樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

白神山地の樹木

2019年07月18日 | 樹木
前回に続いて白神山地ツアーのご報告です。今回は樹木。ツアーの目的は鳥見ですが、せっかくなので、ディープなブナ林を体感すべくガイドを雇いました。
まず案内されたのがマザーツリー。当地のブナがすべてこの母樹から生まれたわけではないでしょうが、これまでに私が栃の森や各地のブナ林で目にした中で最大でした。残念ながら最も太い枝が折れて、往年の威風が損なわれていました。
その後、ガイドは林道から森の中に分け入り、腰のナタで小枝を切り開きながら奥へ奥へと進んで行きます。密林の中をヨタヨタついて行くと、立木がなく、ブナの幼木がびっしり生えた20畳ほどの空間に到着。ガイド自身が作ったという木のベンチに腰掛けていると、コーヒーをいれてくれました。
彼は客の反応や会話から案内すべきコースを選んでいるようで、鳥や樹の話をしている私たちを熱心な自然観察者と判断して、このプライベートスポットへ案内してくれたようです。
林道から眺めるだけでは把握できなかったのですが、密林の奥に分け入ると、中はブナの純林。高木はほぼ100%ブナです。その情景を動画で撮ってみました。



歩きながら目に入る低木の樹種が最初は識別できませんでした。よく見るとオオカメノキやクロモジなどですが、いつも栃の森で目にする同種に比べると葉が異様に大きいのです。しかも、栃の森ではせいぜい人間の高さ程度ですが、ここでは倍ほどの樹高。翌日に訪れた弘前大学の白神自然観察園でも同様でした。


クロモジの葉。栃の森では半分以下


マルバマンサクの葉もデカイ

帰りの飛行機の中で、「高木のブナが密生しているので降り注ぐ光が少なく、必要な光合成を行うために葉が大きくなった。そして、光をめぐる競争に勝つために上へ伸びる必要があるので樹高が高くなった」という仮説を思いつきました。
しかし、信州や東北に出かける機会が多い栃の森の同行メンバーによると、「樹木の葉は北に行くほど大きいです」とのこと。葉のサイズは、光ではなく緯度と相関関係があるようで、一度調べてみようと思います。
東北は樹の葉がデカイだけでなく、樹体そのものも大きいようで、白神山地から十二湖への移動途中に「日本最大のイチョウ」を見てきました。看板によると、樹齢1000年以上、高さ31m、幹回り22mだそうです。

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6 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2019-07-18 11:14:31
太くて風格があります。白神山地のブナ林、余りにも有名です。初めてブナと名札があった木に出会ったのは奈良県御所市、葛城山頂ででした。ブナ林は貯水能力が高いのですね。
マルバマンサクの葉の大きさ、立派です。我が家のベニバナトキワマンサクは曾孫よりまだ小さいです。
北海道に同種の植物が有れば本州よりサイズが大きいです。ウバユリとオオウバユリ、すぐに思いつきませんが、今迄から感じていました。
最後のイチョウ、何本もが寄っているように感じるほどです。乳根が凄そうです。
kazuyo様 (fagus06)
2019-07-19 08:24:28
ブナの分布は積雪の分布と重なることが多いようです。奈良にもブナ林があるのですね。
そうですか、草本でも北海道の葉は大きくなるのですか。知らなかった。
日本一のイチョウは、何十本もの株立ちです。これまでにもイチョウの大木を観に行ったことがありますが、だいたい「垂乳根」があって、子育て信仰の対象になっていますね。
Unknown (白蝶)
2019-07-24 13:12:43
この記事を見ても、白神山地は、やはり神の住むところという感じがしますね。憧れが増します。

北に行くと樹木や葉が大きくなるのは、緯度が高くなると面積当たりに受ける日光の量が減るから、同じ量の日光を受けるためにより広い面積を必要とするということなのでしょうか?でも、北緯が高いのは冬には解消されますもんね。不思議ですね。

関係ありませんが、人間も北方の人は背が高い印象があります(笑)
白蝶様 (fagus06)
2019-07-25 08:11:22
緯度と葉の大きさについて、私も日照時間が要因かなとも思いましたが、そうでもないようです。
ネットで調べると、同じ種類の葉の大小については不明でしたが、一般的に緯度が低い、つまり赤道に近い地域の方が葉が大きい種類が多いそうです。
そういえば、バナナとか沖縄のバショウは草本ですが、葉がでかいですね。
人間も北方は背が高い? 新説ですね(笑)。
Unknown (白蝶)
2019-07-29 12:32:58
確かに緯度とは関係なさそうですね。
では新たな仮説です(笑)
何らかの理由で土壌の窒素の量が多い
というのは考えられないでしょうか?
窒素が多いと葉が大きくなるそうですので。
(当てずっぽうです。笑)

北に行くほど背が高くなるというのは
インド特有の現象でした。
南インドは原住民(ドラヴィダ系)の血が濃く、
北に行くほどアーリア人(白人)の血が
多く入っているのでそうなるそうです。
白蝶様 (fagus06)
2019-07-30 08:44:10
新説の提唱、ありがとうございます。私は分かりませんが、土壌説もあり得ますね。
そうですか、インドではそういうことがあるんですね。初耳です。他の地域でもあるかもしれませんね。
人種によって背が高いとか、太っているとか…。

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