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神に帰る生き方

せっかく生まれてきたのだから、心平安に生きていきたい!と思う。

ユダヤの黄金期  ソロモン王

2025-05-02 13:46:45 | 中近東
皆さん、こんにちは。
ファーティマ松本です。

前回は、イスラエルの民に遣わされた預言者ダーウードさん(平安あれ)について
書いてみました。

ダーウードさん、戦えばどんな相手にも勝ち、判断は常に公平、知力もあり、
民に愛された王であり、預言者でもありました。
また、人々に愛されただけでなく、神様にも愛された素晴らしい人でした。

では今回は、その息子のスレイマーンさんについてです。
日本では、ソロモン王として有名ですよね。
このスレイマーンさん(平安あれ)の時代こそが、ユダヤの歴史の黄金期の最たる時代です。
このスレイマーンさん(平安あれ)さんについては、書くべき事がたくさんありすぎるので、
何回かに分けてお伝えしていきます。

まず、スレイマーンさんと聞いて、すぐに思うのが、
「全てを与えられた人」
そうなんです!!
この方は、本当にありとあらゆる物に恵まれた人だったのです。

彼は、預言者であると同時に、王様でした。
それもかなり大きな王国の王様です。
故に、お金に困るような環境ではなかったわけですよね。
プラス、動物の話しが分かるというすごい能力も与えられていました。
これ、私欲しいなあって思うんですよね。
我が家にいる猫ちゃん達が、私の事をどう思っているのか気になる時があるんですよ。
これって、猫のあるあるなのかは分かりませんが、なんか猫ちゃん達に怒られることってありませんか?
引っ掻かれたり、、、。(嫌われてるのかな?)

それから、スレイマーンさんは、風を自由に動かすことも出来ました。
また、ジン達をも、コントロールする事が出来たのです。
ジンというのは、神様の創造物の一つです。
私達人間同様、自由な意思を持っていて、良いことをしようと思うこともできれば、
悪い事をしようとも思えるわけです。
悪魔というのは、このジンの中の悪い奴らです。
スレイマーンさんは、この悪魔達さえも、コントロールする事が出来ました。
そのため、ジンを使って神殿を立てたり、海深く潜らせて海中の物を取ってこさせたりする事が出来たのです。
スレイマーンさんが建てた神殿は、今は現存していませんが、
人間の力だけでは、到底に建てられないすごい建造物だったそうです。
此の様に、彼はものすごい祝福を受けながら暮らしていたわけです。

しかしながら、大抵の場合、
神様から選ばれた預言者さんというのは、あまり裕福な暮らしをしていませんでした。
それは、なぜかと考えてみると(色々と考えられると思うのですが、)

まず、預言者という人達は、周りの人達に正しい道を教え、
自らもそのお手本になるような生き方をしていかないといけないわけです。
あまりにも裕福過ぎてしまうと、人々のお手本にならないのではないのかなあ、
と思ったりするのですが、どうでしょう?

いつの時代でも、大半の人は裕福ではありませんからね。
そんな一般大衆に、
「あーしましょう、こうしましょう。あれは駄目よ、これも駄目よ。」
と言ったところで、
「あんたはいいよね、そんだけお金あるんだから。
 うちらは、あんたの言うことをやろうと思ったって出来ないんだよ。
 生きて行くだけで精一杯なんだからね!」
と言われる可能性だってあるでしょう。

また、預言者さん達が、物質面で恵まれなかった理由として
<神様からたくさんの物を頂いている、 故に神様に愛されている>
という考えを否定する、という意義もあるかもしれません。
とかく、
たくさんのお金に恵まれたり、高い地位を得ている人達を見て、
「たくさんの祝福を神様から得ているのねえ。
 恵まれているのねえ。
 愛されてるのねえ。」
なーんて、思ってしまいがちです。(日本ではあまりそういう考えはないかな?)

