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セブンイレブン裁判に展開が…本部逆転勝訴で最高裁が差し戻し

2007年06月11日 | Weblog
コンビニ経営訴訟、最高裁が“指導料”の算定法認める(読売新聞) - goo ニュース

以下、記事内容のコピー。
大手コンビニエンスストア「セブン―イレブン・ジャパン」(本部・東京都)と加盟店契約をした店主が、不当に高いロイヤルティー(経営指導料)を支払わされたとして、同社にロイヤルティーの一部返還を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第2小法廷であった。
 津野修裁判長は、ロイヤルティーの算定方式自体は問題ないとした上で、「契約時の説明が十分だったかどうか審理を尽くす必要がある」と述べ、店主側勝訴とした2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。
 セブン―イレブンと同様の算定方法は他の大手コンビニでも採用され、同種訴訟が全国で十数件起きている。今後、契約時の説明が不十分だった場合にはコンビニ側が負ける可能性もあり、影響を与えそうだ。

■毎日新聞
 コンビニエンスストアチェーン最大手「セブンイレブン」の加盟店が経営指導料などとして同社に毎月支払う「チャージ」を巡り、埼玉県内の店主が「会社側の計算方法は契約書に記載がなく誤りで、多く受け取り過ぎだ」として、同社に返還を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)であった。小法廷は「詳細なマニュアルや会社担当者の説明もあったことを総合すれば、会社側の計算方法が正しい」と指摘して店主側勝訴の2審・東京高裁判決(05年2月)を破棄し、審理を同高裁に差し戻した。
 判決は4裁判官一致だが、今井功、中川了滋の両裁判官は共同の補足意見で「契約書の記載は明確性を欠き改善が望まれる」と注文をつけた。
 チャージ計算の基になる売り上げ利益に、期限切れで廃棄したり万引きされた商品の分は「含まない」とする店主側と、「その計算方法は間違い」という会社側が争った。2審は、契約書の分かりづらさなどから「会社側の方法でチャージ計算する契約上の根拠はない」と店主側主張を認め約2200万円の返還を命じていた。他のコンビニの多くは「廃棄分なども含む」と契約書に明記している。
 店主側は「チャージについて誤解したまま契約してしまったので会社側の計算方法は無効」とも主張しており、高裁でこの争点が改めて審理される。【高倉友彰】

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昨年書いた記事の続報になります。最高裁はセブンイレブン側の訴えを認めたようです。
■昨年の記事
フランチャイズ訴訟事例② セブンイレブンの場合

 これはとても難しい問題です。そもそも、もしこの手の訴えが認められた場合、セブンイレブンは全国のFCから同様の訴えを受けることになりますから、大変なリスクです。
 そもそもフランチャイズの契約など、ビデオに録画しておかない限り、現場で説明責任が果たされたかどうかは確認のしようがないですから、そうなると、契約書と説明会資料などの「紙」が重要になります。しかし契約する前は大変良好な関係ですから、加盟側もそこまでのチェックはしないものです。そして後になって「契約書にサインしたんだから」ということで、加盟者側が泣き寝入りになるのが今までのパターンでした。

 このオーナーがどのような理由で告訴に至ったのか、知り合いでないのでわかりませんが、廃棄や万引きを原価に含めるかどうかといった基本的なことが契約書にはっきり書かれていないことを、ここまで大きく問題提起したのは大きな成果だと思います。
 しかし、この喧嘩には落としどころがありません。セブンイレブン側は、万引きや廃棄といった本部がコントロール不可能なものを、本部の収益から削るような考え方は決して受け入れられないでしょう。そもそも私がいつも利用するコンビニを見ても、スタッフが真面目に在庫管理しているかどうかも怪しいものです。それはオーナーの責任も多々あるでしょう。かといって、廃棄が出ないように少なめに品揃えしていたら、本部は売り上げがたちませんし競争に負けてしまいます。

 FCはどこでもそうですが、特にコンビニは「形を変えた独禁法違反?」みたいな色合いが濃い。「夫婦で独立」「時間にゆとりのあるオーナー生活」なんて、勧誘の時だけ甘い言葉で誘って、契約するときは自立した「経営者」として法的責任を持ってもらう。でも自分の店であっても勝手に商品は置けないから、けっきょくは永遠の子飼生活~みたいなビジネスモデルには、そろそろ限界が来ているのではないでしょうか。

 真の独立とは何か、成功とは何か。考えさせられるところです。