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椿宿の辺りに

2020-05-03 10:45:16 | 
梨木さんは今、自然地理学に凄く興味があるのかな。
ストーリーは「f植物園の巣穴」の続編ですが、物語の仕掛けは「鳥と雲と薬草袋」と「からくりからくさ」に近い気がしました。

豊彦も山幸彦も、心に負った傷から自分を守るために鈍感になる。故にKYとなり、孤立している。でもその実、誰よりも心を通わせられる人を求めている。その辛さが痛みという警鐘で現れ、変化へのきっかけとなる。そしてその変化を助け、導いてくれる人が回りに大勢居る。ふむ、似てますね。

「f〜」は妖怪奇譚風、今回は人間ばかりですが神話になぞられた進行で梨木ワールドになっており面白く読めるのですが、考え出すと難解です。ちゃんと理解するにはもう何度か読まないと無理そうかな。


 「椿宿の辺りに」梨木香歩


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