または、反対に何か物事がうまく運ばないと
「私は、神様に嫌われている。」とか、
「神様に意地悪された。」なんてという言う人もいますよね。

しかし、実際は、神様の愛情って、そんなのでは図る事が出来ません。
つまり、
物質面で恵まれているとか、環境に恵まれているとか、
またはその反対というのも、神様の愛情を図るバロメーターにはならないのです。

物質面で恵まれていなくても、神様に好かれている人はいるし、嫌われている人もいる。
物質面で恵まれていても、嫌われている人もいるし、好かれている人のもいる。

スレイマーンさん(平安あれ)は、裕福で王と言う高い地位にいながらも
神様の愛を受けられたケースであります。

神様は、クルアーンの中で、
「われはダーウードにスライマーンを授けた。かれはなんと優れたしもべであることよ。」
とおっしゃっています。
スーラ・サード(第38章)の30節です。

この様に、優れたしもべであったと、はっきりクルアーンの中で記載されているのは、
このスレイマーンさんと、アイユーブという名の預言者のお二人だけです。
アイユーブさんは、どちらかと言うと、スレイマーンさんとは対比的で、
たくさんの物をドンドンと失っていく人生でした。
しかし、どちらの預言者さんも、<優れたしもべ>と呼ばれていたわけです。

私達も、時にスレイマーンさんの様に、たくさんの物質的な物に恵まれる時があるかもしれません。
反対に、アイユーブさんの様に、色々な物を失う時期もあるかもしれません。
しかし、どんな状況であっても、神様がいつも側にいてくれる事。
そして、私たちの願いをいつだって聞いてくださっている事などを忘れないでいきたいものです。
 
今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!


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預言者ダーウード(ダビデ王)の時代

2025-04-25 16:34:51 | 中近東
皆さん、こんにちは。
ファーティマ松本です。

前回は、イスラエルの民に送られた新たな預言者について、少し触れてみました。

その方のお名前は、ダーウード(平安あれ)さん。
日本では、ダビデ王として知られていると思いますが、彼は王様でありながら
なんと預言者さんだったお方です。
それもかなりレベルの高い預言者さんでありました。
彼には、「ザブール(詩篇)」という啓典が啓示されたのですが、
これはクルアーン、トーラー(モーセに与えられた書)、インジール(イエスに与えられた福音書)と並ぶ神聖な啓典の一つです。

また、声がきれいだった事が有名で、彼がザブール(詩篇)を読むと、山や鳥などが一緒に神を賛美した、と言われています。

これだけ聞くと、何だか平和な穏やか〜なイメージを持たれるでしょうけども、
彼は同時に勇敢な戦士でもあったんですよね。
前回書きましたように、相手方のリーダー(ゴリアテ)がものすごく大きな人物でありましたが、たった小石一つでやっつけてしまいました。

石で戦う、、と言えば、
パレスチナで<インティファーダ>というのがあったのを、覚えていらっしゃう方、
多いのではないかと思います。
あの時、
イスラエル側の大きな軍隊に対し、パレスチナの人々は石でもって対抗しましたよね。
もうあれから何年も経っていますが、状況は良くなるどころか、悪くなるばかりに見えます。
しかし、、前回も書きました通り、必ず、パレスチナに勝利があるのです。
それは、神様からのお約束です。

このブログでは、その<神様からのお約束>についても、後々書いていこうと思うので、
乞うご期待!

