樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

モーツァルトと鳥

2019年07月04日 | 野鳥
興味があって、モーツァルトと鳥の関係を調べていました。『神モーツァルトと小鳥たちの世界』という本には、「モーツァルトの作品には鳥の声が存在する」と書いてあります。また他の本には、モーツァルトとホシムクドリとの謎めいた出合いが記されています。
ある時、ウィーンの街を歩いていたモーツァルトは、1軒の小鳥屋の前で足を止めます。自分が1カ月前に作曲したばかりの、つまり初演前で誰も知らないはずの旋律を歌う鳥がいたからです。声の主はホシムクドリ。


ホシムクドリ(Public Domain)

モーツァルトはそのホシムクドリを買って持ち帰り、さえずりを採譜しました。一方、1カ月前に完成したのは、ピアノ協奏曲第17番ト長調(K453)。その第3楽章のテーマと鳥の声を比較した楽譜が下。ほとんど同じです。



ホシムクドリはものまねが上手な鳥ですが、未公開の曲をどこで覚えたのか?という疑問が湧いてきます。
昨年、アメリカのある野鳥研究家が、この謎を解くために自らもホシムクドリを飼い、ウィーンやザルツブルグなどモーツァルトが暮らした街を取材して1冊の本を上梓しました。タイトルは『モーツァルトのムクドリ~天才を支えたさえずり~』。



その中に、モーツァルトが窓を開けて作曲していたので、その音を聞いてまねしたのではないかなどいくつかの推論が披露されています。そして、この天才作曲家がいかにホシムクドリを愛していたかについても詳しく述べられています。
例えば、ホシムクドリが死んだとき、父親の葬儀にさえ出席しなかったモーツァルトが葬儀を挙行し、次のような追悼の詩をつづります。「その死を思うとこの胸はいたむ。(中略)憎めないやつだった。ちょいと陽気なお喋り屋。ときにはふざけるいたずら者…」。
また、ホシムクドリだけでなくかカナリアも飼っていたなど、モーツァルトと鳥に関する面白いエピソードが書いてあります。偉大な作曲家の頭の中には、鳥のさえずりがいっぱい詰まっていたのかも知れませんね。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2019-07-04 10:48:20
ホシムクドリ、星が入って綺麗な羽です。
モーツアルトさん、ホシムクドリとは知らずに、どこかで鳴き声を聞いていたのかと思ったのですが、そうでもなかったのですね。
kazuyo様 (fagus06)
2019-07-05 09:22:10
ホシムクドリはヨーロッパにいる鳥ですが、日本にも時々やってきます。私はまだお目にかかったことがないです。
アメリカにも持ち込まれて、たくさんいるようですが、現地では嫌われ者のようです。日本でいえば、ヒヨドリのような感じでしょうか。
じっくり見ると美しい鳥ですよね。

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