「ポリオの生ワクチンを接種要請」という記事を見て、チョット…
まず最初にワクチンには2種類…
- 生ワクチン…弱毒化したポリオウイルスを使う
- 不活化ワクチン…ポリオウイルスを完全に無毒化して、一部を使う
生ワクチンは免疫をつける効果が高く値段が安いけど、副作用が生じやすいということです。
それで、ポリオの会のHPにもあるように「不活化ポリオワクチンの早急な導入をお願いします」となるわけです。
ですから今回の「生ワクチンの接種を勧めるよう依頼する通知を都道府県に出した」というのはどういう事なのかと思い調べてみました。
このHPによると
- 生ワクチンはポリオの大規模流行を一気に抑える安価で効率的な方法として採用されたとのこと。
- 生ワクチンによる被害が後を絶たないこと。
- アメリカでは完全に不活化に切り替えたということ。
- 生ワクチンを使い続ける限り、ポリオを流行させ続けること。
- 日本における現行の生ワクチン投与体制は、不完全な免疫しか獲得できないこと。
(詳しくはHPをご覧くださいね)
生ワクチンは使えなくなりますね。
ただ…三宅小児科の三宅先生はブログ「ポリオ(生ワクチンと不活化ワクチン)」の中で生ワクチンを勧めておられます。
その理由として以下の事を挙げておられます(以下は私の勝手な抜粋です。詳しくは先生のブログをご覧ください)
- 不活化ワクチンが生ワクチンより安全というデータはない。450万回に1回という割合より、不活化ワクチンの副作用が少ないというデータは示しようがない。日本でのデータはない。
- 生ワクチンは2回の接種である。不活化ワクチンは4回。年間の出生数を110万とした場合、生ワクチンは220万回の接種。不活化ワクチンは440万回の接種となる。生ワクチンが450万接種に1回の副反応は、不活化ワクチンの900万回に1回の副反応に匹敵する。不活化ワクチンがそこまで安全であるというデータはない。
- 生ワクチンより、不活化ワクチンの方が副反応は多い。MRワクチン、オタフクカゼワクチン、水痘ワクチンはすべて生ワクチン。一方、トラブルを起こした日本脳炎ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチン。前科のあるインフルエンザワクチンも、副反応が強いと認められている子宮頸がんワクチンも不活化ワクチンである。
- 生ワクチンの方が、免疫の持続力も長い。生ワクチンは「人工的に感染させる」ので1回でも抗体は高く持続力も長い。不活化ワクチンは複数回接種することでやっと免疫をつけ、免疫がすぐに落ちるために追加接種を行う。不活性化ワクチンの免疫も、20年ぐらいと推測されている。
- 不活化ワクチンの注射は痛い。それも4回。
どちらの言い分もわかるような気がします。
素人では判断が難しいので、専門家に尋ねなければならない案件ですね。
厚生労働省は4日、ポリオ(小児まひ)の予防接種で安全性が高い「不活化ワクチン」の導入を待ち、現在使われている「生ワクチン」の接種を控える動きがあることから、決められた時期に生ワクチンの接種を勧めるよう依頼する通知を都道府県に出した。
同省によると、国内ではポリオウイルスの病原性を弱めた生ワクチンを使っている。強い免疫がつく半面、ごくまれに接種したウイルスが脳や脊髄(せきずい)に達し、手足などにまひを起こすことがあり、ここ10年間で15例(100万人あたり約1.4人)が認定されている。
一方、海外ではウイルスを殺して有効成分を残した不活化ワクチンが一般的に使われているため、保護者の中には不活化ワクチンの国内導入を待ち、接種を控える動きがあるという。海外から独自に不活化ワクチンを輸入し、乳児に接種している医療機関もある。
不活化ワクチンは、今年末から順次、各メーカーが国内導入に向けた薬事承認申請をする予定だが、同省は「導入は早くても12年度末」と説明。「ワクチンの未接種者が増えると免疫を持たない人が増え、国内でポリオが流行する危険性がある。いったんポリオが根絶された地域でも、中国などのように再流行が起きた国もあり、市町村から案内が来たら接種を受けてほしい」としている。
毎日新聞 2011年10月4日 19時21分
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