ダーウードさんは、 預言者でありながら王様、そして裁判官でもありました。
非常に公正な判断を下すので、国民から大変信頼され、なおかつ愛されていたとの事です。
戦えば強く、判断を任せれば非常に公正というのですから、そりゃ、信頼もされますよね。
(どっかの国の総理大臣とは、ちょっと違う)
つまり、彼は富と名声、そして権力を手に入れていたということになります。

そーんな預言者ダーウードさんを、預言者ムハンマドさん(平安あれ)は大変褒め称えていらっしゃいました。
ただ、ムハンマドさん(平安あれ)は、彼の名声、富、権力などについて称賛していたわけではありません。
預言者ムハンマドさん(平安あれ)が、ダーウードさんという方は本当に素晴らしいんだっと
言った点は、以下です。
1.断食。 ダーウードさんは、なんと一日おきに断食をされていたとのこと。
2.夜の礼拝。ダーウードさんは、夜の三分の一位の時間を礼拝に捧げていたと伝えられています。
この夜の礼拝というのは、非常に難しくなかなか出来る人はいませんが、やるととても良いんですよね。
何しろ、誰もいない静かな時間に、神様とゆっくり話しが出来るわけですから、どうしたって、神様との距離が縮まります。
そして、この時間にお願い事をすると、かなりの高確率で願いを聞いてもらえるそうです。
(なにか叶えてもらいたい事がある人、夜の礼拝、推奨します!!)

つまり、預言者ダーウードさんの素晴らしい点というのは、神様への崇拝行為にあるのです。
決して、権威や、名声、富、などといったものではありません。
まあ考えてみれば、そういった物というのは、神様がお与えになった物ですから。
それに対し、「すごい、すごい。」と言うのは、ちょっと違うかもしれません。
しかし、
断食や礼拝というのは、自分の意思で頑張って行う物ですからね。
その頑張りに対し、「すごい、すごい。」と言うのは、間違っていないでしょう。

しかし、そんな立派なダーウードさんでありますが、
イスラエルの民から見ると、ちょっと違う人物像になってしまうのです。
驚くことに、
ユダヤ人視点において、ダーウードさんというのは、
どうも、、、、

ふしだら、、、、(!?)

な人間なのだそうで、、
なんじゃ、それっ?って感じですよね?

彼らの文献によると、彼には99人もの奥さんがいたのに、自分の部下の奥さんが欲しくなってしまったそうで、、。
もうこれだけで十分、「えっ!」って感じなのですが、
なんと!!
その部下さえいなければ、彼女と良い関係が築ける(?!)と思い、部下を戦地に送ってしまったとのこと。
いや、もうここまで来ると、
「嘘、ウソ、そんなわけないじゃん。」と思うのですが、
彼らユダヤ人は、この話しを信じてるそうです。

いや~、ダーウードさんて、ユダヤの民に送られたユダヤ人の預言者なんですよ。
ましてや、ユダヤ史上、最も栄えた時期を担っているんですぜ。
自分達の預言者さんに対して、そんな話を作ってしまって、嫌な気分にならないのでしょうかねえ。
興味のある方は、ウィキペディアでダビデと検索すると、細かい話しが出てきますが、
個人的にはちょっと細かすぎなんじゃないか?て思っちゃいます。
だって、
何千年も前の話しなんだぞ!
そんなに詳しく、語り継がれているのかい!
絶対、創ってるだろう!
というのが、私の正直な感想です。

イスラム的には、どの預言者さんも<素晴らしい人物>であります。
わざわざ神様が、
私達のために、
私達を正しい道に導くために、
ふしだらな人間を送ってくる理由なんか、ありますか?
いや~、なかなか興味深い。

ここでイスラム的に、どれだけダーウードさん(平安あれ)が、素晴らしいと認識されているのかを一つご紹介。
この話は、かなり前にここ(神様の世界史)に書いたことがあるのですが、
きっと覚えていらっしゃらないだろう、ということで、もう一度!!

