は絶対に必要だと思う。
「可愛そうな、そんな可愛そうな事をするもんじゃない」という気持ちを失ったら、
この世は地獄のようになってしまうだろう。

資本主義と言うのは、自由競争を基本としているから、
「惻隠の情などと中途半端なことを言っていたら負けてしまうぞ」とばかりに、
情け容赦の無い社会になってしまうという要素を、本質において持っているのではないだろうか?
禿たかファンドの跋扈から、金融破綻の21世紀、
軍事産業の営業目的と思われる、長期にわたる残虐な戦争。
資本主義はもう、修正せねばならない瀬戸際まで行き着いてしまった。と言うことなのではないだろうか。

平和の祭典のオリンピックの開会式を見ながら、私はあらぬことを連想してしまったのだった。

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17 コメント

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頭がおかしいのはブラックリスト(笑) (kaetzchen)
2010-02-14 07:32:56
それはさておき,First Nature の問題は,史学よりも Cultural Anthropology とか Social Anthropology の問題になると思いますよ.前者は米国圏で,後者は英国圏で盛んですけど (私は豪州に留学したので後者の影響を強く受けていて,人類学者の知り合いが多い.もともと生物学の分野にも「自然人類学」というのがありますが).

>種族とは何ぞや?という気がしてきた

人類学の定義で言うと「同じ言語を話し,同じ世界観(宗教)を共有する人類のあつまり」ということになるんでしょうね.「日本人」だって基本的には国家神道という「宗教」を信じて,「たたり」や「幽霊」を信じて,一見して仏教徒に見えながらもそれは表向きだけで,実際には「神社」の強い影響力に年中行事を支配されている民族だと言うことができます.

結局,Native Americans だって,言語が違えば意思疎通ができないから内戦だってやらかす訳だし,それを上手に利用した白人の移民もずるがしこいと言えばそれまでです.

>情け容赦の無い社会になってしまうという要素を、本質において持っているのではないだろうか?

それはマルクスやエンゲルスの書物にある通りでしょう.旧ソ連だった頃のグルジアはスターリンやシェワルナゼのようにモスクワへ留学すれば出世への道が開かれていた.しかし,ゴルビーとシェワルナゼがケンカしてシェワルナゼがロシア排斥運動を始めた時から,グルジアはたちまち資本主義の毒牙にかかって,ますます貧しい辺境の国へ落ち延びてしまった.さらに偏狭な民族主義がそれを後押ししたという事が今回のオリンピックでの事故にも絡んでいる,つまり橇のブレーキの性能とも絡んでいたてなことを技術屋としては考えるのですけど.
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人種についてと情け容赦の無い世界。 (ejnews)
2010-02-14 11:42:26
私の聞いた範囲では人種は存在しないそうです。一寸毛の色が違っているだけでどの人種間で結婚しても別に変な子供が生まれるわけでもなく人種として特に呼ぶほどのものではないようです。文化が混じるとヤヤコシイ話になりますね。
 兎に角、何が人種かはともあれ、問題は人間は勝手な物で武力的に強い人間集団は弱い集団を常に圧制してしまうのです。日本でも沖縄やアイヌ人への差別や彼等の居住地域への侵略は最近の歴史的事実ですね。
 人間は世界中で疎の様にしてきたようですから、問題は此れから疎の様な少数民族差別や軍事侵略は絶対にしない様にする事が進化する人類の義務なのでしょうね。
 右翼や保守と自負している人々は進化を放棄した人々で、野蛮な特定の彼等が理想としている時代に(どの時代を彼等が理想としているのかサッパリ理解出来ないのですが、アメリカではレーガン時代とかアイゼンハウアーとか其れより前の黒人が米社会に参加できない頃とかのようです)戻ろうとしている人々で、其れを考えると、現在まで劣っていると白人社会から差別されてきた少数民族の文化がやっと特に欧米の若者達によってカッコイイとかクールだとか欧米資本主義圏以外の文化が若しかするとより人間的文化なのではないかと思われる様になって、疎の様な欧米の若者の精神的成長がオリンピック等にも影響を及ぼしていると考えると人間社会は少しは進歩したのかな?とも考えています。
 19世紀、欧米諸国が世界中を植民地化し彼等の文明が最も進歩した文明だと自負していた時代に日本文明に遭遇した特にフランス人たちは洗練された日本文化に驚き、フランスの特に芸術面で日本芸術に影響を受けたアールヌーヴォーや後期印象派等として文明的に劣っている筈の黄色人種の文化的感受性を取り入れたのは有名な話ですが、疎の様にして少しずつ世界はある面で進化して行くのではないでしょうか?

