沖縄の公認会計士佐藤晃史のブログ

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ケアンズ皆既日食の準備(その2)鏡筒選び編

2012-09-12 16:44:04 | 天文
現在、保有している鏡筒では、GPガイドパックに搭載できないため、ケアンズ日食に合わせて、小口径屈折鏡筒を購入することにした。今回、購入する鏡筒に求める条件は以下の通り。

1.アポクロマート(2枚玉)であること
今回の目的はコロナとダイアモンドリングの拡大撮影にあるため、望遠鏡の収差にはそれほど敏感になる必要はないが、日食後は気軽な観望や直焦点撮影、あるいは、オートガイドに使うサブスコープとしても使用することを想定しているため、アクロマートではなく、アポクロマートにする。なお、3枚玉では重くてハンドリングが悪くなるため、2枚玉に絞る。

2.35ミリフルサイズのデジタルカメラでの撮影できること
今回、カメラも35ミリのフルサイズ機に変更予定であるため、35ミリカメラの視野(イメージサークルで40ミリ)がある程度フラットであること。視野周辺の光量が十分あり、かつコマ収差がすくないこと。

3.鏡筒バンド込みで重量が2.5KG以内であること
GPガイドパックへの搭載を前提とするため、重量はできるだけ軽いほうがよい。

4.焦点距離が600ミリ前後であること
今回は、コロナ撮影がメインの目的であるため、35ミリフルサイズのデジタルカメラの利用を前提とすると、画面いっぱいにコロナを捉えるには、焦点距離で600ミリ前後がベストである。

5.オプションでレデューサーやフラットナーが用意されていること
小口径屈折(口径5~8センチ)で、焦点距離600ミリというと、口径比Fは8.5~12となり、このままでは星雲・星団の直焦点撮影には暗すぎて使えない。となれば、せっかく購入しても、ガイドスコープに使うくらいしか転用できないため、利用価値が下がってしまう。ところが、レデューサーがあれば、焦点距離を短くできるため、口径比Fを小さくするすることができるため、直焦点撮影にも使えるマルチプル鏡筒になる。

6.信頼できるメーカー製であること

一方、現在、容易に入手できる小口径のアポクロマート屈折は以下の通り。

1.高橋製作所 FS60Q(2枚玉+エクステンダー)
焦点距離600ミリ、重さ2.0KG(鏡筒バンド込)
価格(鏡筒のみ):91,800円

2.笠井トレーディング CAPRI 80ED(2枚玉)
焦点距離560ミリ、重さ1.7KG(鏡筒バンド込)
価格(鏡筒バンド、ケース込):68,000円

3.ボーグ ボーグ77ED�(2枚玉)
焦点距離510ミリ、重さ2.1KG(鏡筒バンド込)
価格(鏡筒のみ):79,800円

4.国際光器 シャープスターAL-80�(3枚玉)
焦点距離480ミリ、重さ3.5KG(鏡筒バンド込)
価格(フラットナー付):128,000円

5.ビクセン ED81S(2枚玉)
焦点距離600ミリ、重さ3.5KG(鏡筒バンド込)
価格(鏡筒バンド込):80,000円

以上の鏡筒の中で、選択条件に当てはまるか否かをチェックすると以下の通り。

1.2枚玉アポ・・・4以外OK
2.35ミリフルサイズカメラ対応・・・1、4
3.重量が2.5KG以下・・・1、2、3
4.焦点距離が600ミリ前後・・・1、2、5
5.レデューサーの用意・・・1、3、5
6.信頼できるメーカー・・・1、3、5
2と4は外国製であり、製品にばらつきがある可能性あり

上記チェックの結果、高橋製作所のFS60Qは口径こそ他のモデルより小さいものの、新鏡筒に求める条件のほとんどを満たしている。他のモデルは一長一短があり、すべての条件を満たすことができないことが分かった。このため、今回は、高橋製作所のFS60Qを購入することに決定した。
なお、このモデルは、FS60CB(焦点距離355ミリ)に1.7倍のエクステンダーを組み込んでいるため、このエクステンダーを外すと、60CBに早変わりする優れものである。さらに、レデューサーやフラットナーまで用意されているため、使い勝手が非常によいのがウリである。
なお、高橋製作所は国内で最も品質の高い天体望遠鏡メーカーの一つであることも、決定の一因である。


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