神様は、アダムさんを創造された後、 アダムさんの腰部分から全ての人間を出されました。
アダムさんは、その中に誰よりも光輝く人物を発見しました。
そして、
「この光輝く人物は、誰ですか?」と聞くと

神様は、
「それは、ダーウードである。」
と、お答えになったのでした。

誰よりも光輝く人物が、邪な行いなどするとは到底思えません。
預言者というのは、私達の模範になる方々ですからね。
立派な預言者さん達が、たくさんいらっしゃって、
イスラム教徒は非常に、ラッキーです。

では、次回は、ダーウードさんの息子さんの話しに移ります。
まだまだ、ユダヤの黄金期は続きます。

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!
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新たな預言者の誕生!ユダヤの黄金期に突入。

2025-04-18 15:32:25 | イスラム教
こんにちは、ファーティマ松本です。

ユダヤ人の歴史について。
まずは、軽くおさらいです。

ムーサさんはユダヤ人を助けました。
そして神様は、彼らの生活を律するために、ムーサさんに律法を授けました。
しかし、ムーサさんが不在の時、彼らユダヤ人は牛の偶像を作って拝みだした為
ムーサさんは激怒しました。
その後、ムーサさんは彼らと共に約束のカナンの地に戻りましたが、
ユダヤ人達が、この地には恐ろしい人達がいるということで、入国を拒否。
そのため、神様は40年もの間、彼らがカナンの地に入ることを禁止されました。
ムーサさんの死後、ユシャーという名の新たな預言者が遣わされ、
彼がユダヤ人と共に戦い、カナンの都市エリコに入ることが出来ました。
ユシャーさんが生存中は、しっかりと暮らしていたユダヤ人達でしたが、
ユシャーさんの死後は、また正しい道からどんどんと離れてしまいました。
そして、住んでいた土地を周りの異民族に取られてしまいました。
そこへ新たな預言者の登場。
彼(名前は多分サミエル)が、王様がいれば戦うぞう!というユダヤ人に対し、王を任命。
その人物の名は、タールート。
彼が身分が低くお金持ちでなかったため、人々は拒絶しましたが、その時奇跡が起きました。
なんと、タールートの前に、何年も前に失くなった箱が戻って来たのでした。
その箱の中には、ムーサさんの遺品等が入っていたとされています。
その箱が彼らの元にあった時には、その箱を持って戦いに行っていたそうです。
そして、必ず勝利をあげていたとされています。
ユダヤ人達は、その箱を前にして仕方なく、タールートを王と認め、戦いに望みました。
しかし、戦いへの道中、川の水を飲んではいけない、飲んでもほんの少しだけだ、という王様の命令に従わない者が多数いました。

<では、ここから今回のお話のスタートです。>

一説によると、8万人いた軍隊の中、この川のテストに受かったのは、ほんの4千人だったとあります。
そして、この川のテストの後にも選別があり、結局最終的に残った人の数は300人ちょっとだったそうです。
此の様に、イスラエルの民(ユダヤ人)の大半は、とかく預言者の言う事を聞かなかったり、
ひどい場合には預言者を殺してしまったりするので、彼れの上に立つ人というのは苦労が絶えなかったのです。

300人ちょっとの軍隊に対し、対する異民族は多人数であるだけでなく、
体格の良い人ばかり。
彼らのリーダーがその中でも、特に身体の大きい人物でした。
名前をジャールート、英名ではゴリアテといいました。

当時の戦いは、まずは一対一の戦いから始まったようです。
まず最初に、この図体のでかいジャールートが出てきて、
「さあ、俺様の相手をするのは誰だ?」
と言いました。
ユダヤ人サイドは、もうそれだけで怖気付いてしまいました。
何しろ、デカくて超強そうだったのですから、仕方ないですよね。
しかしそこへ「僕が相手だ!」と声をあげたのは、
まだまだ少年と言っていいほどの青年でした。
彼は、背も高くなければ、体格が良いわけでもありません。
相手側は大笑いし、ユダヤ人サイドも
「お前、やめとけ、やめとけ。」と彼を制します。
しかし、その青年は、「大丈夫、大丈夫。この間も熊をやっつけたんだから。」
と勇敢に、ジャールートの前に立ちはだかりました。
ジャールートが
「お前なんか一瞬でやっつけてやるわ。」と言っている間、
青年は、石を掴んでジャールートの額に向けて投げつけました。
すると、ジャールートは額から地を流し、その場にバタッと倒れそのまま息を引き取ったのでした。
それを目にした相手の軍隊は、「リーダーがやられたぞお!」と
全員踵を返し逃げてしまったという事です。