 処で“情け容赦の無い世界観”は既に理論として実験されていて“ネオリベラル資本主義”とか“自由市場経済主義”とか呼ばれ金儲けの出来ない無い商売、企業、病院、学校、何百年も続く伝統技術や文化等、人間の全ての行為は存在価値の無いと言う思想です。此の思想ではどんなに文化的、精神的に人類に貢献している人間の行いも無意味とされ存在の理由が無いのだそうです。歴史的にはニクソン時代南米チリの進歩的大統領アイェンデを陸軍軍人ピノチェが軍事クーデターで倒し(米中央情報局と連携し)ピノチェが独裁者に君臨した後ニクソンのネオリベラリズムで有名な経済顧問ミルトンフリードマンのシカゴ大学の教え子達が(シカゴボーイズと呼ばれています)チリで此のネオリベラル経済主義とか自由市場資本主義を実施全てを民営化したのです。結果は完全な経済破綻となり猛烈なインフレを引き起こしたと言う歴史が有ります。アルゼンチンも80年代に同じ自由市場経済資本主義が軍事独裁政権によって実施され経済破綻が起こりイギリスはサッチャー女史によって同様の事が起こったのですがアルゼンチンの軍事独裁政権がヤケッパチになりフォークランド諸島を攻撃しアルゼンチンに軍事的勝利を収めた英サッチャー政権は民営化、組合運動規制による経済破綻の責任を辛うじて免れたと言う事でした。アメリカでもレーガン時代全く同じ事が起こり米政府は歴史的な赤字に陥りクリントン時代まで経済が混乱したのです。私の住んでいるカリフォルニアでは精神異常者を治療する医療機関が自由市場経済主義では採算が取れないと言う理由で閉鎖され、精神異常の入院患者がホームレスとなってしまいました。と言う事でカリフォルニアの多くのホームレスは他の先進諸国なら種々の医療機関によって保護される筈の精神病患者が多いのだそうです。
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オリンピックとは外れますが (kaetzchen)
2010-02-14 14:03:52
>ejnews さん,こんにちは.すごい量のコメントですね.(^_^;)

| 私の聞いた範囲では人種は存在しないそうです。一寸毛の色が違っているだけでどの人種間で結婚しても別に変な子供が生まれるわけでもなく

それは米国の一部の反差別運動の一種のイデオロギーですよ(笑) 福音教会系のアンチ進化論派の生物学者が言い出した説で,要するにイエスさまはアラブ系の「人種」でなく,あくまで神話的「白人系の人種」だと思い込みたい人たちがそんなことを言ってるだけの話です.クリスチャンにはこういうおかしな思いこみをする人が多くて困ってます (私もクリスチャンだから他人のことは言えない).

イスラエルで生まれたイスラエル民族なんだから,イエスさまがアラブ系の黄色人種でない方がおかしい.逆に言うと,イスラエル民族が世界中に散って,様々な「人種」へと変わったから,全ての「人種」は共通なんだという,哲学の基本である「演繹法」deduction と「帰納法」induction とを混同した議論がこれなんですよ.

