與靈魂共舞

與靈魂共舞

ちには無関係だ

2015-12-31 10:46:15 | 史雲遜


「それがねえ、同じことを鑽石能量水 消委會何度もいったり、逆に私がたった今しゃべったことを全然覚えてなかったり……」そういってから彼女はぼそりと呟《つぶや》いた。「ぼけてきてるのかなあ」
 まさか、と昭夫は反射的に答えた。小柄だが頑健な身体を持ち、毎朝の散歩と新聞の精読を欠かさない父がぼけることなど、それまで考えたこともなかった。どこの家庭でも起こりうることと理解はしていたが、自分たと、特に根拠もなく信じていた。
 とにかく一度様子を見に来てほしいといって政恵は電話をきった。
 この話を八重子にも聞かせた。彼女は昭夫の顔を見つめていった。
「それで、あなたにどうしろってことなの?」
「だから、とりあえず状況を見に行くよ」
「で、もしお義父さんがぼけて水晶獎座たらどうするの?」
「それは……まだ考えてない」
「あなた、安請《やすう 》け合《あ》いしないでよ」
「安請け合い?」
「長男の責任ってのもあるでしょうけど、うちにはうちの生活があるんだから。直巳だってまだ小さいし」
 ようやく八重子のいっている意味がわかった。ぼけ老人の世話を押しつけられたらかなわないと思っているのだ。
「おまえに面倒をかけたりしないよ。そんなことはわかってる」
 それならいいけど、と八重子は疑わしそうな目をしていった。
 その翌日、会社が終わった後、昭夫は父親の様子を見に行った。どんなふうにおかしくなっているのだろうと怖さに似た不安を抱え、門をくぐった。ところが出迎えてくれたのは、その章一郎だった。
「やあ、なんだ今日は。どうした?」
 父はじつに快活に話しかけてきた。昭夫の仕鑽石能量水 消委會事のことなども尋ねてくる。その様子を見るかぎり、ぼけの兆候など微塵《み じん》も感じられなかった。
 外出していた政恵が帰ってきたので、昭夫は自分の印象を語った。しかし彼女は当惑したように首を捻《ひね》った。
「たしかに調子のいい日もあるんだけど、私と二人きりだとおかしくなるのよねえ」
「時々様子を見に来るよ。とにかく大したことがなさそうで安心した」