この青年が後に、彼らユダヤ人の王となり、そして預言者になる人物です。
名前は、ダビデさん(平安あれ)!
このダビデさんと彼の息子さんのスレイマーン(ソロモン)さん(平安あれ)の時代が、
ユダヤ人の黄金期であります。

さて、この青年ダビデさん(アラビア語でダーウード)でありますが、
戦いを前にして、このような祈りを神様に捧げていました。
クルアーンを見てみましょう。

『それからかれらは進んで、ジャールートとその軍勢に見えんとする時、(祈って)言った。
「主よ、わたしたちに不屈の精神を注ぎ込んで下さい。わたしたちの足場を固めて、
 不信心の民からわたしたちを御助け下さい。」 (2-250)

この祈りには、大きなレッスンが込められています。
それは、まさしく<お助けください>という部分ですね。

<神様からの助け>と聞いて、どんな事を思いますか。

「いやあ、神様が助けに入ってんだったら、もう勝ち確実でしょ?」と
思われたそこのあなた、正解です。
神様と言ったら、な~んでもできるお方ですよ。
風だの、水だの、動物、昆虫だの、そして天使たちなど、神様がお創りになった物を使って、
誰かを助けるのなんて簡単なことです。
もちろん、何も使わなくったって同じです。
神様には、不可能ということはないのですから。

このダーウードさん(平安あれ)の戦いだけでなく、神様は何度も何度も人間を助けています。
その全てのケースで、一見すると「絶対に無理!」というような状況にも関わらず、であります。
例えば、ムーサさんがユダヤ人を連れて逃げた際の事、覚えていらっしゃいますか。
エジプト軍が追って来る中、彼らの眼の前には紅海がありました。
ユダヤ人達は、もう駄目だ、やられちゃうと完璧に諦めモードに入ってしまいましたが、
神様は海を2つに割って、ユダヤ人達を助けたのでした。

私達人間は、自分達が考えられる範囲の中でしか考えることが出来ません。
「あー、もうお終いだ。」とか。
「この状況では、絶対に無理だ。」とか。
しかし神様は、私達が考えられる範囲の中から、遥か遠くにいらっしゃるお方です。
ですから、どんなに状況が絶望的であったとしても、神様が自分の側にいてくれれば、
勝利は確実なのです。

上記の状態で、紅海を前にした預言者ムーサさん(平安あれ)は、こうおっしゃいましたよね。
「大丈夫、アッラーが一緒にいられる。」

神様が一緒にいてくださるのであれば、どんな状況であっても勝利は確実です。
(デファルトってやつですね。)
しかし大事な点として、その勝利というのが、またしても私達の考えられる範囲の中ではない、ということです。
 
例えば、現在進行中のイスラエルによるガザの侵攻。
普通に見れば、「全然イスラエルの方が勝ってるじゃん。」
「じゃあ、神様はイスラエル側なの?」
と思われることでしょう。
毎日の様に殺されている人たちは、じゃあ、負けた人達なのか?

