今年は、天文現象の当たり年ですが、その最後を飾る皆既日食が11月14日にオーストラリアのケアンズ付近で起こります。私は、天文同好会の友人と一緒に東京理科大学天文研究部が主催するツアーに参加を予定しています。天文ファンの間では、一生のうちに見ておきたい天文現象のベスト3として、皆既日食、オーロラ、流星雨(数えきれないほど明るい流星が乱舞する状態を指す)が上がります。ベスト3のうち、流星雨については、2001年11月のしし座流星群で体験済(一晩に3,000以上の流れ星をみた)ですが、他の2つはまだ未体験です。皆既日食についても、2009年7月の屋久島日食に参戦したものの、天候不良のため不発に終わり、まだ見ることができていません。今度のケアンズ日食以降は、しばらくの間、日本からのアクセスが良く、治安もよい地域での日食は起こらないため、最後のチャンスと思って、肉眼での観望に加えて、小型屈折鏡筒、ポータブル赤道義及びデジタル一眼レフカメラ等を持ち込んで、日食の経過がわかる写真やコロナ及びダイヤモンドリングの拡大写真も撮ってきたいと考えています。
<今回の遠征に持参する機材の検討>
1.赤道義+三脚
現在保有している赤道義は以下の通り。
(1)高橋製作所 V-1赤道義(1976年購入)
高校1年時に購入。6.5センチアクロマート屈折鏡筒とのセットで購入。極軸望遠鏡もモータードライブもない赤道義のため、最近は全く出番がない。
(2)ケンコースカイメモR(2000年購入)
まだ、デジタル一眼レフが出る前の時代に中判カメラの名機ペンタックス67を使った星野写真を撮影するために購入。しし座流星群の撮影や天文同好会の合宿で銀河を撮影する際に使っていた。今回も、ケアンズに持参する機材の候補として検討したが本体重量が重い割に搭載可能重量が少ないため、見送りとした。
(3)ビクセン GPガイドパック(1998年購入)
ビクセンのスタンダード赤道義であるGP赤道義の部品と専用の小型三脚をセットにしたポータブル赤道義。設定のしやすさ、本体重量、搭載重量、追尾精度とどれをとっても突出したものはないが、バランスが身上の赤道義。もともと、5KG程度の鏡筒を搭載することを目的に作られているGP赤道義の部品を使っているため、小型屈折鏡筒を乗せても不安はないのが良い。今回は、この赤道義を持参することとした。
2.小型屈折鏡筒
現在保有している小型鏡筒は以下の通り。
(1)高橋製作所 V-1型 6.5センチアクロマート屈折鏡筒(1976年購入)
2枚玉、F10のスタンダードなアクロマート鏡筒。購入後36年が経過しているが、今でもきれいな状態を保っている。将来、ドームを作った時に赤道義に乗せようと思ってはいるが、最近は全く出番がない。
(2テレビュー NP101 10.1センチアポクロマート屈折鏡筒(2011年購入)
眼視だけでなく、直焦点で星雲・星団を撮影することもできるフォトビジュアル鏡筒。購入時はタカハシのFSQ106と迷って、最後は、周囲の天文仲間が誰ももっていないことから、好奇心で購入した。4枚玉で重いのが難点だが、眼視で見る限り、視野中心はもちろん、周囲までシャープな星像を示す逸品である。この秋からは、デジタル一眼レフを使った直焦点撮影に使う予定。今回はこの鏡筒を持参することも検討したが、デジタル一眼レフカメラをつけるとその重量は6KGを超えるため、GPガイドパックでは荷が重く、今回は断念した。
(3)新鏡筒
赤道義をGPガイドパックに決めたため、それに乗せる鏡筒とカメラもそれ相応の重さのもの(3KG以内)にしたい。そうすると、現在の手持ち機材では適当なものがないため、新規購入することとした。新鏡筒の選択については、別記事でアップ予定。
3.カメラ
現在保有しているデジタル一眼レフカメラはニコンのD80であるが、この機種は、高感度ノイズ、熱ノイズ、長時間露出ノイズが大きく、さらには偽色も盛大に出るので、天体写真には向かず、現在では、スナップ写真用になっている。今回の日食遠征を機に、最新型のフルサイズ機に乗り換えを検討中である。カメラの選択については、別記事でアップ予定。