沖縄の公認会計士佐藤晃史のブログ

沖縄で医療機関支援、事業承継、相続対策に強い会計事務所を経営している佐藤晃史のブログです

開業医のみなさん、旅費規定を整備していますか

2012-04-27 13:41:43 | ドクターの節税
開業されているドクターのみなさんは、学会や研修などで、国内外への出張の機会が多いと思いますが、出張旅費の他に日当を受け取っていらっしゃいますか。

学会等に出席するために必要な旅費や日当は、医師としての業務を遂行するために必要と認められている費用です。

出張に必要な経費(交通費、宿泊費)は、通常、実費精算しますので、特に旅費規定を作成していなくても、必要経費とすることに問題はありませんが、日当を支給するには、旅費規定を整備しておく必要があります。

旅費規定には、例えば、医療法人の理事長が国内に出張する場合、交通費は実費精算、宿泊費は15,000円/泊、日当10,000円/日などと記載します。

こうすることで、2泊3日で国内学会に出張する場合、宿泊費15,000円×2=30,000円、日当10,000円×3日=30,000円を医療法人から理事長に支給することができ、この経費は医療法人側では損金になるとともに、理事長側でも原則として給与課税されません。さらに細かく、朝7時以前に自宅を出て、夜8時過ぎに帰宅するような出張であれば、早朝加算や夜間加算も可能です。

沖縄はどこに行くにも、出張費がかさみますので、旅費規定を作成して、少しでも節税したいものです。

なお、国内外を問わず、出張に観光をプラスしたり、家族を同伴したりした場合は、観光に係る費用部分や家族の旅費部分は損金にはなりません。

観光をプラスしたり、家族を同伴する場合は、損金になる学会部分の旅費とそれ以外の部分を明確に区分できる資料を保存整理しておくことが必要です。

開業医のみなさん、小規模企業共済に加入していますか

2012-04-24 10:26:42 | ドクターの節税
当事務所では、開業医のお客様の節税策として。「小規模企業共済」をお勧めしています。

小規模企業共済は、経営者(個人事業主、会社経営者)が加入できる退職金積立制度で、以下のような特徴を備えています。

1.掛金は毎月1,000円~70,000円の範囲内で自由に決めることができ、全額が所得控除になるため、節税対策として有効です。

2.退職時に受け取る共済金は「退職所得」又は「公的年金等の雑所得扱い」となるため、受取時の税金も優遇されます。

3.納付した掛金合計額の範囲内で事業資金貸付制度を受けることができます。

4.本共済制度は、国が全額出資している中小企業基盤整備機構が運営しているため、安心・確実です。

同じような商品特性を持つ民間保険会社の「個人年金」については、年間保険料をいくら支払っても、毎年所得控除限度額は4万円です。
一方、小規模企業共済では、毎月制度上限の7万円をかければ、年間84万円の所得控除を受けることができるのですが、その差は歴然です。

ただし、加入できるのは、従業員5人以下の場合に限られますので、もし、クリニックの従業員が5人を超える場合は、MS法人又は資産管理会社を設立することで加入可能になります。

<節税例>
診療報酬7,000万円、課税所得2,000万円の開業医のお客様の場合、「小規模企業共済」に加入し、掛金を年間84万円支払うことで、毎年42万円の節税となります。
さらに、掛金の84万円は、掛け捨てではなく積立であるので、退職時に掛金+αで受け取ることができます。

当事務所では、ドクターのお客様向けにの総合的なファイナンシャルプランを提案しています。初回ご相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

相続財産は法人化で残しなさい

2012-04-23 16:33:44 | 相続税・贈与税


国税OBの税理士であり、相続を専門にされている阿藤芳明先生が書かれた「相続財産は法人化で残しなさい」(幻冬舎・経営者新書)を週末に読んでみました。

所有財産のほとんどが不動産である資産家の方が、不動産管理会社を設立・運営する場合の注意点が、税務書OBの視点から、より具体的にコメントされている点がとても参考になりました。

不動産管理会社の類型には、「不動産管理型法人」と「不動産所有型法人の」の2種類がありますが、「管理型法人」は既に過去の遺物であり、現在では「所有型法人」を作ることが相続対策上、効果的であるというのが、この本の著者の主張です。