いえ、そうではありません。
彼らは、全員殉教者になったのです。
殉教者というのが、神様視点でどれだけの地位であるのかご存知でしょうか。
もしそれが分かれば、彼らはまさしく勝者以外の何者でない事が納得できるでしょう。
預言者ムハンマド(平安あれ)は、殉教について最も尊い死の一つであると言いました。

彼(平安あれ)によると、殉教者はアッラーのもとで6つのことを授かるそうです。

1.その最初の流血で罪が全て赦される。

2.(墓場にいる期間)楽園の中での位置が見える。

3.墓の罰から守られる。

4.大いなる恐れ(審判の日)の恐怖から守られる。

5.頭に栄光の冠が与えられる―その宝石はこの世界よりも尊い。

6.72人の楽園の配偶者と結ばれ、70人の親族のために執り成しができる。

死んだ後の生活がものすごく優れている、夢の様だということです。
つまり、一見殺されて負けたかの様に見えた人達は、良い生活をてに入れられた勝者なのです。

預言者さんによれば、殉教者達はあまりにも素晴らしい生活を手に入れられたがため
もう一度現世に戻って、殉教者として殺されたいと願う位だそうです。

しかしイスラエル側は、そんな事を知りません。
自らの手で、多くのパレスチナ人達を殉教者という最高レベルの位にして、
天国に送り込んでいる事を。
毎日行っているであろう監禁、拷問、殺害、このような行いをしながら、
相手に殉教者という最高の地位を与えている事を。
そしてもちろん、その自分の手で、自らを火獄への追い込んでいる事も。

イスラエルは、いつか必ず敗れます。
そして、もちろん勝者は、パレスチナ人達です。
それがいつなのかは、分かりませんが、必ずその日はやって来ます。
なぜなら、神様が彼らの側にいるからです。

では
神様が側にいてくれる人達の特徴を、3点書いてみましょう。
まず第一は、前回の記事にも書きました。
「アッラーは耐え忍ぶ者と共にいられる。」(2-249)
我慢、忍耐、耐えて耐えて耐え忍ぶ人達です。

第二に、
「まことにアッラーは善行を行う者と共におられる。」(29:69) 
 善い行いをする人達。人を傷つけるなんてもっての外です。

第3に、
「まことに、アッラーはタクワのある者、そして善行を行う者と共におられる。」(16:128)
タクワとは、アッラーを常に意識し、畏れ、命令に従い、禁止を避ける心の状態のことです。
そういったアッラーの決まりから外れる事、アッラーに怒られる事をする事を畏れる心がある人達が、タクワのある者。

この3点を全て満たしているのは、どう見てもイスラエル側ではなく、パレスチナサイドです。

一日も早く、パレスチナが開放され、普通の平穏な日々を得られる様になりますように!!
(アーミーン)

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
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ユダヤの民 選別テスト

2025-04-11 11:51:19 | 中近東
こんにちは、ファーティマ松本です。

前回、新たにイスラエルの民に遣わされたのが、預言者サムエル(アラビア語でシャムウィール)であるということをお伝えしました。
しかし、彼のお名前はクルアーンには明記されていません。
ただ、聖書には書かれてあるので、ユダヤ教徒、キリスト教徒の人にとっては珍しい名前ではないかもしれません。
イスラム社会でも、バカラ章に書かれてある「彼らの預言者」という記述は、この預言者シャムウィールさんであろうと認識されています。

さて、この預言者シャムウィールさんが任命した王様が、タールートという人物です。
ユダヤ人達は、
「こんなタールートなんて出身も良くないし金もないから駄目!」
と彼の王位性を認めませんでしたが、神様からの奇跡を前にして仕方なく認めたということでしたね。
その奇跡とは、ムーサさんの遺品等が入った箱(ターブート)が彼のもとに戻ってきた事によって示されました(クルアーン 2:248)。
この「ターブート」は、イスラエルの民にとって非常に重要な聖なる箱であり、戦いの際には彼らの士気を高める物らしいので、色々と駄々をこねていたユダヤ人達も
やっとこさ、戦いをする覚悟を得たようです。

さあ、ここからが今回のお話の始まりです。

タールートは、戦争にあたってユダヤ人を選別しました。
心の底から、神の道のために頑張るぞという人物だけを連れていきたかったからです。
そのため、これから結婚しようと思っている人や、ビジネスをする予定の者など、この現世にまだまだ未練があると言う人達は連れていきませんでした。
また、面白いことに出征の道中もテストをしながら、選別をし続けた様です。
なぜなら、やる気のない戦士を何人も連れていくより、やる気に満ちた少数を連れて戦った方が良いと判断したからでしょう。

