たーさんの裏街道を行く!!

世界中の街角から数々の失敗談,ちょっとエッチな話,面白情報をお届けします。(ノンフィクション)

たーさんの裏街道を行く アジア編 (インド Vol. 3)

2007-05-12 | アジア編



今日は予定していた先を訪問。

迎えなどは特にお願いしていなかったので、ホテルリムジンででも行こうかとコンシェルジュに聞いてみたが、あいにく全て出はらっていると言う。
仕方がないので、普通のタクシー、黒と黄色という品のない配色を指笛で呼ぶと、2-3台が吹っ飛んで来た。
目的地を提示して、一番安い価格を提示したタクシーに決めて、10時のアポを入れている○○○社まで。
昨夜は暗くてみえなかったが、意外の街は活気があって、人も巷に溢れているが、どうにも仕事をしている感じではない。何して生活してるのかしらん?と考えながら外を見ていると・・・・、
ホテルリムジンなどは、比較的整っている、かつ、都会風の道路を選んで走るのだが、一般のタクシーで一日貸切となると、ガソリンのセーブもあって、近道・裏道を走りまくる。その途中、

丁度、高速道路の上を一般の道路がかかっているような場所があったのだが、この道路の両脇には、なんと、ジュートのような生地と、竹で壁側一面に小屋がけがしてあるではないか!
しかも、しかも、壁側下には日本でも良く見られる歩道横にあるようなL字溝があって、そこを流れているほんの少しのみずで、なんと!魚を捌いているではないか!
しかも、子供達は根こそぎすっぽんぽんだ。

「これあ・・・」

「この辺はスラムなのかい?」運転手に尋ねてみる。
「いえ、旦那。この裏側がちょうどダウンタウンでさあ。」
「・・・・・・」

確かに左手の先には、そこそこの高さのビル群が見えている。

「なあ、これから行くところはあの界隈かい?」
予め住所を渡してあるので、運転手は行き先を把握している。
「いえ、旦那。これから行く場所は、ちょいとはずれていて、昔からある工場なんかがあるところです。」
(うーん、てことは、さほどこの景色を変わらないような場所なのか?)
この日行く会社は、地元でも名の通った会社で、社長はまだ若いが、家系はもとマハラジャだと言う話。
ホテルから40分ほども走って、やっと目的地に到着。ビルと言うよりも、公営のアパートから階段を取り除いたような造りの建物。
入り口の受付で、来訪を伝えると、1分もたたないうちに、きちんとスーツを着こなした初老のおじさんが迎えに来た。 案内されて後ろをついていくが、建物の中は意外と広く、天井も高くて、ちょっとしたイギリスの古い建物のような造作にしつらえてある。この様子では、トイレの便器の位置も高く設定してあるに違いない。
応接会議室に通されると、紅茶とミネラルウオーターが運ばれてきた。
やはり、このへんがインドらしいといえば、インドらしいのは、紅茶と水、そして砂糖やレモンを運んでくる女性が別々だということだ。カーストは消滅したとは言っても、相変わらず職種とその範囲は厳格に決められているのがわかる。
うーん、でもティーカップはいいのを使ってるなあ。

「たーさん、インドへようこそ。」
「お招きのままお邪魔しました。」
ずーっと連絡をとっていたのはこのGM。名刺を交換していろいろ話していたが、どうも英語がきれいだ。しかも軽いブルックリン訛りがある。
「Lさん、実に綺麗な英語だが、なんでブルックリン訛りがあるんですか?」
「はは、よくわかりますね。」
「ニュージャージーに半年位住んでいたので、ニューヨークは良く行きましたからね。」
「そうでしたか。実は私、アメリカの大学を出ていて、この会社に入ってたーさんとやりとりする前は、アメリカのイーストマンコダックにいたんですよ。」
「ほう・・・、そうでしたか。道理で。」
「訛りの話だと、たーさんもカリフォルニア訛りがありますね。」
「やっぱりわかりますか。一生懸命クイーンズを喋っていたつもりですが。」
「お互い米語のほうがよさそうですね。」
「そうしましょう。楽ですから。」
聞けば、そのままアメリカで働くつもりだったのだけれど、親父さんが亡くなってしまったので、家族の面倒を見ることもあって、インドに戻って仕事を探していたところを、この会社の社長にスカウトされたと言う。

同じアメリカ同士なので、仕事はすこぶる順調で、当初の目的通り、契約に至ったのだが、ここからはインドはまた大変。
契約担当の責任者が出てきて、この人は副社長格だが、イギリスの教育を受けてきたので、契約書の内容がこと細かで、いっこうに折れる気配もない。
2時間ほど契約書の内容ですったもんだしていたのだが、GMと話した内容も変えようとしてきたところで、ぶちきれた。

「合意した内容まで、変えるというのであれば、これ以上の議論は意味がないので失礼します。」
「えっ?」あわてたのはコダック出身のGM。
「たーさん、本気か?」
「ええ。合意した内容はここまで。契約一般とはちと違いますが、双方合意事項なので、譲る気はない。」
「副社長、何とかなりませんか?」GMも必死。
「私は、当社にとって不利がないよう交渉しているのだ。これ以上は社長に言ってください。」

今さら50年も前の条文を持ち出しても、どうにもなるわけないのに。
まあ、どちらにしても社長には挨拶をすることになっていたので、食事をしてから最終のつめをすることに。

 ご訪問有難うございます。

     

     

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