例えば「演繹法」の基本は「前提が正しければ絶対に結論も正しいという推論」となります.どこかで脅迫するようなコメントを書いてる人がこれにあたります(笑)
「アメリカ人はみな牛肉を食べる」「ジェームズ君はアメリカ人である」「従ってジェームズ君は牛肉を食べる」という三段論法です.でも,この結論は果たして正しいと言えるでしょうか.哲学の論理学ではこういうのを「帰納的な推論」(高校の数学で習う数学的帰納法というウソデタラメ) と言います.


| 文化が混じるとヤヤコシイ話になりますね。

だから,アメリカでは文化人類学が非常に発達したんですよ.多くの動物学者,特にサル学の学者たちが人類学へ転向して行ったのです.分子生物学の限界を知ったからです.いくら物理や化学の方法論を使っても生物の本質が掴めないということに気付いたから.私も数学を使って Ph.D を書いて,そのことに気付き,分子生物学を一通り修め,帰国してから科学史や哲学の先生に教えを乞いましたが,あいにく若死にされました.

文化という言葉は非常にあいまいなんですけど,あくまで生物学的・人類学的に定義すれば mother tongue のことで「母語」になります.これを「母国語」というふうに,国家に属する言語と解釈し出すと,軍事力や警察力を伴う面倒なことになります.


|  右翼や保守と自負している人々は進化を放棄した人々

進化が必ずしも良いとは限りませんよ.言ってみれば「多様化」が種の絶滅を防ぐための方法論じゃないかなと生物屋は考えます.結局,右翼とか保守の連中が「ちょっと違う連中」を受け入れた時に「多様化」=生き残りが可能となるのだと思います.これは過疎と隣り合わせの土地に住んでいて,つくづく思わされます.例えば神社が主催する祭りでも「昔ながらの伝統にしがみつく」所は門前町がどんどん寂れて行っています.反対に秋田のなまはげのように,若い人がいなくなって,高校生まで動員されている所などは,単純に村人を脅かすよりも「草食系」になって(笑),子供に「ゲームばかりするな」とか「宿題はやってるか」と声を掛けるように変化してきています.もっとも,以前酒を飲み過ぎた奴が調子に乗って女湯に忍び込んだせいもあるのですけど.

長くなったので続きます.
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長くなってすみません (kaetzchen)
2010-02-14 14:04:28
>ejnews さん 続きです.

| 此の思想ではどんなに文化的、精神的に人類に貢献している人間の行いも無意味とされ存在の理由が無いのだそうです。

これは実は,旧ソ連が理想としていた「文化的・精神的に人類に貢献している人間の行い」を全否定する「キチガイ的反共主義」に過ぎません(笑) 小4の時に重傷を負って半年ほど入院した時,土日に遊びに来てくれた横浜国大学芸学部の「児童文化研究会」の学生たちが演じてくれた人形劇のほとんどがソ連の演劇のコピーでした.私自身,ロシア語を伯父から習って齧り出したのは病院の院内学級の影響で,ソ連の歌謡曲にしても民謡にしても演劇にしても,とても奥が深いんです (テクノ・ポップも東西ドイツとほぼ同時にラトビアで起こりました).後にモスクワ科学アカデミーのトポローフという哲学者の書いた人類学の本に出会って,その記号論的・演劇論的・美学的な世界に魅了されました.教養時代には洋書屋になかったトポローフの本を港区狸穴のソ連大使館に注文しに行ったら,何とタダでくれたのに驚きました.文化的宣伝とはいえ,そんなことしてるから国が潰れるんだなと思ったり.


| チリで此のネオリベラル経済主義とか自由市場資本主義を実施全てを民営化
| アルゼンチンも80年代に同じ自由市場経済資本主義が軍事独裁政権に

その結果,カトリックのバチカンが介入して,共産ゲリラが教会を拠点とすることを許し,「解放の神学」と呼ばれるカトリックと共産主義の融合が成立しましたね.福音書や使徒言行録 (Acts) にあるように,イエスさまが人民裁判にかけられるまでの間は,ほぼ原始共産制コロニーを作っていたようですから,バチカンも妥協せざるを得なかったという訳ですね(笑) それを考えると,ラテン語の秀才でローマ帝国の官僚としてイスラエル総督となった Pontius Pilate がイエスさまに対して無罪判決を下しても,原理主義に陥った民衆が人民裁判を要求し,Pilate が官邸へ逃げ去った悲しさは,これらの「新・自由主義」と呼ばれる剥き出しの資本主義の恐ろしさとそのまま繋がります.


