フランスは、先進産業国のなかでいち早く出生率の回復に成功した国である。
その背景には、子どもの保育、教育の無償化、手厚い医療保険、最低所得保障等があり、生活に余裕がなくとも子どもを生み育てることをあきらめなくてもすむ環境条件が整備されている。
パックス(連帯民事契約)により、男女が、法律婚より敷居が低く、事実婚よりもパートナーシップを維持していくうえでの権利と義務が大きい関係性を選択し、子どもを安心して生み育てることができるようになったことも大きい。
なお、本書では、移民の高出生率がフランス社会全体の出生率を押し上げているという俗説は、明確に否定されている。
フランスは、スウェーデン等北欧諸国に次ぐ高福祉の社会であり、税や社会保険料による国民負担も重い。低福祉のまま出生率の向上をはかるなど、はなから無理であることを、本書は教えてくれている。
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