「不動産所有型法人」を作る場合には、将来被相続人となる親ではなく、相続人となる子供が出資をして、親から収益物件の建物のみを購入し、収益物件から入る収入を子供たちに分配するスキームを推奨しています。

このスキームでは、譲渡する個人側の譲渡所得税と取得する法人側の不動産取得税と登録免許税が問題になりますが、譲渡益が出ず、かつ不動産取得税と登録免許税が安い建物のみを譲渡することがポイントになっています。

この方法は、何も当該著者が考えたスキームではなく、相続対策を行っている会計事務所では、普通に行っているものですが、このスキームを国税側から見た場合、どのようにうつるのかというポイントが書かれているため、大変興味深く読むことができました。

本書は全159ページの新書であり、専門家であれば、1-2時間で読んでしまう程度の内容です。一般の方が読んだ場合でも、一部難しい箇所もありますが、1-2日で読破可能であると思います。

当事務所では、相続対策が必要なお客様に対して、オーダーメイド型のスキームを構築し、実施の支援を行っています。初回ご相談は無料ですので、気軽にお問い合わせください。


新事務所がもうすぐ完成します

2012-04-18 17:44:08 | 新事務所


新事務所がまもなく完成します。
現在のところ、5月11日(金)に現在の事務所を引き払い、週末の2日間で営業準備を行い、14日(月)には、新事務所での業務開始を予定しております。
事務所移転に伴い、お客様にはご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが何卒よろしくお願い申し上げます。



横から見た新事務所です。



所長室及び執務室の床はOAフロアで、タイルカーペット張りとし、応接スペースは、大理石調のタイル張り仕様となっています。

事業承継目的の持株会社の作り方(その3)

2012-04-02 17:28:22 | 事業承継
事業承継を目的とした持株会社設立方法その3です。

これまでご紹介した2つの方法を復習すると以下のようになります。
①後継者が新会社を設立して、現オーナーの株を購入
②株式移転で既存会社の100%親会社を設立したのち、現オーナーが所有する親会社の株式を後継者に贈与

3つ目の方法は、会社分割を利用して、既存の会社の100%子会社を新設する方法です。
会社分割とは、既存の会社(分割会社)が事業に関して有する権利義務の全部又は一部を、分割により、他の会社(分割承継会社)に包括的に承継させる組織法上の行為です。分割承継会社が分割により新しく設立される場合を「新設分割」といい、既存の会社が分割承継会社となる場合を「吸収分割」といいます。

ここで、説明する持株会社を作るために用いられる会社分割は「新設分割」であり、以下「新設分割」の説明になります。

要するに、新設会社分割とは、Aという会社が、B事業とC事業を持っている場合に、B事業とC事業にかかる資産と負債及びその他の権利関係全て(従業員の雇用契約等も含む)を一括して、それぞれ新設する2つの100%子会社(A社、B社)に移転させる行為です。

会社分割を用いずに、A社からB事業とC事業を別々の子会社に移すとなると、手間が相当かかるだけでなく、資産を会社に譲渡する際に税金もたくさん(法人税等、不動産取得税、消費税、登録免許税、・・・)がかかることに加え、従業員も一旦退職させて、子会社で再雇用する必要があります。

新設会社分割を用いれば、上記のデメリットのほとんどが解消されるため、とても使い勝手のよい制度です。

事業承継目的で新設会社分割を利用する場合は、後継者が2人いて、その2人に別々の事業(商品別あるいは地域別)を継がせたい場合に、会社分割で100%子会社を2社設立して、後継者2人をそれぞれ、各子会社の社長に据えるのです。
持株会社の株は、当面、現オーナーが保有し、子会社に睨みをきかせるとともに、5~10年程度、2人の後継者の働きぶりを観察して、持株会社を任せられると判断した後継者に自社株式を贈与します。

私は平成13年の会社分割制度創設以来、多数の会社分割アドバイスを行ってきており、沖縄県内では、最も経験豊富な専門家の一人です。
会社分割をご検討の際は、ぜひ、当事務所にお声かけください。

ブログランキングに参加しています。