| 精神異常の入院患者がホームレスとなってしまいました。と言う事でカリフォルニアの多くのホームレスは他の先進諸国なら種々の医療機関によって保護される筈の精神病患者が多いのだそうです。

しかも,この閉鎖病棟に住んでいた患者たちのかなりが,ベトナム戦争などで恐怖体験から精神異常を起こした団塊世代で,介護も必要とする人たちですから,やりきれませんよ.
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コメント有難うございます (和久希世)
2010-02-14 14:34:38
ejnews様 kaetoztchen様
色々と興味深い話を、有難うございました。
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和久希世 さま (kaetzchen)
2010-02-14 15:13:56
こちらこそ,長々と書いてすみませんでした.

# トラックバックしたブログは極めて手抜きです.教会から帰って疲れたので.
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人種 (ejnews)
2010-02-14 16:15:00
(kaetzchenさん
人種と言うと結局アメリカでは人間のDNAの差を示しているように感じます。
文化はある特定の地域で生まれたもので、ある特定の人種が特定の文化を創ったのですが其の特定の文化を創った人種が徐々に他の人種にとって代わられると言う事も過去には有った様で人種に関係なく引き継がれる物とアメリカでは考えられているようです。
実際欧米の文化は古代ローマの文化を今でも引き摺っていて、アメリカのポピュラー音楽はジャズ、ロック、ブルース等黒人の文化を白人が真似た物でこの様な事を考えるとオリンピックでカナダの原住民が駆り出されたのもカナダでも原住民の文化はクールだと言う事になってきている証拠ではないか(そう言えば米原住民がモデルになっているアヴァターもヒット映画になりましたね)と言え良い事ではないのか思ったのです。
処で私の言う進化とは変化と同意義の時も有りますが精神的な事については昇華していく様な変化と言う意味で使っています。
自由市場経済資本主義とかネオリベラル経済主義は右翼政治運動のネオコンの経済思想ですがネオコンの思想家達は若い時にマルキシストだった事のあるニューヨークのユダヤ系アメリカ人が多いのは面白いですよね。
マルキシストのゲリラは“圧政のある所には抵抗が生まれる”と言う(誰が言いましたっけ?毛沢東?)現象なのでしょうね。
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科学哲学の話で恐縮ですが (kaetzchen)
2010-02-14 17:36:19
ejnews さん,コメントをども.イヤホンの中では Andy Williams の "My family Ajinomoto" やら Julie Andrews & Andy Williams "Language of love" が鳴っていたりします.< 年齢が分かるな

| 人種と言うと結局アメリカでは人間のDNAの差を示しているように感じます。

中学時代から読んでいる "Scientific American" (和訳は「日経サイエンス」だけどひどい内容) という科学啓蒙雑誌がありますけど,なぜかあの雑誌はアメリカ人をそのように「洗脳する」感じがしますね(笑) 博士課程3年の予備校教員をしてた時に「科学英語」と称してこの雑誌を OCR にかけて生徒に読ませて些か違和感を感じたのは事実です.(CNN も見せたけど)

中学時代に読んだ James D.Watson の "Molecular Biology of the Gene" だとか,"Recombinant DNA - Genes and Genomes - A Short Course" なんて初心者 (高校~大学教養) 向けの遺伝学とか生化学の入門書なんかを齧るとお分かりになると思いますけど,「人間の DNA の差」=「ゲノムの差」に帰結させるなんて言うのは,実は一種の帰納法という論理学の一種に過ぎません.(英国圏で教育を受けると哲学にうるさくなるのです)

帰納法特に enumerative induction の恐ろしい所は科学哲学で「ベーコン的方法」と呼ばれる,例えば「ネコ1は白い」「ネコ2は白い」「ネコ3は白い」……「従ってネコは白い」という「一般化を導き出す」ものに過ぎません.これがアメリカ人の「常識」とされている「人間の DNA の差」=「ゲノムの差」議論なんですよ(笑)