では、タールートがとったテストとはどんなものであったのでしょうか。
クルアーンを見てみましょう。

『タールートが軍を率いて出征する時、かれは言った。
「本当にアッラーは、川であなたがたを試みられる。
 誰でも川の水を飲む者は、わが民ではない。
 だがそれを味わおうとしない者は、きっとわが民である。
 只手のひらで、一すくいするだけは別だ。」
だが少数の者の外、かれらはそれを飲んだ。
かれ(タールート)およびかれと信仰を共にする者が渡った時、
(残された)彼らは言った。
「わたしたちは、今日ジャールート(ゴリアテ)とその軍勢に敵対する力はない。」 
しかし、アッラーに会うことを自覚する者たちは言った。
「アッラーの御許しのもとに、幾度か少い兵力で大軍にうち勝ったではないか。
 アッラーは耐え忍ぶ者と共にいられる。」(2-249)

川の水を少しだけだったら飲んでもいい。
でも満足するまで飲んでいけないというのが、彼のテストでありました。
ものすごく喉が乾いていて、目の前に美味しそうなお水があったら誰だって思いっきり飲みたくなってしまいますよね。
しかし、それを我慢出来ない位では、これからの戦いに勝つことなど出来ません。
なにかを成し遂げようと思うなら、ある程度の犠牲や我慢、忍耐といった物は避けられないはずです。
これは日本人には、全く新しい発想ではないですよね。
私達もまーまーそうですが、私達の祖先、先人達がそのような精神性を持っていたのは確かです。
そうやって、日本という国を守ってきてくれたのですから、有り難い事です。

しかし、イスラム教の良い所は、さあ、頑張れ!さあ、忍耐しろ!とそれだけではない所です。
神様が、<その様に頑張る人の近くにいてくださる!>という点!
これこそが、イスラム教の何よりも素晴らしい所だと思います。

『アッラーは耐え忍ぶ者と共にいられる。』

このお言葉、クルアーンの中に随所で見ることが出来ます。
神様が一緒にいてくだされば、どんなに心強い事でしょう。
神様さえいてくだされば、他に誰もいてくれなくったって全然オーケーだと思うんです。
何しろ、これ以上の最高の助っ人は、神様以外どこを探したっていませんからね。

そんなこんなで、タールート達の軍隊は、大人数の敵を相手に少人数で戦うのですが、
ここに新たな預言者が登場し、ユダヤ人(イスラエルの民)を大きく発展させていきます。
いわゆるユダヤ人の黄金期に入ります。

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
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生きる意味を見失い、暗闇の中を彷徨っていた樹里。
同棲相手との暴力的な関係、妊娠、そして心に残る深い傷…。
そんな彼女の前に現れたのは、サウジアラビアから来た研修生、アハメッド。

彼の話すイスラム教の教えや価値観に触れた樹里は、
「幸せ」「成功」「愛」「お金」といった、当たり前だと思っていた価値観が揺さぶられていく。

アハメッドとの交流を通じて見えてきた、新しい人生の視点とは?
暗闇から抜け出し、心に光を灯すヒントはどこにあるのか?

この物語は、傷ついた心を抱えるすべての人に贈る再生の物語。
「本当の幸せ」を見つけたいと思っているあなたへ。

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イスラム的な人生の処世術!
あなたは何のために生まれ、何をして生きていけばいいのでしょう。
人生の目的は?