工学の分野ではこの手の方法を「科学的」と称して使いがちですけど,これは本来は Curve Fitting (曲線のあてはめ) と言って,一次関数のグラフの中に無理矢理にばらついたデータを押し込める非科学的な方法なんですよね.18世紀にこのやり方が「自然科学」だとされて,日本に輸入されたために,東大工学部はこのベーコン的な枚挙的帰納法を「科学」だと信じ込まされていたのです.(実は「宇宙人」の鳩山首相はいま書いた内容を専門とする数学者でした)

長くなるので,続きます
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話がずれてごめんなさい (kaetzchen)
2010-02-14 17:37:17
>和久希世さん,話題と関係ない議論ですみません.

| 文化はある特定の地域で生まれたもので、

というか,人類学の定義では文化というのは「言語」ですから,アメリカで「米語を強制」する限りは例えば Showbiz のように一定のイデオロギーを含むメッセージを駄々漏れにさせるものが「culture」だと言えなくもないです.アメリカの場合,豪州と同様「移民国家」ですから,任意の人種 (と言うより民族と言う方が正確) の持つ文化が置き換えられるのは仕方のないことでしょう.典型的なのがゴールド・ラッシュによるアイルランド人やスペイン人やオランダ人などの移民による開拓でしょう.ベトナム戦争時の西部劇は論外としても,多分に欧州から来た荒くれ者が活躍し,女性は非常に少なかったという現実があったのも事実です.


| アメリカのポピュラー音楽はジャズ、ロック、ブルース等黒人の文化を白人が真似た物

しかし,Billy Joel を初めとする,前回の "We are the World" のメンバーは一人も今回の "New We are the World" には参加しませんでしたよね.ミュージシャンとして歳をとりすぎたということもあるのでしょうけれど.自分が Billy が好きでよくピアノで弾くので,もう彼も娘がデビューしたから引退なのかなと思ったりして.


| そう言えば米原住民がモデルになっているアヴァターもヒット映画になりましたね

おかげで共和党右翼があの "Avatar" を嫌ってますね.きっと avatar of a group of radical intellectuals と勘違いしているのでしょう(笑)


| ネオコンの思想家達は若い時にマルキシストだった事のあるニューヨークのユダヤ系アメリカ人が多いのは面白いですよね。

理由は簡単ですよ.ソ連が崩壊して,社会主義計画経済論でメシが食えなくなったからです.日本でも同様に「転向」した卑怯者がたくさんいましたよ.昨年の政権交代でメシが食えなくなって春には失業する奴等が多いんじゃないでしょうか.今年は私大の3分の2以上が定員に満たないそうです.九大の向坂セクトつまり「新社会党」も生き残るのは国立大教員だけになるのではないかと考えていたりします.


| マルキシストのゲリラは“圧政のある所には抵抗が生まれる”と言う(誰が言いましたっけ?毛沢東?)現象なのでしょうね

あれれ,カトリックのことは意外と知られてなかったのですね.liberation theology とか theology of liberation を辞書で引かれてみられると宜しいかと思います.
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NY のイスラエル人 (kaetzchen)
2010-02-14 18:54:41
と言うと,実は留学先に一人いて,いろいろと出自の話を聴いたことがあります.

実は彼の実家は元々ドイツで (道理でドイツ語訛りがひどいと思った),戦時中に NY へ逃げた難民だったんだそうです.

幸いに Jew York と言われるほど,NY にはイスラエル人が多く,彼の祖父母は必死に働いて父親を弁護士にしたのだそうです.当然お坊ちゃまの彼は Columbia卒,そして medical school はイスラエル人のいない所にしようとして豪州へ来たのだとか(笑)

ただ,彼を初めとして,若いイスラエル人には現在の軍事国家イスラエルを嫌う者が多いとのこと.日本でもバブルの前後に兵役を終えたばかりのイスラエルの若者が世界旅行のついでに駅前にじゅうたんを広げてアクセサリーを手作りして野宿していたのを思い出します.一度,彼らの数名と話してみたら,ヘブライ語が通じたことで驚かれました(笑) そして言うことは予備役にされるから帰国したくないとのこと.よほどパレスチナでアラブ人を殺したことに罪の意識を持ったのでしょうね.
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