せっかく生まれてきたのです。
神様に守られた平和な現世を歩きたくはありませんか。
そして来世では、天国に入って
”永遠に” ”幸せ” に暮らしたくはありませんか。
方法はとてもシンプルです。
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イスラエルの民に課せられた戦い

2025-04-06 01:51:25 | イスラム教
こんにちは、ファーティマ松本です。
ラマダーン終わりましたね。
いつもながらではありますが、あっという間の一ヶ月でした。
特に今回は、本当にびっくりするくらいの速さで過ぎて行ってしまいました。
(皆様方の良い行いが、受け入れられますように!)

それでは、またまた神様の世界史に戻ろうと思います。
前回までのおさらいを少しだけ。

エジプトで奴隷になっていたユダヤ人を助け出したのが預言者ムーサさんでした。
しかし、ユダヤ人達は、約束の地カナンを前にして、
この地には怖い人達が住んでいるからという理由で、中に入る事を拒みました。
そのため、神様は彼らがその地に入ることを40年もの間禁止されました。
40年もあれば、世代交代が起き、純粋に唯一の神様だけを信仰する人だけになるからです。
ムーサさんは、カナンの地に入る事なく亡くなってしまいましたが、
彼の後を引き継いだユシャーという名の預言者さんが、ユダヤ人と共にカナンの地に入ることが出来ました。
ユシャーさんの指導の元、彼らはムーサさんに与えられたトーラを守りながら平和に暮らしていました。
しかし、ユシャーさんの死後、状況が変わりました。
彼らの信仰心は少しづつ崩れていき、内部分裂が始まりました。
それと共に、近隣の異民族の支配を受ける様になってしまったのです。
そのため、神様は新たに彼らに預言者を送られました。
その方のお名前は、サムエルと言いました。
ユダヤ人達は、サムエルさんに
「私達に王を与えてくれ。そうすれば彼の指導の元、我々は、異民族と戦うぞ。」と
言いました。
しかしサムエルさんがタールートという人物を王に選ぶと、彼らは猛反発したのでした。
クルアーンを見てみましょう。

『彼(預言者)が言った:「アッラーはあなたたちの王としてタールートを選ばれた。」
  彼らは言った
「どうして彼が私たちの王になれようか? 私たちは彼よりも王位にふさわしく、
 彼には十分な財産もないのに。」』(2:247)

彼らは、タールートの家柄が低く、そして裕福でないからという理由で彼が王になる事を拒んだそうです。
どうも昔から人間というのは、家柄とかお金があるかないかで、人を判断しがちのようですねえ。
神様は、しかし、そんな家柄だの何だのといった物よりも優れたものを、彼(タールート)にお与えになっていました。
タールートは非常に賢明であり、戦争の指揮に必要な知識を持っていたそうです。
また、身体的にも強く、戦士としても優れていたとの事でした。
しかし、そのような戦いに必要な要素を持っていたとしても、ユダヤ人達は、
「いやー、だめだ、だめだ。あんな奴が俺等の王様なんてありえない。」と
断固拒否をしたのでした。
そのため、神様が彼らに一つの奇跡をお見せになり、彼らを黙らせました。
その奇跡とは、
ムーサー さんとハールーンさんの家族が残した聖なる箱(ターブート)というのを
彼(タールート)のもとに戻ってこさせました。
このターブートには、ムーサさん達の遺物が納められていた とされています。
また、この箱は彼らに「サキーナ(安らぎ)」をもたらすものとされています。
クルアーンを見てみましょう。

「彼らの預言者は言った:
『タールートの王位の証拠は、あなたたちのもとにターブート(聖なる箱)が
 戻ってくることです。
その中には、あなたたちの主からのサキーナ(安らぎ)と、ムーサーとハールーンの家族が残した遺物が入っている。
それを天使たちが運んできます。
本当に、これにはあなたたちへのしるしがあります。
もしあなたたちが信仰しているなら。』」(クルアーン 2:248)

この奇跡を見て、イスラエルの民(ユダヤ人達)もようやく納得し、異民族と戦う事になったのでした。

本当に、人間の歴史というのは、戦いの歴史ですね。
続きはまた次回です。

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!
 
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